転生とらぶる
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マブラヴ
0847話
映像モニタに映し出されているのは無数のBETAの死体。
要塞級、重光線級、要撃級、戦車級、光線級、闘士級、兵士級の区別無く死体となって地面に転がっている。
死体の中に突撃級が無いのは、そのほぼ全てがフレイヤで文字通りの意味で消滅したからであり、僅かな生き残りにしてもフレイヤによる二次被害の空気の急速な流入により纏まったところをニーズヘッグの攻撃によって消滅したからだ。
一応ニーズヘッグの攻撃で倒された方の突撃級は死体の残骸くらいは残っていると思うが、それにしてもBETA群の前衛を務める突撃級は俺達シャドウミラーとBETAの戦いの主戦場となった場所からかなり離れた場所での出来事だ。
……まぁ、レモン辺りがメギロートに命じて突撃級の死体を回収しているかもしれないが。
そう言えば生きているBETAの捕獲をするとか言ってたが、それは成功したのか?
『アクセル、これからどうするの?』
そんな風に考えていると、シロガネのマリューから通信が入る。
「どうすると言ってもな。さすがにここまで大暴れして、挨拶も無しで帰る訳にはいかないだろ。取りあえず念の為にBETAの生き残りがいないかどうかをメギロートとイルメヤそれぞれ200機ずつに命じて探させておけ、それとシャドウを20機程周囲の警戒に回せ」
『……さすがにこの状況で私達に戦いを挑むような真似をするとは思えないけど?』
「だろうな。だがこっちが弱腰だと見られれば、笠に掛かって要求してくる可能性が高い。それを思えば俺達はやる時は容赦なくやるってのを見せつけておいた方がいい」
そう声を掛けると、マリューは溜息を吐いてから小さく首を横に振る。
『あのね、そもそもこの世界の人達がどうしようも無いと思った程の相手に、私達は圧勝したのよ。それこそ、こっちの戦力的な消費は殆ど無いままで。そんな相手に対して、普通は何とか穏便に済ませようと思うのが普通だと思うわ』
「確かに普通はそうかもしれないけど、どこの世界にも馬鹿はいるんだよ」
それこそオーストラリアでゲートに攻め込んできた中佐のようにな。
もっともあの時はアメリカからの指示だったのを思えば、さすがにここでそんな真似は……ああ、でも国連は殆どアメリカの支配下にあるに等しいのか。それを思えば、絶対に安全だとは言えないかもしれない。
「とにかくシャドウは念の為に頼む。……それで、こっちの戦力の消費は殆ど無いって話だけど、具体的にはどのくらいだ?」
先ほどのマリューの言葉が少し気になり、尋ねてみる。
『撃破された機体は無いわ。大破が32機。メギロートが9機で、イルメヤが23機ね。さすがに空を飛べるメギロートは被害が少なかったようよ。もっとも、メギロートの場合は光線級をシロガネとニーズヘッグが引き受けていたという理由も大きいんでしょうけど』
「イルメヤが23機、か。まぁ、地上で圧倒的多数のBETAに周囲を完全に囲まれた状態で戦い抜いたと考えれば、被害は寧ろ少ないのかもな」
イルメヤのメインの武器は、その尾から放たれる実弾兵器のガトリング・フォトンとビームガトリング砲だ。その威力はBETAに防げるものではない為に、基本的に近距離攻撃しか持たない中衛の要撃級、戦車級、闘士級、兵士級を相手にしてここまでの被害の少なさで済んだのだろう。
「機体やパーツの回収は?」
KMFやMSならともかく、無人機でもあるメギロートやイルメヤに関してはシャドウミラーの中でも主戦力だ。それを考えれば、シャドウミラーとしての利益を考えてもこの世界の住人に対してパーツを回収されるのは避けたい。
だが、マリューにしてもそんな俺の懸念は既に理解していたのだろう。……いや、技術班にいるからこそ、俺より正確に理解していたと言うべきか。ともあれ、そんな俺の言葉に笑みを浮かべて頷くマリュー。
『問題無いわ。メギロートとイルメヤに命じて既に回収済みよ。それに壊された機体はこっちでもBETAの能力を調べるという意味では色々と有益だしね』
さすがに技術班のNo.2だけはあって素早い。
『それと……アフリカ連合軍と中東連合軍の方から会談の要請が来ているんだけど。どうする?』
地上で生き残りのBETAを探しているメギロートやイルメヤを眺めて感心していると、突然マリューからそんな風に声を掛けられる。
だが、会談か。必要か? ……いや、必要なんだろうな。
そもそも俺達がアラビア半島にやって来たのは、シャドウミラーとしての戦力がどれ程のものなのかをこの世界の住人に……より正確にはニューヨークの国連本部ビルに集まっていた各国の代表へ見せつけるという理由がある。
その名目として利用されたのが、今回のBETAがアラビア半島へと侵攻してきた際の救援だった訳だ。
それを思えば、やはりこの会談を断る訳にもいかないだろう。
それにアフリカ連合軍も中東連合軍も組織としては一応国連の下に入ってはいるが、それでも1国からの会談要請となると無碍にしない方がいい。
派遣されている国連軍の司令官から会談の要請が無いのは、ニューヨークの方から既に何らかの指示がされていると見て間違いないだろうが。
「通信でなら受けると向こうに伝えてくれ。それと、ニューヨークの国連総会の方には?」
『そっちはレオン経由で既に情報がいっているわ。……まぁ、私達が言わなくても通信映像でこの戦いを見ていたのは間違いないでしょうけど』
だろうな。そもそも、こちらの戦力を見せるつもりだったんだから、見て貰ってないと意味が無い。
『ともかくアクセルは一旦シロガネに戻ってきてちょうだい。本当ならニヴルヘイムでもいいんだけど、あっちはあっちで今は色々と忙しいらしいから』
「……ニヴルヘイムが忙しい? 何かトラブルでもあったのか? BETAには攻撃された様子は無かったが」
と言うか、そもそもニヴルヘイムが転移してきた時には既に光線級は全滅していたし、重光線級も同様に殆ど数が残っていなかった筈だ。……いや、もし重光線級が数百匹、数千匹単位でいたとしても、ニヴルヘイムが展開している幾重ものバリアは突破出来ないだろう。
更に何らかの理由でレーザーが命中したとしても、ニヴルヘイムの装甲は新型のPS装甲だ。ビームやレーザーと言った光学兵器は軒並み無効に出来る程の性能を持つ。
だが、そんな俺の疑問に戻ってきたのはマリューの深刻そうな顔……ではなく、苦笑。
「ほら、ニヴルヘイムは機動要塞ということもあって、かなり広いでしょ? だから、レモンが捕らえるように命じたBETAをニヴルヘイムに収容しているのよ。そっち関係で忙しく動いているわ。……エザリアが色々と大変そうだったけど。それと、量産型Wが念のためにニヴルヘイムの運用データを調べたりもしているわね」
「……ああ、なるほど」
確かにニヴルヘイムの実戦初運用を思えば、そのデータは色々と必須だろう。改良にも役立つだろうし。
「けど、BETAは安全なんだろうな? ニヴルヘイムの中に収容したとして、その内部で暴れられたりしたら洒落にならないぞ?」
『基本的にはイルメヤのスパイダーネットで手足を縛って動けないようにしているし、光線級に関しては仲間を決して撃たないという習性を利用してBETAの身体で前後左右と上下を囲んでいるそうよ』
「……なるほど」
確かにレモンがその辺を疎かにするというのは考えにくいか。そもそもニヴルヘイム自体が技術班の結晶であり、即ちレモンにとっても大事な存在なのだから。
「了解した。取りあえずそっちに関してはレモンに任せる。ただ、危険性については念押しをしておいてくれ。俺はこれからシロガネに着艦する」
『ええ、待ってるわ』
短く返事をし、通信が切れる。
……さて、アフリカ連合軍に中東連合軍か。どんな話があるのやら。
向こうにしてみれば俺達の事情を少しでも知りたいといったところだろうけどな。
当然国連の方から俺達の情報についてはある程度渡っているだろうし。
そんな風に考えながらシロガネの格納庫へと着艦し、そのまま量産型Wに整備を任せてブリッジへと向かう。
「お、アクセル。お前も戻ってきたのか。どうだ、ちょっと腹ごしらえでもしないか?」
その途中でムウと遭遇するが、今は色々と急いでいるので立ち止まって会話をしている場合じゃない。
「悪いな、今からここを守っていた軍隊のお偉いさんとの話し合いがあってな。そんな時間がないんだよ」
「へぇ、お偉いさんねぇ……さすがに国の代表ともなれば色々と大変そうだな。パイロットの俺は気楽に腹ごしらえでもさせて貰うよ。ま、頑張ってくれ」
そう告げると、肩を軽く叩いて去って行く。
腹ごしらえか。俺も何か食べたいところだが……
ちなみに、シロガネの中で食える料理は当然ホワイトスターのものなので、それなりに美味い。……とは言っても、さすがにマリューの手料理や超包子の料理程に美味いわけじゃないが。
それでもこの世界の住人にしてみれば、合成食と比べるとかなりの味を誇っているだろう。
そんな風に考えつつブリッジへと到着すると、そこでは何故か笑みを浮かべて談笑をしているマリューの姿が。
そして談笑の相手は黒人の40代程の中年の男だ。
『はっはっは。いやぁ、本当に助かりましたよ。どうでしょう? よろしければ一度こちらに来て貰えませんか? アフリカの名物料理をご馳走します。何しろ、貴方のようにお美しい艦長さんだ。来ていただければ、兵士達の士気も高くなりますよ。それに、兵士達もシャドウミラーの皆さんには是非お礼言いたがっていますし。……ああ、勿論私もですよ? 絶体絶命とも言える状況で、アラビア半島を失いかけたところに現れた白銀の空中戦艦。……派遣されている国連軍の方から話は聞いていましたが、実際にこの目で見るととても言葉では言い表せない程でした』
「いえ、そんな。この世界の人達の奮戦があってこそですわ。何しろ長年ここでBETAを食い止めていたのですから」
『艦長のような美人にそう言われると、有頂天になりそうですな』
豪快に笑っている黒人の男と、その褒め言葉を笑みを浮かべつつ交わしているマリュー。
つい少し前にはBETAのアフリカへの侵入を死にものぐるいで食い止めていた筈が、ここに漂っているのはどこの街中のナンパだと突っ込みたくなるような光景だった。
『ん? おや、そちらは……?』
映像モニタ越しに俺に気が付いた黒人の男が、俺へと視線を向けながらそう告げてくる。
その視線を追って、俺の姿を確認したのだろう。マリューが振り向き、どこか安堵の表情を浮かべているのに気が付く。
マリュー自身、魅力的な女だったからな。この手の類のやり取りに慣れていない筈はないんだが。
「彼がアクセル・アルマー。シャドウミラーの代表です」
その言葉がマリューの口から出ると、黒人の男は一瞬驚いた表情を浮かべるが、その驚きは次の瞬間には笑みに塗り替えられた。
ただしその目は決して笑みだけではなく、どこか鋭い光が宿っている。
『ほう、貴方が……失礼しました。私はアラビア半島の防衛を任されているアフリカ連合軍を率いているボヌム・アシエ准将です。今回はシャドウミラーの……そしてアクセル・アルマー代表のおかげで助かりました。一言お礼を申し上げたくてこうして通信を送らせて貰った次第です』
マリューの隣に立ち、小さく首を横に振る。
「こっちとしてもこの世界でこれ以上BETAの勢力が強くなるのは困るからな。それにシャドウミラーの戦力を国連にいる者達へと見せつけるという意味でも丁度良かった」
『いやいや、パフォーマンスというだけであれ程の戦闘を行えるというのは……ただ、戦闘序盤に使った核兵器と思われる武器、あれはいけませんよ』
「安心しろ……と言っても安心できないかもしれないが、あれはフレイヤというシャドウミラー独自の武器だ。放射能汚染の類もない。いや、寧ろ放射能と言えば戦術機が使っている劣化ウラン弾の方が余程危険だとは思うがな」
『それは……』
『確かにそれは事実だろう。しかし君達の世界では違うかもしれないが、ドイツの件もあってこの世界では核爆弾に対して拒否反応を示す者が多いのだよ』
そう通信に割り込んできたのは、こちらもまた中年の男だった。頭部にターバンを巻いており、いかにも中東の人物と思しき存在。
年齢的にはボヌムと同じか、少し上くらいだろう。
『名乗るのが遅れましたな。私はサリーダ・ウシーナ少将。アラビア半島の中東連合の司令官を務めています』
堅苦しい口調でそう名乗るサリーダ。
なるほど、この2人に国連の指揮官を合わせた3人がアラビア半島を守っていた軍のトップか。
そう納得しながら、口を開く。
「まず言っておくが、フレイヤは核爆弾ではない」
核兵器ではあるが、核爆弾ではないのは事実だ。殆ど言い訳でしか無いが、それでもこの世界の住人の知っている核爆弾とは全く違う存在であるのは事実。
そして何よりも、BETAのように数だけは多い敵と戦うにはフレイヤというのはこれ以上無い程に有効な兵器でもある。
もしこれが強力な放射能を撒き散らすような物ならさすがに使用を躊躇するが、フレイヤならその心配は全く無い。そうである以上は積極的に使っていくべきだろう。
そんな風に考え、アフリカ連合、中東連合の指揮官へと説明し、暫くの間通信での会談を行うのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:25
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
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撃墜数:1114
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