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転生とらぶる

作者:青竹
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マクロスF
  0808話

 メギロートが空を飛び、VF-171との距離を縮めていく。
 そうはさせんとガンポッドで牽制するのだが、その攻撃はメギロートに回避され、更に距離を縮められる。
 放たれたガンポッドの弾丸が地上に落下して派手な赤色のペイントをぶち撒けているが、それを全く気にした様子が無い。
 いや、ガンポッドの弾丸にかすりもせずに近づいてくるのだから、しょうがないか。
 ともあれ、バトロイドでは不利だと判断したのだろう。あるいは、機動戦闘でなら勝ち目があると判断したのかもしれないが、ファイターになったVF-171がメギロートに背を向け、エンジンを全開にして態勢を立て直すべく距離を取ろうとする。
 だが、そんな状態のVF-171のパイロットが次の瞬間に見たのは、既に自機の真下に存在するメギロート。そこから放たれたサークル・レーザーは威力が極限まで下げられていた為に致命的な損傷を与える事は無かったが、それでも激しい振動によりVF-171はそのまま空中に留まっている事が出来ずに地上へと降下……否、落下していった。
 それを確認して周囲に通信が響き渡る。

『そこまで! 第1戦はシャドウミラーの勝利となります。続いて第2戦はシャドウミラー側から、ゲシュペンスト・シャドウ。新統合軍側からはVF-171EXが4機となります』
「さすがにシャドウミラーの機体だな。新統合軍のパイロットもバジュラ戦役を潜り抜けてそれなりの腕にはなってる筈なんだが」

 会場の巨大な映像モニタに映し出されていた映像を見ていた俺に、そう声が掛けられる。
 少し前から俺の近くにいたのだが、話し掛けて来なかったのは俺と同じく演習の映像を見ていたからだろう。

「腕を上げたって言っても、たった半年だろ? 俺達の組織が使っているメギロートに積まれている戦闘用AIには数百年、あるいは数千年の戦闘経験が積まれているんだぞ? それに常にパワーアップし続けているんだから、そんな状況で負けるような事になったらこっちが困る」
「ま、確かにな」

 俺の言葉に小さく肩を竦めるオズマ。
 その後ろにはアルトとランカの姿もある。ミハエルやルカの姿は見えないが、恐らく適当にうろついているんだろう。
 そう、現在ここで行われているのはシャドウミラーとフロンティア船団の交流を目的とした集まりだ。とは言っても、祭りとかそういう賑やかなものじゃないので、当然出店とかの類はない。
 純粋に政治的、軍事的な交流会だ。

「で、フロンティア船団の中でも最精鋭部隊のスカル小隊は演習に参加しないのか?」
「俺達はPMCだしな。何か事が起こったら、まず真っ先に出撃するのは新統合軍だ。その辺を考えれば、演習に出るのはやっぱり新統合軍の方がいいんだよ」

 こうして話している俺とオズマ達だが、周囲からは興味深げな視線が何種類、何十種類も送られている。
 今日の俺はオズマが普通に話し掛けてきたので分かるように、特に認識阻害の類は使っていない普通の状態だ。それだけにこの場にいるフロンティア政府や新統合軍の面々は声を掛ける機会を窺っていたんだろうが……

「あのっ! この前の記者会見を見ました。その……おめでとうございますって言えばいいんでしょうか?」

 そう告げてくるランカだが、頬が赤いのは最後のキスシーンを思い出しているからか。
 あれを仕掛けたシェリルは、結局ホワイトスターであの記者会見を見ていたレモン達から夜に色々な意味で苛められる事になったのだが……まぁ、それはそれだろう。

「けど、アクセルもシェリルも色々と吹っ切ったよな。ギャラクシーネットの方ではもの凄い事になってたぜ? いや、現在進行形でなっているってのが正しいか」
「そんな呆れたような目で見られてもな……映像を見て貰えば分かるが、俺は純粋に嵌められた側だよ」

 どこか呆れたように呟くアルトに言葉を返すが、事実ギャラクシーネットでは熱狂的なシェリルファンからもの凄く叩かれているらしい。
 いきすぎたファンの一部がタンタシオンに入ってきているのを確認しているし、更にその中のファンの数人は騒ぎを起こしそうになって量産型Wに捕まってもいる。

『では、準備が整いましたので次の演習を始めます』

 その言葉と共に、会場の巨大映像モニタに映し出される映像。
 次の戦いはミュートス上ではなく宇宙で行われるらしく、VF-171EXが4機とシャドウ1機が距離をとって向かい合っている。

「シャドウか。バジュラ戦役の時の映像を見る限りではかなりのハイスペック機に見えたが……あの機体がお前達の主力量産機なんだろ?」

 映像を見ながら発せられたオズマの問いに頷き、戦闘が開始されたのを確認してから口を開く。

「ああ、俺達シャドウミラーの技術力の結晶に近い。しかも相当にコストの高い機体でな。オズマやアルトに分かるように説明するとすれば、俺が乗ってたYF-29を量産機にしているみたいな感じか」
「……シャドウミラーはどれだけ金持ちなんだよ」

 俺とオズマの話を聞いていたアルトが溜息を吐きながら呟き、ランカもその辺を分かっているのかどうか、真面目な表情を浮かべている。
 にしても、今ではシェリルに負けず劣らず有名になったランカがここで交流会に参加しててもいいのか? 色々とスケジュールが詰まってそうだが。

「基本的にシャドウミラーは少数精鋭だからな。その分、質は高いんだよ」
「あのバジュラモドキ、メギロートとか言ったか? 随分と数があるようだが、それで量より質なのか?」

 呆れたように呟いているオズマの視線の先では、戦闘開始直後にシャドウが牽制として放った胸部のクロスマッシャーにより、いきなりVF-171EXが2機纏めて撃破されていた。
 正確には威力を最低限まで落としたクロスマッシャーなので、実際に撃墜された訳じゃなく撃墜判定ってことなんだろうが。
 それでもクロスマッシャーの威力を考えると、VF-171EXに何らかの損傷が与えられるのは免れないだろう。

「少数精鋭にしても、あのシャドウって機体は性能が高すぎないか? とても量産機の性能には思えないんだが」
「そりゃそうだろ。量産機とは言っても、俺達シャドウミラーの、それも最新鋭の機体だぞ? 特にこのマクロス世界は運動性や機動性を重視しているVFが主戦力だが、シャドウはVF以上の運動性と機動性、それに分厚い装甲とG・テリトリー、ビームコーティングといった風に防御力に関しても破格だ」

 それに今回は正面からの演習なので使っていないが、ASRSも装備しているしな。
 ステルス関係の技術では完全にこっちが上を行っている現状、もしASRSの使用を許可されていれば、最初の一撃はまず間違いなく無条件で受ける事になる。
 そして、最初の一撃がシャドウの中でも強力な固定兵装であるグラビティキャノンを……いや、防御力の弱いVFなら広範囲攻撃が可能なビームガトリング砲で一掃されている筈だ。

「お、近距離戦を選択したか」

 映像の中では、離れて戦っていては射撃武器の性能差で勝ち目が無いと判断したのだろう。残った2機のVF-171EXがスラスターを全開にして、真っ直ぐにシャドウ目掛けて距離を縮めていく。
 シャドウとしてもそれを黙って見守っている筈も無く、右手に装備したM950マシンガンで弾幕を張り……

「あー……見切りが遅いな」

 弾幕に近いその攻撃を回避しきれず、1機のVF-171EXにペイント弾がまともに命中して赤い花を咲かせる。
 残り1機となったが、それでも意地を見せたのかガウォークになって素早く距離を詰めていく。
 両肩にビームガトリング砲とグラビティキャノンという長射程の武器を2本装備している事から、近接攻撃は苦手だと判断したのだろう。
 だが、そもそもVF-171EXにはVF-25と違って近接攻撃用のアサルトナイフの類も無いだろうに、どうやって攻撃するつもりだ? そんな風に考えた俺の目の前で、瞬時にバトロイドになり、拳を振るってシャドウへと殴り掛かる。
 ああ、そうか。確かにアサルトナイフは無いがピンポイントバリアならあるのか。それを手に展開すれば、格闘は出来るな。

「……だが、甘い」

 呟いた俺の視線の先、映像の中では、胴体を狙って放たれた拳をシャドウが軽やかともとれる動きであっさりと回避し、そのまま流れるような動きで右腕のプラズマ・バックラーをコックピットへと叩きつけ……る寸前、寸止めで止める。

『そこまでです! 第2戦もシャドウミラーの勝利となります。次の戦いは再び地上に戻ります。シャドウミラーの新型機、イルメヤという機体の初お披露目となりますので、観客の皆さんはご期待下さい』

 放送の声が、煽るように告げてくるが……交流会ではあっても、別に一般の観客が入っている訳では無いので、別に盛り上がっている気配は無い。
 いや、寧ろ新統合軍の者達は4機で戦いを挑みながら為す術も無く敗れた事にショックを受けている。
 まぁ、VF-171は新統合軍の主戦力だし、EXはEX-ギアを使えるようにした上位機種といってもいい機体だしな。

「おいおい、何だよあの動きは。バジュラ戦役の時は自分の戦いに集中していてあの機体の戦闘を見る機会はなかったけど、なんであんなにずんぐりむっくりとした機体でVFと同等か、それ以上に身軽に動けるんだ? VF数機分くらいの重量はあるだろ?」

 隣に俺がいるのをこれ幸いとばかりに尋ねてくるオズマ。
 特に隠しておくべき事じゃ無いので、その秘密を教えてやる。

「そうだな、純粋に重量だけで見ればシャドウは100t以上の重量を持つ」
「……重すぎだろ。いや、あのフォルムを見る限りではそのくらいあっても当然か」

 ちなみに、あの装甲をPS装甲にしてみてはどうかという意見も技術班から出されたらしいが、重量が洒落にならない数値になるので却下されたという事実がある。

「秘密は重力制御技術だな。そっちに関して言えば、マクロス世界でもそう珍しくは無いだろ?」
「確かにそうだが、機体に重力制御技術を反映させられているのなんてごく一部だぞ?」
「その辺は俺達の方が進んでいる技術を持っているからだろうな」

 シャドウミラーも、以前は重力制御技術に関しては殆ど手つかずだった。だが、ヒュッケバイン系統の機体を手に入れたり、グラビトンランチャーを手に入れたり、あるいはテスラ・ドライブの第一人者であるフィリオを迎えたりして技術的な蓄積を高めていった。そしてネオ・グランゾンのパーツの影響もあって、最終的にはシャドウミラーを代表する技術の1つになったんだよな。
 この辺の技術習得度は魔法球という存在があってこそだが、かなりの速度だった。

『皆様、ご覧下さい。映像に映し出されているのが、シャドウミラーの新型機でもあるイルメヤです』
「……蜘蛛?」

 アナウンスの声に、映像へと視線を向けたアルトが思わず呟き、俺の方へと視線を向けてくる。

「ああ。蜘蛛型の機体だ。純粋なスペックで言えばメギロートよりも上だが、空を飛べないというのが大きいマイナスだな」
「なんだってそんな欠陥機を?」

 俺とアルトの話に割り込んで尋ねてくるオズマに、小さく首を振る。

「別に欠陥機って訳じゃない。元々の運用思想が違うんだよ。メギロートは宇宙、空、地上で活動可能な機体なのに対して、イルメヤは地上と水中での活動を主目的にしている。他にも特殊な機能がついているしな。……ほら」

 丁度映像ではガウォークのまま近づいてきたVF-171に向かって尻尾――蜘蛛型だから腹部と表現するのが正しいのだろうが――から糸を放ち、ガウォークの手足を絡め取ってその場でバランスを崩して頓挫させていた。
 そして仕上げとばかりに尾から威力を最小限まで落としたビームガトリング砲を放ち、勝負は決まる。
 尚、本来であればイルメヤの武器はガトリング・フォトンという実弾だが、その辺はレモン率いる技術班の手により、それ以外にも弾切れの無いビームガトリング砲と兼用されており、実弾とビームの2つを撃ち分ける事が可能な武器へと変更されている。
 とは言っても、シャドウが使用しているような強力なビームガトリング砲は機体重量の関係上不可能だったので、かなり威力的に差はあるが。
 個人的にはビームガトリング砲だけでもいいと思っていたのだが、水中での運用を考えるとどうしても実弾が必要だった。
 最初にガウォークの手足を絡め取ったスパイダーネットにしても、今回は演習なのでその真価を発揮出来なかったが、ある程度の切断能力も備えている。
 もっとも、こちらも当然グレイプニルの糸を使った切断能力とは比べるべくもない程度だが。

「何より、メギロート同様の無人機だからな。これで宇宙、空中、地上、水中の全てで無人機による活動が可能になった訳だ。……水中戦闘での出番はあまりないんだろうけどな」

 呟き、蜘蛛型の機体でもあるイルメヤに驚きの声を上げる新統合軍の軍人達へと視線を向ける。
 結局この日の交流会は無事に終わったものの、新統合軍にシャドウミラーがどれ程の力を持っているのかを実感させることになり、強硬派とよばれる者達は暗い表情を浮かべていた。
 ……取りあえず、当初の目的は達成したと考えてもいいだろう。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:1405
格闘:278
射撃:298
技量:288
防御:288
回避:318
命中:338
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1114 
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