旧エクリプス(マブラヴ オルタネイティヴ編)
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第09話 BETAホイホイ
■西暦1979年 1月23日
エクリプス社のミノフスキー博士とイヨネスコ博士(両者は光輝の作ったバイオロイドです)が、重水素(デューテリウム:元素記号D)とヘリウム3(元素記号He3)を用いて融合させるD+He3反応と呼ばれる核融合の実験に成功する。
これで核融合炉の小型化の目処がたった。
■西暦1979年 2月 1日
米国が戦術機生産技術移転を制限する。
各国の技術習得が進み現地生産などによる前線の戦術機不足が解消され始めた事を受け、米国議会は次世代戦術機生産技術の対外移転を禁止する法案を可決した。
■西暦1979年 2月 2日
エクリプス社は米国の法案に反発の声明をだした。自己主義で利益重視であると。尚、エクリプス社は米国におけるライセンス料や特許料を通常に戻した。
この発表を受けて、米国議会は混乱したが議論は二派に別れて、結局は法案を廃案出来ずにいた。
未来の歴史家から米国の最大の誤りであると指摘される。
■西暦1979年 3月 1日
エクリプス社は本社の機能を日本に移した。
■西暦1979年 3月10日
エクリプス社は豪州の開発計画と太平洋上にテラフロート開発計画を発表する。
同時に日本と豪州、南アジア諸国に太平洋連邦構想を打診した。
■西暦1979年 4月 1日
日本は教育基本法を改正する。
優秀な対BETA主力兵器の衛士を育成するため、英才教育環境と適性者抽出システムの構築が開始される。
■西暦1979年 5月26日
日本の曙計画が終了した。
第一世代戦術機開発・運用に関わる基礎技術の習得が完了する。
■西暦1979年 9月 1日
国連でバンクーバー協定が発効される。
統括の無い戦闘がBETA支配域急拡大を招いたとし、ハイヴ攻略作戦をはじめとした対BETA戦争を国連主導にて行う事が国連安保理決議として採択される。加盟各国の対BETA交戦権は自衛権及び集団的自衛権に限定され、鹵獲品も国連管理下とする事が明文化された。
■西暦1979年10月 1日
エクリプス社は世界各国のマスコミを招いて、L1宙域の宇宙コロニーを披露する。その巨大な建造物にマスコミはセンセーショナルに報道した。覆いを解いた姿は地球上からでも肉眼で観測できた。
エクリプス社は50%の敷地を国連に無償で貸し与えた。
■西暦1979年11月 6日
エクリプス社はアポロクレーターに月面基地を建設開始する。
■西暦1980年 1月17日
ゼロの使い魔のオーストラリアにある異世界総合技術研究所で、BETA用の麻酔が完成する。これで宇宙空間でのBETAのサンプル捕獲が用意になる。
■西暦1980年 3月21日
ゼロの使い魔のオーストラリアにある異世界総合技術研究所で、BETAの思考波ジャミング装置とBETAの索敵迷彩装置が完成する。
これによって火星と木星の衛星でのBETA調査が楽になる。
■西暦1980年 4月 1日
欧州ではECTSF(European Combat Tactical Surface Fighter)計画始まる。
英・独・仏を初めとするNATO各国が同計画に合意する。
1985年の実用化を目標として、各国共同研究が始まる。
■西暦1980年 5月20日
国連はアジア及び欧州各国の政府及び難民の受入先の仲介交渉を開始する。
■西暦1980年 6月 2日
ソ連は米国に対しアラスカ売却を打診する。
売却は拒否されるが、租借という方向で協議が進む。
■西暦1980年 6月28日
ソ連はMiG-23 チボラシュカを配備開始する。
■西暦1980年 8月10日
米国はLWTSE計画を始動する。
近接戦用戦術機技術研究の一環として、軽量・小型且つ高い機動性をもった機体の技術実証試験が始まる。この計画によりYF-16、YF-17が開発された。制式化の予定は無いとされた計画だったが後にハイ・ローミックス構想の出現を受け、実戦機開発計画へと昇格した。
■西暦1980年 9月 1日
日本は徴兵制度を復活した。
欧州、アジアの各戦線に於ける人員損耗率を鑑み、帝国議会は陸軍戦力の再編と増強を決定。これに伴い徴兵制度が復活した。
西暦1980年10月 7日 スカンディナヴィア半島 フィンランド 前線基地
Side ルカ・アンジェローニ
「これからBETA間引き作戦を開始します。」
ルカが欧州諸国の軍の関係者を集めてスピーチしている。
「先ずはBETAの特性として、G元素を集めています。そこで、G元素を濃縮して結晶体を作り、これをエサとしてBETAを誘引します。
誘引先に巨大なマイクロ波発生装置が設置してあります。この装置はサイクロプスと言います。仕組みは電子レンジと同じです。
今、各地に散った戦術機がBETAを誘引しています。」
モニターに各戦術機の映像が映し出されていた。各戦術機は四角い格子状の箱を持っている。
それが巨大な円の中を通過する時に、円の中心点に箱を投げ入れる。
モニターには箱に群がるBETAの姿が映し出されていた。
「効果範囲は円の中になります。BETAの群れが円の中に入りました。そこで遠隔地よりサイクロプスを起動します。
3,2,1,スイッチオン!」
サイクロプス起動すると同時に、BETAはもがきだした。
すると円の中心より、一匹、二匹と爆発している。それが円を膨らませている様に周りに広がっていく。
「凄い!」
誰かが呟いた。それに合わせて伝搬して行く。
「をー!」
「やったー!」
「これがあれば欧州を守れるぞ。」
「あっははは、まるでゴキブリホイホイだなぁ。」
「それは良い、BETAホイホイだ。」
「これは消極的ですが、効果は期待出来ます。今は出来るだけ犠牲を少なくして、反撃の力を温存すべきです。」
Sideout
この後、欧州や中東、南アジア諸国などにもサイクロプスが設置され、BETAの西進が止まった。
■西暦1980年11月16日
火星の基地で初めてタチコマがハイヴの中心まで侵入に成功する。
侵入したタチコマは、ゼロの使い魔のオーストラリアにある異世界総合技術研究所で開発した、BETAの索敵迷彩と熱光学迷彩を施してある。
視認が出来ない上、コンピュータの出す電磁ノイズもカットされており、BETAに見つかる事なく侵入できた。
■西暦1980年12月 4日
太陽系のハイヴマップに地下茎構造の詳細マップが追加作成された。
また、低階層ながらタチコマに人を搭乗させて、侵入にも成功した。
後書き
原作開始まで、後21年です。
ハイヴを破壊しないのは、BETA生体調査が目的です。
BETAは太陽系外から来ているので、上位の指令系統をこれから探し当てる事が必要です。
その為、サイクロプス(ガンダムSEEDの世界より)を登場させ時間稼ぎをしています。
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