■西暦1981年 1月19日
BETAは北欧圏へ進攻する。
中ソ連合軍、欧州連合軍はスカンディナヴィア半島に後退、サイクロプスを起動して撃退する。
■西暦1981年 2月 4日
エクリプス社が地中海にギガフロートを建設を開始する。
■西暦1981年 2月26日
光輝は月の "
神酒の海" 方面・サクロボスコクレーターにあるムーンゼロハイヴに侵入する。
〜Wikipediaより、神酒の海〜
西暦1981年 2月26日 月 サクロボスコクレーター ムーンゼロハイヴ
Side タチコマ
「光輝くん、ここがハイヴの中心だよ。」
「正面の物体が
門級だな。200mは超えているな。タチコマ、麻酔銃を撃て。」
「了解です。」
タチコマは返事をすると、麻酔銃を撃った。暫くして麻酔の効果で門級の開口部が少しだけ開いた。
「開いた入り口から侵入する。広域の思考波ジャミングを開始しろ。」
「了解です。」
光輝達は大広間に侵入した。
「良し、あの反応炉の上部にいるやつが重頭脳級だな。タチコマ、麻酔銃を発射。」
暫くして重頭脳級が動きを止めた。それを確かめると、光輝はタチコマから降りる。光輝は宇宙服を着用していて、対BETA用の索敵迷彩と熱光学迷彩が可能な宇宙服である。他のBETAに気付かれる事なく、重頭脳級に近付いた。そしてバッフワイト素子で出来ている通信機を当てて、BETAの思考にハッキングを開始した。
『やはり、BETAは資源採取用の道具でしかない。BETAの創造主は珪素系生命体で人類を生命体として、認識していない。BETAにとって人類の反抗は災害と同じような物である。重頭脳級のような物を上位存在と呼んでいて、その総数は全宇宙に10^37存在する。ここのハイヴは火星圏から派生している。後の情報は全てバックアップして置こう。』
『光輝くん、こっちはリモート起爆の爆弾を設置終わったよ。』
『こちらもバックアップが終わった。速やかにハイヴから脱出しよう。』
光輝はタチコマに搭乗してハイヴから脱出した。
Sideout
その後、アステロイドベルトから隕石を運んて来て、月面のハイヴに落とした。落下のタイミングで爆薬を起爆して、内部の爆発を隠蔽したのだ。
■西暦1981年 3月 1日
エクリプス社は月面のハイヴを攻略した事を公表する。
光輝は重頭脳級からのデータを異世界技術総合研究所に送り解析を依頼した。
光輝が読み取った意識はオルタネイティヴ3の研究成果である、ESPのリーディングの応用で表層意識しか読み取れない。
BETAの言語体系は人類とは異なっており、ハッキングした今の状態では意味不明な為、解析を依頼したのだ。
■西暦1981年 3月26日
月面上のBETAは、ハイヴを破壊された為、死滅した。
エクリプス社は月面の開発とBETAの再資源化に着手した。
■西暦1981年 4月11日
欧州はエクリプス社の協力を元に欧州全域を守る、サイクロプスの建設に着手する。
■西暦1981年 5月 1日
米国はATDP計画を始動する。
米国防総省高等研究計画庁(DARPA)、陸軍、NASAによる第3世代機技術を模索・確立する為の先導技術実験機計画。実験機X-29が製造された。
■西暦1981年 7月18日
国連はSHADOWの部分運用を開始する。
■西暦1981年10月 3日
日本は81式(A-6J)海神を配備開始する。
■西暦1981年11月24日
仏はミラージュ2000を配備開始する。
■西暦1982年 1月15日
米国はソ連のアラスカ租借を議会承認した。期限は50年間である。
当該地域住民の移送が始まる。また、ソ連でも各方面で移設準備が開始される。
同時に米国は軍事的な保険措置として、米ソの国境を跨ぐ形で存在するユーコン基地とその周囲の地域を、国連に50年間無償貸与した。
■西暦1982年 3月10日
日本は82式(F-4J改)瑞鶴を配備開始する。
■西暦1982年 4月 1日
日本は国産次世代機開発研究機構を発足した。
82式開発の純国産開発挫折を受け、対米技術格差を埋めるべく、官民一体の国産次世代機開発の統合研究が開始される。
■西暦1982年 6月 2日
米国はF-14 トムキャットを配備開始する。
本格的な第二世代戦術機の実戦配備が始まる。
■西暦1982年 8月 1日
エクリプス社がVR(バーチャルリアリティ)機を発売した。
同時に戦術機体感シミュレーションゲーム "バルジャーノン" 発売した。
■西暦1982年 9月 1日
エクリプス社は
先進戦術機技術開発計画を発表する。
欧州や日本、豪州などに参加の打診を行う。
■西暦1982年 9月 3日
エクリプス社はプロミネンス計画とは別にG計画を開始した。
■西暦1983年 2月 1日
欧州は
海王星作戦を策定する。
ポーランドに展開するBETAの誘出撃滅と、それによる欧州の戦況好転を目的とした国連軍、米国軍、欧州連合軍、ワルシャワ条約機構軍による4軍合同の一大反攻作戦。
投入兵力の総計は、艦艇300隻、戦術機500機、ヘリ400機、総員兵数30万人以上。
■西暦1983年 3月 8日
喀什のBETAの西進が停止した。
エクリプス社はBETAの南進と東進の危険性を指摘した。
■西暦1983年 4月 1日
米国はATSF計画を始動する。
BETA大戦後の世界を見越した次世代戦術機の開発が米国で開始される。
■西暦1983年 6月 1日
日本は耀光計画を始動する。
ATSF計画始動を受け、国産次世代機開発研究機構は目標を第3世代機開発へと方針転換。
■西暦1983年 8月 1日
欧州はEU本部をロンドンへ移転する。
EUは本部機能をブリュッセルからロンドンへ移転する。
ベルファストの本部が完成するまでの一時的措置である。
■西暦1983年10月 1日
ソ連はMiG-27 アリゲートルを配備する。
MiG-23の強化改修型であるMig-27は、配備時には既に旧式化していた機体だったが、MiG-21を代替する主力機として長年ソ連軍を支え続けた。
■西暦1984年 2月 1日
BETA、本格的な南進を開始
ヒマラヤ山脈を迂回した喀什由来の大規模BETA群がインド亜大陸に侵入。
中近東方面からの侵攻を受けたインド亜大陸各国軍は、ヒマラヤ山脈を盾に東南アジア諸国と緊密な連携を保ちながら防戦する。
ここでもサイクロプスが活躍する。
■西暦1984年 4月11日
BETAはノギンスクハイヴ(H08:甲8号目標)建設を開始する。
■西暦1984年 6月 2日
日本は非炭素系疑似生命の基礎研究を開始する。
帝国大学の霧山教授は、開示された歴代オルタネイティヴ計画の研究データを精査し "人間よりもコンピューターに強い反応を示すBETAに対し、炭素生命体によるコミュニケーションは不可能" という仮説を導き出し、非炭素構造擬似生命に関する論文をまとめた。中ソの敗走に危機感を募らせた帝国政府は、国連軍を防衛戦力として国内駐留させるための方策として次期オルタネイティヴ計画の誘致を決定。霧山仮説とその論文を極秘とし、国費による非炭素構造擬似生体と擬似生命プログラムの基礎研究を開始した。
■西暦1984年 8月20日
ソ連はMFPTI計画を始動する。
MiG-23/27の失敗を挽回すべく、米国のATSF計画に対抗する多機能前線戦術機計画(MFPTI)が開始される。
■西暦1984年 9月12日
国連はSHADOWの運用を開始する。
地球周回軌道での核攻撃をベースとした最終防衛ライン "アーテミシーズ" が完成。L1宙域の宇宙コロニー "世界樹" で目標を変更仕切れなかった場合の対処が可能となる。
■西暦1984年10月22日
米国、F-15C イーグルを配備開始
マクダエル・ドグラム社のF-15C イーグルが配備開始。F-4更新機として開発され、遠近共に高い対BETA戦性能を誇る汎用第2世代戦術機として世界各国で採用された。