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旧エクリプス(マブラヴ オルタネイティヴ編)

作者:cipher
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第08話 G元素

■西暦1977年 1月16日
BETAがウラル山脈に到達した。
ウラル山脈の南端に達した喀什のBETA群がソ連領に侵攻。ソ連北西部までをその支配下に置き、ソ連領バルバシ湖の北にエキバストゥズハイヴの建設を開始した。

■西暦1977年 2月 3日
BETAはエキバストゥズハイヴ(H06:甲6号目標)建設を開始した。

■西暦1977年 3月 1日
世界の各国はオルタネイティヴ計画誘致に動きだした。
他国に対BETA戦略のイニシアチヴを持たれることを嫌った国々が、次期オルタネイティヴ計画を見越した基礎研究分野に大規模な予算配分を開始する。

■西暦1977年 4月 1日
エクリプス社がBETAの動力源であるG(ジオメトリー)元素を発表した。
また、核融合炉の完成した事を公表する。


西暦1977年 4月 7日 アメリカ合衆国 ニューヨーク 国連本部ビル

Side 第4代事務総長クルト・ヴァルトハイム(オーストリア出身)

「公聴会を開催する。」

国連事務総長のクルトが開催を宣言する。

「先ずはのG元素の発見者の一条光輝(いちじょうこうき)博士に説明してもらう。」

「元素は、陽子と中性子、その周囲を回る電子から成っているのは、説明する必要がないと思う。その陽子と中性子もアップクォークとダウンクォークの三つから成っている。
其処でG元素は、GアップクォークとGダウンクォークの三つから成っている。そこで、アップクォークとダウンクォークの電荷が逆な訳であり、G元素の陽子の電荷は、−1に成る。ここでは、陰子と呼ぶことにする。
元素として成り立つには、+1の電荷を持つ電子があれば、元素として成り立つのだけど、陽電子(ポジトロン)は、反粒子である。粒子と反粒子は、対消滅し自然界には、存在できない。結論を言うとG元素の構成は、G中性子だけから成っている。電子を持たない為、超電導体素材としては、最適である。但し元素の構成上、電磁力が働かない為、正立方体しか存在出来ない。自然界には微量しか存在出来ない。
計測した結果、100tの土壌から0.1gしかG元素は、存在しないことが分かっている。
自然界には、G3、G4、G6が存在する。数値は中性子の数(質量)であり、従来の元素番号とは違う。
BETAは、G元素をエネルギー源として活動している事が解った。
逆に言えばG元素が存在しないと、生存出来ない。
そこで提案なのだがエクリプス社でG元素の分離採取技術を確立した。前線の各国には土地提供をして欲しい。BETA進行のする前にG元素を採取してしまえば、BETAは活動出来なくなる。BETAのハイヴは活動拠点である。BETAの活動範囲はある程度、制限がありその為に活動拠点を必要としている。ある意味において、蟻と同じである。巣別れをしてその活動範囲を広げている。」

その後も質疑応答され、光輝は物証と研究データを公表した。

Sideout

その後、エクリプス社が武器の譲渡と交換に前線国から土地提供をして貰い、G元素を採取すると確かにBETAの活動範囲が狭まる事が判ると、各国はエクリプス社に土地提供を始めた。
エクリプス社はオルタネイティヴ計画の主導権争いで、優位に立つようになった。


■西暦1977年 4月15日
エクリプス社がハザードマップを作成し公表した。
ハイヴから半径1000kmを高度危険地域、
ハイヴから半径2000kmを危険地域、
ハイヴから半径3000kmを準危険地域とした。
BETAの行動予測と地形を考慮して、詳細な地図では5段階に表示された。

■西暦1977年 4月21日
エクリプス社が核融合炉施設を各地に建設を開始した。
核融合炉の電気料金は原子力発電と同等にして、余剰金で土地の買い上げを行った。

■西暦1977年 4月26日
NPO法人エクリプスが高度危険地域と危険地域の住民の避難開始した。
同時にエクリプス社が土地を買い上げて、G元素の採取を開始した。
地下500m、幅2000kmに及ぶ防BETA堤計画だ。

■西暦1977年 6月21日
オルタネイティヴ3による対BETA陽動効果の実証実験開始される。
オルタネイティヴ3で確認されたBETAに対する陽動実験の追試がユーラシアの各戦線で本格的に行われ始める。その結果、BETAの戦術情報伝播モデル(各ハイヴに独立した作戦立案機能と支持命令系統が存在するという考え、情報を収集したBETAがハイヴに戻ると約19日間で全個体にその情報が行き渡り、その後同一派生系に属する全てのハイヴにその情報が即時伝播されてしまう。以降その情報に対してBETAは何らかの対策を打ってくる事が有り、2001年の歳末にはその動きが非常に多く見られた)の推定までに至った。

■西暦1977年 7月 4日
中ソの対応のまずさから、各地で分離独立の気運が高まる。

■西暦1977年 8月 1日
日本は77式(F-4J)撃震の実戦配備を開始した。
F-4実戦部隊の稼働が開始され、西部方面隊第8師団が優先される。

■西暦1977年10月 1日
米国はA-6 イントルーダーの配備を開始する。
戦術機史上初の水陸両用機となる。
長距離侵攻用の母艦となるソードフィッシュ級中型潜水艦も同時に配備が開始される。

■西暦1978年 3月 1日
東ドイツの "月光の夜" (モントリヒトナハト)事件が発生する
東ドイツ国家人民軍(NVA)の高級将校を中心とした反体制派によるクーデター未遂事件が勃発する。
これを契機に東欧諸国で独立運動が活発化する。

■西暦1978年 4月 1日
欧州はパレオロゴス作戦を発動する。
NATO・ワルシャワ条約機構連合軍によるミンスクハイヴ(H05:甲5号目標)攻略作戦である。
2ヶ月の激戦後、全欧州連合軍を陽動に、ソビエト陸軍第43戦術機甲師団・ヴォールク連隊がミンスクハイヴ地下茎構造への突入に成功するも数時間後に全滅した。
後に "ヴォールクデータ" と呼ばれる貴重なハイヴ内の観測情報を人類にもたらす。

■西暦1978年 4月 2日
エクリプス社がパレオロゴス作戦に対して遅延退避作戦を提唱する。

■西暦1978年 7月11日
BETAはユーラシア北西部制圧する。
パレオロゴス作戦の報復であるかのようなBETAの一大攻勢によりソ連は東西に分断され、前作戦で消耗しきった欧州戦線が全面瓦解。ユーラシア北西部から人類は完全に駆逐される。

■西暦1978年 7月28日
BETAはスルグートハイヴ(H07:甲7号目標)の建設を開始する。
ソ連領スルグートにハイヴが建設される。

■西暦1978年 9月 1日
中東は第一次聖戦連合軍結成する。
BETA侵攻圧力に抗する為、中東諸国は聖戦を宣言し、宗派の枠を超えて一斉反抗作戦を展開して、一時的に戦線の押し上げに成功する。

■西暦1978年10月 4日
米国はA-10A サンダーボルトⅡを実戦配備する。
フェイアチルド社が開発した拠点防衛と支援に特化した重戦術機、 サンダーボルトⅡの実戦配備が開始される。同機の高い戦車級浸透阻止能力は特に欧州戦線において高い評価を得た。

■西暦1978年11月 7日
国連はエクリプス社が開発した土地において、BETAの停滞が観測された事を公表する。
欧州はこれを受けて、東欧の防BETA堤計画を実施する。またインドも積極的にエクリプス社の防BETA堤計画を支持して、土地の提供を開始する。
 
 

 
後書き
原作開始まで、後23年です。
G元素の情報公開しましたが現物を提供していません。 
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