転生とらぶる
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マクロスF
0796話
「うおっ、おいおいおいおい。何だよこれは」
「す、凄い! 凄いですよ先輩! 見て下さい、あれ! 図書館の中に滝があります! 本が傷まないんでしょうか!?」
「ミハエル、あの本を私に取るのだ! 紙の本がこんなに無造作に……」
取りあえず麻帆良らしい場所をという事で図書館島にやって来たのだが、ある意味では当然というべきか、中に入って見学し始めた途端にそれぞれが騒ぎ始めた。
不幸中の幸いと言うか、平日の日中という事もあって利用者が少ないから特に注意されずに済んでいるが、もしこれが放課後だったり休日だったりしたら、間違いなく注意されていただろう。
ちなみに、平日だというのにあやか達が俺達の案内をしているのは、例によって例の如く学園長からの指示ということもあって公休扱いらしい。
いやまぁ、実際あやか達以外で俺達を案内するのは色々と不味い事態になるのを考えると、近右衛門の考えは分からないでもないんだけどな。
「一応ここは図書館ですので、あまり騒がしくしないでね」
「そうだぞ、そこの、えーっと……釘宮とかいう人の言う通りだ。フロンティア船団の者として恥ずかしくないようにだな」
「隊長、言っても無駄ですよ。実際こんなに大量に……しかも無造作に紙の本があるのなんて、俺達から見れば凄い光景ですから」
オズマの言葉に、小さく肩を竦めて告げるアルトだが、そういうアルト自身も周囲に並んでいる本に興味深げな視線を送っている。
「そうね、確かにあたしたちの世界だと紙の本は珍しいから」
確かにシェリルの言葉通り、フロンティア船団では電子書籍が一般的だ。雑誌の類もあるが、それでも相当に珍しいし、図書館の類になれば限られた空間に大量の本を収めなければならないとのことで、完全に電子書籍化されている。
「ふふふ。これはまた珍しいお客様ですね。お久しぶりです、アクセル君」
そんなやり取りを見ている俺に、突然聞こえてくるその声。
「おわぁっ!?」
軍人として高度な訓練を受けているが故に気がつかなかったのだろう。オズマが驚愕の声を上げながら咄嗟に距離を取る。
そう言えば、ネギからこいつは図書館島に住んでるって話を聞いていたな。それでもこうして出てくるのは難しいと思っていたんだが。ともあれ……
「久しぶりだな。ネギからお前の話は聞いてるぞ、古本」
「おや、これは酷い。実際以前の麻帆良祭以来なのに、ちょっとつれないですね」
「抜かせ。イカサマ使って武道会に出場していたくせに」
「はっはっは。これは手厳しい」
こちらの皮肉に堪えた様子も無く、どこか胡散臭いような爽やかな笑みを浮かべている男。ネギの父親の仲間で、重力魔法を得意とする男、アルビレオ・イマ。その正体は不明だが、ネギからの情報によるとつい今し方俺が口にしたように、何らかの本がその正体、あるいは本を依り代として宿っているらしい。
「アクセル? その人はいつの間に?」
周囲の様子を見て騒いでいたミハエルもまた、アルビレオに気がついたのか尋ねてくる。
「よくある学校の七不思議の1つだとでも思って貰えばいい」
「待て待て待て。それだと幽霊の類って事になるんじゃないか?」
「そうだな、その認識で大体合ってる」
「いやいや、私は幽霊とかそういうのじゃありません。歴とした生き物ですから」
そう告げてくるアルビレオだが、口元に浮かんでいる半ば軽薄な笑みを見る限りではとても信用出来るような状態ではない。
「ま、幽霊云々に関してはともかく……何だって姿を見せたんだ?」
「先程も言ったように、随分と久しぶりにアクセル君を見たから挨拶に、ですね。それに……」
言葉を切り、チラリとクランの方へと視線を向けるアルビレオ。
その視線に何かを感じたのだろう。ビクリとしたクランは、そのままミハエルを盾にするようにして背後へと姿を隠す。
「フフフ。随分と可愛らしいお嬢さんが一緒にいるようでしたからね。ここは是非ご挨拶を、と思いまして」
「……そうか」
当然と言えば当然だが、胡散臭い笑みを浮かべつつ自分に視線を向けてくるアルビレオに気持ち悪いものを感じたのだろう。クランはまるで威嚇するかのように睨み付けている。
「うーん、この幼女には……やっぱりスク水が? いやいや、ここはいっそランドセルも……」
「だ、だ、だ、誰が幼女だぁっ! 私は歴とした大人だぞ!」
「大人? フフフ、そうですね。これから私が大人の階段を1歩、2歩と……」
「アクセル君、その……ここにいては色々と不味いような気がしますので、外に出ませんか? アルビレオさんなら、今の時期には図書館の外に出てこられませんし」
怪しげな笑みを浮かべてクランと相対しているアルビレオに、そっとあやかが耳元で囁く。
まぁ、確かにこのままアルビレオを好きにさせておけばネギま世界とマクロス世界の仲が悪化しかねない。最悪反応弾やらディメンションイーターやらを撃ち込まれたりしたら、色々と後味が悪すぎる。
「そうだな。次の場所に行くとしようか。おーい、お前等。図書館島から出るぞー。あまり変態には構うなよー」
「フフフ、変態とは酷いですね。またのお越しをお待ちしていますよ」
怪しげな笑みを浮かべたアルビレオに見送られ、俺達は図書館島を出るのだった。
その後は麻帆良の屋台や店、あるいは色々な施設を回っている間に午後になる。
尚、昼食に関しては出来れば超包子で済ませたかったのだが、当然ながらこんな日中にやっている筈も無く、JoJo宛とかいう焼き肉屋で済ませる事に。
確かに超高級学食とされているだけあって、非常に美味かった。
フロンティア組にしても、フロンティア船団では食べられない美味い肉を存分に味わいつつ、その後はある意味で今回のメインイベントとも言える世界樹広場へと向かう事になる。
「そう言えば、ギャラクシー船団の方はどうなってる? 既にこれまでの悪行を新統合政府や新統合軍本部に連絡されたんだろ?」
「ん? ああ、それに関しては専門の追跡班が用意されるのが決定した。隊長はブレラだがな」
「……何?」
世界樹広場に向かうまでの道のりで、何となく気になっていたギャラクシー船団の行方についてオズマに尋ねたところ、戻ってきたのは予想外の答えだった。
ああ、いや……でも、ギャラクシー船団の手口を知っているという意味ではブレラがベストなのか? ブレラにしても、自分達兄妹を散々利用したギャラクシー船団に対する仕事だと考えれば、当然やる気を出すだろうし。
にしても、ブレラとランカが兄妹ねぇ……そうなると、義理の兄、あるいは育ての兄でもあるオズマとしては色々と複雑だろうな。
「ともあれ、ブレラの奴がこれまで行ってきた犯罪はギャラクシー船団に操られてのものというのもあるが、それでも無罪放免とはいかない。だが、操縦技術やVF-27の性能を考えればこのまま放り出すのも勿体ない。その結果がこの司法取引になった訳だ」
「妥当と言えば妥当か。本人は?」
折角再会した妹ともすぐに別れる事になるのを受け入れたのか? そんな俺の質問に、オズマは小さく肩を竦める。
「そもそも、この司法取引を提案してきたのはブレラの方だからな。向こうにしても、余程ギャラクシー船団を許せなかったんだろうさ」
「そういうものか」
そんな風に会話をしながら歩き続けていると、やがて世界樹広場へと到着する。
そこには数人だけの人影があり、日中とは言っても他にいるだろう一般人の姿はない。魔法を使っているのだろう。オズマ達が普通に入ってこられるのは、魔法の効果範囲外としているからか。
その数人のうちの1人、近右衛門が1歩前に出て声を掛ける。
「異世界の方々、よくぞおいでになられた。麻帆良の観光は楽しんで貰えたかな?」
ビクリ。
近右衛門を見た面々が思わず身体を硬直させる。
あの後頭部を見て驚くのはしょうがないんだけどな。
幸い近右衛門はこの手の事に慣れているのか、特に気にした様子も無くフォフォフォと笑い声を上げている。
その隣にいるのは……おお、久しぶりに見る高畑に、グッドマンだ。
そう言えばグッドマンは俺が麻帆良にいる時に高校2年だったのを考えると、今は大学生なのか?
そんな風に考えていると、やがてピタリと目が合い……何故かその頬が赤くなって目が逸らされる。
「ん、コホン。近衛近右衛門様ですね。私は今回のフロンティア船団から派遣されたメンバーの引率を命じられたオズマ・リーといいます。フロンティア船団の大統領から親書を預かっていますので、お受け取り下さい」
オズマにしては慣れない敬語を使い――俺が言うべき事じゃ無いが――懐から取り出した手紙を近右衛門に渡す。
「うむ、確かに。この返事に関しては後日送らせて貰おう。それよりも、今日は麻帆良の……より正確に言えばネギま世界の魔法を思う存分見ていって下され」
そう告げ、この場にいた高畑やグッドマンを始めとした者達の魔法が披露され始める。
とは言っても、高畑の場合は使っているのが気なのだが……まぁ、魔法に関して詳しくない者にしてみれば、対して違わないけどな。
グッドマンの従者である女の炎の魔法や、グッドマン自身が作り出した影の人形。他にも水や地、風、光といった魔法を披露し、それらが次々と周辺を走る。
「へへっ、アクセル。久しぶりやな。行方不明になっとったって聞いたけど、お前の事やから、どうせ無事だとは思っとったで」
そんな風にフロンティア組が魔法に見惚れている中で、不意に声を掛けられる。
そこにいたのは、まだ小さいながらもそれなりの力を感じさせる相手だ。
「小太郎か」
「おう、そうや。アクセルがいない間でも修行は欠かしてないで。今度相手してくれや」
「それは構わないが……こっちもこっちで色々と忙しくてな。時間が出来たらいずれな」
にしても、以前は俺と戦うのを怖がっていたのに……まぁ、修学旅行の件を思えばしょうがないが。一応その後で戦ってトラウマを克服したとしてもな。
「で、アクセルが行っとった世界の奴等があいつらか? あんま強なさそうやなぁ」
「そりゃあ、基本的にはVFって機体のパイロットだからな。生身での戦闘に関しては、この世界の者達と比べると圧倒的に劣るのはしょうがない」
「ふーん……で、ロボってどんなんや? 合体するんか?」
合体……バトル・フロンティアは他の戦艦と合体して人型の強攻型になれるが、小太郎が期待しているのはそんなんじゃなくて、いわゆる特機に近いタイプだろう。
「残念だけど、合体は無いな。変形はあるけど」
「えー……つまんないやん」
「小太郎君、次は小太郎君の番よ」
「ん? もう俺の出番なんか? よっしゃ、アクセルしっかり見てろや。お前がいない間、どれだけ強くなったかみせたるからな」
俺と話していた小太郎に千鶴が声を掛けると、口元に笑みを浮かべて魔法教師が水の魔法を使っている方へと進んでいく。
「小太郎君も、アクセル君がいない間は少しだけ寂しそうにしてたのよ?」
「そうか? とてもそうは思えなかったが」
「ふふっ、男の子だもの」
呟く千鶴と俺の視線の先で、小太郎の影が狼、あるいは犬の形になって作り出される。
それを見て驚きの声を上げるオズマ達。
俺の炎獣と似ているというのも驚いた理由の1つだろう。どちらかと言えば俺の炎獣の方が後で生み出された能力なんだけどな。
「へへっ、どうや! これが狗神や!」
「……でも、あれってアクセルの炎獣とどう違うんだ?」
ボソリと呟いたのは、アルト。小声ではあったのだが、運が悪い事に小太郎は狗族で五感も鋭い。
「待てや! この系統の技に関しては、アクセルよりも俺の方が先に使ってたんやで! パクり扱いとかありえへんわ!」
「お、おう。その、悪い」
狗神からの視線を一気に向けられ、咄嗟にそう謝るアルト。
それで許した訳でも無いだろうが、一旦矛を収めることにしたのかそのまま狗神を使った技を色々と披露していく。
「どや!」
最後に視線を向けてきたのは俺の方。
「ああ、確かに腕は上がってるようだな」
実際、狗神に込められている気の密度や振るわれる拳に乗っている気の威力も、俺が最後に見た時に比べると十分過ぎる程のものになっている。
本人の言葉通りに決して修行を怠っていた訳ではない証拠だろう。
そんな俺の言葉に満足し、得意げな笑みを浮かべつつこちらへと戻ってくる。
「では、最後に……あやか君」
「はい」
近右衛門の言葉に、あやか、千鶴、円、美砂の4人がそれぞれ前に進み出る。
「え? おい、アクセル。いいのか?」
「大丈夫だ、しっかりと見ておけ。言っておくが、あの4人が本気を出せばかなり強いぞ。それこそ、生身ではお前達が絶対に勝てない程度には……な」
その言葉に、オズマを始めとした全員が疑わしそうな視線を向けてくるが、別に俺としては嘘を言っているつもりはない。正真正銘あやか達4人の強さは、オズマ達では例えEX-ギアを使っても勝ち目はないだろう。
『アデアット』
パクティオーカードを掲げながら4人の声が唱和し……次の瞬間には戦闘衣装を身に纏った4人の姿があった。
黒いパーティードレスを着たあやかが9条の鞭を持ち、赤いパーティドレスを着た千鶴が右手に腕輪を、アラブの踊り子が着るような紫のシースルー衣装を着て、両手首、両足首に腕輪と足輪を付けた円の姿が、円と同様のシースルーの衣装、ただし赤い色違いに身を包み、3cm程の首飾りを身につけた美砂の姿が。
「ミシェルッ! 見るなぁっ!」
その姿を見た瞬間、クランがミハエルの膝裏に蹴りを入れ、そのまま目を隠す。
……いやまぁ、17歳になった4人のあの格好は色々な意味で刺激が強いとは思うけど……哀れな。
結局、その後はミハエル以外があやか達4人の実力を見て息を呑むことになる。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:1405
格闘:278
射撃:298
技量:288
防御:288
回避:318
命中:338
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1114
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