仮想空間の歌う少年
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8行進曲ーtempo rubato (テンポを自由に加減して)
前書き
スリュムと戦う前のちょっとした茶番。
なんかラブラブカップルがいます。
それでも問題ないぜ!という方はどうぞ!
「そろそろ着くよね?」
俺たちはあの後、2層、3層のボスはスノー&シノンの必殺技『ラバーズショット』や俺の『スキルコネクト』でなんとか突破して最終層へとなだれ込んだ。
…のだが。
「お願い…。私をここから出して。」
と、ボス部屋の前に行く通路に氷の檻に閉じ込められたブラウン・ゴールドの美女がいた。
そんな美女にフラフラと近づく赤い死神と侍の2人。
すると俺はフラフラと近づく侍のバンダナを引っ張り、シノンがスノーの赤いコートの襟を引っ張る。
「罠だな。」
「罠よ。」
「罠だね。」
俺、シノン、リズがそんな事を言う。
「お、おう…罠、だよな。…罠、かな?」
「罠だとは僕は思わないよ!さっさと助けよ…「うるさい。」ぐふぅ⁉︎」
往生際の悪い侍と音の死神は微妙な表情だ。…もっとも音の死神の方は山猫アーチャー殿に腹パンをくらい引き摺られているが。
俺はそっとユイに尋ねると。
「NPCです。しかもこの人はHPがイネーブルです。」
イネーブル。つまり有効化されているということだ。こういうNPCは実は…。
「罠だよ。」
「罠ですね。」
「罠だと思う。」
アスナ、シリカ、リーファが同時にそう言う。さらに俺はクラインとスノーに追撃を加える。
「もちろん罠じゃないかもしれないけど、今は一秒でも早く、スリュムのところに行かないと。」
そう、早く巨人の王を倒さないと…。
そうしてクラインが檻から目を離して俺たちは奥に見える階段に向かって数歩走った時。
「うーん♪やっぱり助けよ♪」
…綺麗で涼しくこの場面において恐ろしい内容の言葉が聞こえた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「うーん♪やっぱり助けよ♪」
僕はそう言い放ち。ぱっとくるっと一回転する。すると襟を掴んでいたシノンの手が離れる。
「あ!」
シノンがそう叫ぶのもすでに時は遅く。
「よっと。」
僕は氷の檻に近づくとそのまま『マジシャンイリュージョン』の一閃で氷の檻を切り、美女に着けられてた鎖なども切る。
「大丈夫?」
僕はそう問いかけると。美女は震えながら。
「ええ…大丈夫です。」
「…ここは危ないから早く何処かに行きなよ。」
僕はそう言うと美女は目を伏せて。
「私はこのまま城から逃げるわけにはいかないのです。」
どうやらこの人は一族の宝を取り戻すためにこの城に忍び込んだみたいだった。そうすると僕をキッと見つめて。
「どうか、私を一緒にスリュムの部屋まで連れて行って頂けませんか?」
「もちろn「いいかげんにしなさい。」…はい。」
いつの間にか追いついていた後ろからのシノン様の恐ろしい重圧に負け。僕は即答出来なかった。
「なんかうんさ臭い話ね…。」
「絶対罠ですよ!」
みんながそんな相談をする中。僕は少し…現実世界にいるあの患者の事を考えて。
「…でも助けたいよな…。
…助けられるんだから。あの子と違って。」
「え?」
キリトが僕の呟きに反応したので僕は慌てて話を戻す。
「いや、何でもないよ。…それより…。」
「おい…キリの字よう…。」
クラインも頼み込み。そうするとキリトはしかたないといいながら。
「あーもー。解ったって。まだ100%罠って決まったわけじゃないんだし。」
するとクラインはニヤリと笑い美女に威勢良く宣言する。
「さっすが!話が分かるぜ!
おっしゃ、引き受けたぜ姉さん!一緒にスリュムのヤローをぶちのめそうぜ!」
「ありがとうございます!剣士様!」
そうやって美女さんはクラインの左腕にむぎゅっとしがみついた。そうするとクラインの顔が緩んでいた。
キリトがNPCの加入の承諾をする中。僕はクラインを見て。
「いいな…。」
「なんか言った?」
「いえ、なんでもありませんよ。」
シノンが僕の呟きに反応して聞き返してくるので慌てて頭を振りながら否定する。
すると…。
「そんなに拗ねない。
…はい。」
「!」
僕の左腕にむぎゅっとシノンがしがみついてきた。
「し、シノン!」
「どうしたの?して欲しかったんじゃないの?」
「…う、うん…。」
…あの…その。左腕の感触が天国なんですが…。顔が熱い。
シノンはそんな僕の反応を見ると。
「ばか。」
「うわっ!」
いきなりデコピンをされた。
「全く…。スノー!容姿だけで女の子に近づいたらダメだからね!」
「大丈夫だよ!本当に好きなのはシノンだけだし。」
「…ならいいけど。」
もじもじしながら下を向くシノンの頭を優しく撫でる。
そんな2人を遠巻きで見る方々がいた。
「はあ…これだからスノーは…。」
「もうスノーさん幸せ感が顔に出てますよ?」
「もうスノーの顔がアスナさんと話してるお兄ちゃんソックリ…。」
「俺…なんか悲しくなってきた。」
そんな感想を口々言いながら、リズ、シリカ、リーファ、そしてもう美女が離れてしまったクラインはため息をついた。
「みんな聞いてくれ!」
そうするとキリトがパン!と手を叩き。
「ダンジョンの構造からしてあの階段を降りたらラスボスの部屋だ。今までのボスより更に強いだろうけど、あとは小細工抜きでぶつかるしかない。」
僕達はキリトの言葉にこくりと頷く。
「ラストバトル、前回でぶっ飛ばそうぜ!」
「おー!」
このクエスト開始以来の気合にキリトの頭上のユイや、シリカの肩にいるピナ、さらにさっきの金髪美女のフレイヤまでもが唱和した。
後書き
スノー「女の子に抱きつかれる感触…いいね…。特にシノンだと◎」
…。
ゴン!
スノー「痛っ!なんでゲンコツ⁉︎」
女の子に鼻の下伸ばしすぎ‼︎イチャコラし過ぎ‼︎
スノー「すみません。反省してません。」
良し。…って反省しろよ!
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スノー&シノン「「次回もよろしくお願いします‼︎」」
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