| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

旧エクリプス(マブラヴ オルタネイティヴ編)

作者:cipher
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第05話 オルタネイティヴ3

■西暦1973年 4月19日
中国新疆ウイグル自治区 喀什(カシュガル)にBETAの着陸ユニットが落下。
中国とBETAの戦闘が始まる。
オリジナルハイヴ(H1:甲1号目標)の建設を開始。

■西暦1973年 4月20日
エクリプス社、国連軍に対して核兵器に代わる新型爆薬を無償供与開始。

■西暦1973年 7月12日
BETA群が西進を開始。
NPO法人エクリプスが人命保護の為、救命活動の本格的始動開始。

■西暦1973年 8月17日
中国は、優勢な戦況を背景に国連軍の派遣を拒否するが、光線属種の出現により、人類側の航空戦力を無力化される。BETAの物量に抗しきれず、中ソ連合軍側は撤退を重ね戦術核を用いた焦土作戦で対抗するも実質的な効果なし。
中ソを除く、国連加盟国。戦術核の使用を非難。

■西暦1973年 9月 6日
ソ連、共産党政府非常事態宣言発令
国家の全機能を軍の統制下に組み込み、全国民を軍属に編入。
この施策により、非ロシア民族の殆どが兵役に就き、その子息も軍の教育施設で兵士として成育された。

■西暦1973年 9月14日
月面、第一次月面戦争終結 プラトー1を放棄する
BETAの地球侵攻を受け、国連航空宇宙総軍司令部が恒久月面基地プラトー1の放棄と月からの全面撤退を宣言。月がBETAの完全勢力下に。


西暦1973年10月 1日 アメリカ合衆国 ニューヨーク 国連本部ビル

Side 第4代事務総長クルト・ヴァルトハイム(オーストリア出身)

「総会を開催する。」

国連事務総長のクルトが開催を宣言する。

「先ずはの提案者であるソビエト連邦の提案を審議する。」

「はい、我がソビエト連邦では決定的な成果を生まないオルタネイティヴ2に対して、オルタネイティヴ3への移行を提案します。」

「事務総長。」

アメリカ合衆国代表が挙手を行う。

「どうぞ、アメリカ合衆国代表。」

「まずこの資料を見て頂きたい。これはオルタネイティヴ3予備計画のソビエト科学アカデミーが国連予算を不正に流用した、内部告発文書です。見ての通り、国連の予算をソビエト連邦の一部の高官が不正に流用しています。不透明なまま、オルタネイティヴ3への移行には反対です。また各国が訴えている戦術核の使用禁止も、国連軍の派遣を拒否している中ソも国連予算の投入は、再考すべきだと考えています。
また火星の画像を見てください。ハイブが増殖していることがハッキリと分かります。このまま放置していれば、喀什(カシュガル)ハイヴから近い内にハイブが枝分かれします。早期に核使用の禁止と国連軍の派遣の容認、それと国連の査察を要求します。」

これには加盟国の代表者も驚いた。不正の内容が事細かく明記されており、火星の画像では火星のハイブから移動するBETAの動線が時系列に早回しで表示されていた。これはBETAがユーラシア全体に広がる事を物語っていた。
これは一国の問題で済まされる内容でない。
これには総会が紛糾した。
そこに日本帝国の代表が挙手をする。

「どうぞ、日本帝国代表。」

「はい、我が国ではBETAの侵略に危機感を持っています。まずはこの画像を見て下さい。これは戦術核による放射能汚染を表示したものです。今でも中ソ以外にも放射能汚染が広がっています。我が国も早期に戦術核使用禁止を提案し、国連による介入を求めるものであります。
また次の画像を見て下さい。これは多国籍企業のエクリプス社の総合技術研究所がシミュレーションした結果です。このまま状態だと2000年には、ユーラシア大陸の全土がBETAに侵略されます。
我が国はこのシミュレーションデータを元にして、伊豆諸島及び小笠原諸島にエクリプス社によるギガフロート建設を許可しました。
BETAに対する抜本的戦略の見直しを要求します。」

この後の総会は割れに割れた。


Sideout


結局、核使用禁止と国連軍の介入、ソビエト連邦への査察を条件にオルタネイティヴ3の発動が行われることになった。但しオルタネイティヴ3の研究施設を小笠原諸島のギガフロートの一部に移設することが決まった。
これは全て光輝(こうき)がエクリプス社を通じてリークした情報やロビー活動の成果であった。
 
 

 
後書き
原作開始まで、後28年です。
光輝の手の平で各国が踊っています。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧