旧エクリプス(マブラヴ オルタネイティヴ編)
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第04話 モビルスーツ
西暦1972年 1月10日 日本帝国 千葉県 幕張総合技術研究所
Side プロト
『光輝さん、打ち合わせを始めましょう。』
司会役のプロトが会議を進行する。出席者は、エクリプス社CEOのルカ、マザーコンピュータの遠隔義体であるマザー。そして光輝である。
プロトとルカは、衛星通信での参加である。
『最初に光輝さん。』
「試作のモビルスーツが完成した。F-4(ファントム)は米国がNCAF-X(新概念戦術兵器開発計画)により、宇宙ステーション建設用に開発された船外作業ユニット(MMU)を軍事転用する形で開発した人類史上初の戦術機だ。この技術とガンダムSEED世界を組み合わせて、作り合わせたのがモビルスーツだ。ガンダムSEED世界ではまだ完成していない為、出来はまだまだたが、F-4(ファントム)とのキルレシオは1:4になる。
間接思考制御により、操作を簡略している。また脱出装備を小型の飛行ユニットにしてあり、兵士の生存率を飛躍的に上げる効果がある。
モビルスーツ用OSは新規に作成した。バッテリーには水素電池を使用しており稼働時間も伸びた。
火星基地用には銀河英雄伝説世界のワルキューレやスパルタニアンの技術をベースにして、思考戦車を配備する予定である。レーザー兵器は搭載せず、代わりに超電磁砲を搭載する予定である。」
『次にマザー。』
「はい、ラグランジュ点のL1宙域(地球と月の間にある重力場と遠心力が吊り合う地点)に宇宙コロニーを建設中です。スパルタニアンを改造してカーボンナノチューブにより、BETAの着陸ユニットの捕獲ネットを搭載する予定です。1974年には配備出来る見込みで、カナダへの落着を防止します。米国にG元素を渡さないように計画を進行中です。
ゼロの使い魔のオーストラリアに異世界技術の研究機関が完成しました。現在のところ、コーディネーターを大量に育成しています。また他惑星の開発や恒星探査船を開発して、銀河系の探査を始めています。」
『最後にルカ君。』
『はい、マクダエル社の株を買い取りを停止しています。モビルスーツを発表した時にマクダエル社の株の暴落を予想して、株の空売りを始めました。株価が底値を付いた時にM&Aにより企業買収を行う予定です。
各軍需産業企業の諜報活動も順調です。各企業が特許を取る前に、各種特許を取得しています。特許収入は、米国や欧州の各企業の株の買収と南アジアとアフリカ諸国、中東などの資源採掘権購入に充てています。また採掘した資源を安く転売することによって、資源採掘会社の株価を操作して利益を上げ、資源の転売利益と合わせて、米国と欧州以外の資源採掘会社を子会社化しています。
一方、武器販売は好調で、核兵器に変わるCL爆薬搭載の多弾頭ミサイルや多連装ロケットランチャーは、非核保有国には興味を示しています。火石を使った武器の開発は目下研究中です。』
「それで良い。ソ連や中国には、第3国を通して販売すれば良い。豪州は、未開発地域を買収して一気に農業生産国とする。アフリカや南アジアはEUの様に統合して、国連での発言権をます。米国と欧州は買収した企業を含めて、ロビー活動をする。また今整備中のインターネットを通して各国の情報をリークする。」
光輝がルカの発言を容認して、追加要件を述べた。
『私からは、NPOの準備状況です。来たるBETA侵略に備えて国連との窓口を開きました。一部は国連から援助物資を発展途上国に、輸送を開始しています。』
プロトが、NPOの報告をする。
「後は伊豆諸島と小笠原諸島のギガフロートが完成してからだな。食物用プラントが完成したら、順次余剰分を提供する。それまでは国連と発展途上国にネットワークを作っておいてくれ。それと軍事プロバイダー会社を準備してくれ。」
光輝が返事をする。
『分かりました。避難民の護衛の為ですね。国連に根回ししておきます。』
プロトが最後に意見を述べて、打ち合せは終った。
Sideout
■西暦1972年 1月20日
エクリプス・アメリカ社、試作モビルスーツを発表。
■西暦1972年 4月 1日
欧州、EU統合及びNATO軍再編。
異星起源種との戦争という状況に後押しされる形で、EC(欧州共同体)がEU(欧州連合)へ発展。
■西暦1972年 6月 7日
米国、同盟各国に試作戦術機の存在を公表。
政府の情報公開を受けて、開発メーカーであるマクダエル社が、同盟各国に売り込みを開始。しかしエクリプス・アメリカ社のモビルスーツが性能が上で価格も安い為、米国と一部の同盟国のみ試験導入となった。
■西暦1972年 8月 1日
エクリプス・アメリカ社、マクダエル社の株を公開買付けすることを発表。即日エクリプス銀行はエクリプス・アメリカ社に大口融資することを発表。
■西暦1972年 9月20日
エクリプス・アメリカ社がマクダエル社の株を51%保有したことを公表。
この世界でM&A最大の買収金額の事例となった。
日本は新型兵器F-4戦術機ではなく、モビルスーツの導入を検討。
メーカーへの要求仕様の検討に入る。日本機専用装備として近接戦用の長刀を発注。
後書き
原作開始まで、後29年です。
エクリプス社はアメリカの軍産複合体に進出しました。
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