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戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~

作者:黒鐡
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十七章 幕間劇
  狩り&釣り×黒鮫隊の生活

今日もいい天気だな、天空神がそうしているのかもしれないな。だが、越後の朝は冷えるな。空気は冷たいが、その分目は覚める感じだな。この時間だと、太陽が昇ったばかりだ。辺りには不寝番の者達もいるし、食事当番も起きていないだろう。

「むぐむぐ・・・・。さてと、行くか」

俺はトレミーの食堂にいる厨房に頼んで、朝食をもらって食べていた。ここでいうなら南蛮料理か、トーストにベーコンと目玉焼きと微糖のコーヒーを飲んだ。久々に飲むといいねぇ。ちなみにトレミーの自動販売機には俺のお気に入りの缶コーヒーを置いてある。他のだとまずいんだよね。最近は新たな微糖が出来たと言ってたから飲んだら最高だった。朝の支度は完了として、ナイフとハンドガンの点検をしてから、カゴが置いてあるところに行った。

「何か入っているのかな?」

陣地の隅にまとめて置いてある背負いカゴから、少し大きめなのを選ぶが中が空なのかな。外からだと、覆ってある布があったからだ。で、布を取ろうとしたときだった。

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」

「ちょっと、一真様!?」

どうやら見間違いではなさそうだ。

「一真様。その対応はいかがなものかと」

覆い布を取ったカゴの中に入ってたのは荷物ではなく、見知った子だった。

「何やっているの、詩乃?」

俺が知らないで背負っても問題はないが、普通の人だったらぎっくり腰になるだろうな。

「その言葉、そっくりお返いたします。朝早くから、一体どちらにお出かけですか?」

「んー、そうだな。というより、詩乃はなぜそこに入っているんだ?」

「外を見たら、一真様がどこかに出かける支度をしておいででしたので・・・。荷物入れがわりにカゴも背負って行くとかと思い、こうして待ち構えておりました」

ふーん。俺は詩乃に行動パターンを読まれてたわけか。

「・・・・それで、どちらに?」

「どこに行くと思う?堺や京とかだったら飛んでいくが、今は行けないだろう」

「それは承知しておりますが、春日山では?」

「・・・そうだと言ったら?」

「大声で皆を呼ぶ備えもありますが?」

「残念。そうなる前に防音結界で何も聞こえないよ。少し山に行くだけだ、夕方には戻る予定だ」

「・・・・左様ですか」

その視線は分かるぞ、俺を信用していない目だ。まあ、この前の長久手みたいにどこかに行くとかはあったけど。だいたいは、船か神界か冥界に行っている。最近だと冥界かな、愚痴を聞くために死神がアポを取ってくれて酒を飲みながら話してたけど。そのときの姿は、服装は変わらないけど翼の色は真っ黒。金色だと冥界の者を滅ぼしてしまうから、この事を大閻魔化かな。閻魔と同等の力を持つ存在ともいうだろう。大天使化が、魔を滅する神なら大閻魔化は、罪人を裁く神として、あとは冥界の者たちとの交流も含める。つまり、閻魔は閻魔がいるけどその化身みたいなもんかな。

「だったら、詩乃も来る?俺は強いから問題はないはずだけど。一人よりはマシだろう」

「出かけないという選択肢はないのですね」

「当たり前だ。何のために出かけようと準備してたのか」

と言って、詩乃をカゴから出してあとに、背負って山に向かった。

「それで、このような朝早くから山などにどういったご用件なのですか?」

「たまには山に行って自分で食料を獲って来ようとだな」

一真隊の食糧は今の所トレミーから分けているが、この時代の人たちには食べられない物もある。ジャン・クラッセの『日本西教史』にはこう書かれてあった。「日本人は、西洋人が馬肉を忌むのと同じく、牛、豚、羊の肉を忌む。牛乳も飲まない。猟で得た野獣肉を食べるが、食用の家畜はいない」とね。なので、俺らが普通に食べている肉はここでは禁忌らしい。だからといって、野獣肉を用意は出来ないのでこうやって自分で取りに行こうと思ったのだ。

「補給は一真様が乗ってきた船から補給をされておりますが」

「俺達に食える物はあるけど、ここの時代の人達には禁忌だと思う食品があるからな。肉とか」

「なるほど。確かに肉に関しては、牛とかは忌んでますからね。なので、銃と剣をお持ちでの山歩きなのですか」

「そういうこと。この時代の人は狩りをして食べる肉はいいけど、家畜用の牛・豚・鳥はないからな。船の肉は全てそれだからな」

たまに拠点から食料を運ぶために、俺がゲートを開ける役目もしている。肉や魚や野菜とか、あとは自動販売機の飲み物や、パンとか米とか材料はいろいろ。黒鮫隊は色んな国籍を持った者もいる。日本人やアメリカにヨーロッパだとイギリスやフランス、ドイツ、イタリアとか。色んな食文化があるからな。

「鹿や雉子だったら何とかなりますが、熊が出たらどうするんですか?」

「そりゃこれで倒して捌くだけだ。それに、熊や虎が出たとしてもだ。出たら出たで、素早く倒すけど」

と言いながら、ショットガンを出す。これの威力はもう知っているからな。あの映画で出た物ではなくて、狩り用のだけど。まあ似たようなもんだけどな。それをしまってからまた歩く。

「今の時期は冬眠のはずだし、出てこないと思うけど。出てきたら、大きな声や空砲で脅かせばいいことだし」

「そう言われてますね。この辺りでは大きな鈴を使うようですが」

しばらくは越後にいるけど、大丈夫だろう。出る前に地の精霊が教えてくれるだろうに。進んでいくが、今のところは何もいない。いつでも早撃ちできるようにはしてる。

「ですが、狩りをするのであれば一真隊を動かせばありませんか?山岳での行軍での調練にもなりましたし」

「そうすると、いつ美空から出陣命令が出るか分からないからな。誰もいないよりマシさ、それに狩りに行くなら一真隊の長である俺が行った方がいいしな」

「長尾はお気楽ですからね。それにいつ出陣するのか、わかりませんから」

となんだか、ペースが遅れているので、詩乃のペースに合わせる。あと手を繋ぐ。あとは詩乃がいつからあそこにいたのだろうと。詩乃は朝には弱いタイプだ。寝起きの悪い子がこんな朝早くから元気なんてあり得ない。ふむ。詩乃は無理していないと言ってるが、次から徹夜とかだったら寝かせるか。俺は夜更かしは慣れているが、さすがに起きたらすぐに戦場に行くというのはできない。

「あと、気分屋の相手は俺がするからな。詩乃は詩乃の身体を第一に考えるのだぞ?」

「それは、ご命令ですか?」

「うむ。軍師は動くより考えるのが仕事だ。俺はちゃんと自分で体調管理してるんだから。それに美空の邪魔にはなりたくないし」

「・・・・美空さまの話題はやめておきましょう。昔から、曹操の噂をすれば曹操が来る、ですから」

「・・・そうだな」

やはり三国志の知識もついてるわけか。やがて、山道も出ると視界が開ける所に出た。

「ふむ。こんな所もあるわけか」

「地図では概ね把握していましたが、思ったよりも大きな川ですね」

「少し休むか」

「はい」

荷物は空間にあるからだけど、背負っていたカゴを下ろしてから座り込んだ。隣には詩乃がいる。

「水飲む?」

「・・・・よろしいのですか?」

「ああ。ちゃんと予備で持ってきたのがあるから」

「では、いただきます」

詩乃には水筒で、俺はスポーツドリンクを飲んだ。で、今は釣りの準備をしている。一応罠も仕掛けてからだったけど。

「さてと、釣りの間に俺の分身で、狩りに行かせるか」

と言って、俺の分身体が現れた。2~3人だけど、それぞれには剣や銃を持たせている。

「俺の分身体よ、この近くにいる獣を狩りに行って来い」

と言って、分身体は空を飛んだり神速でこの地を離れたりして行った。そして俺本体は、釣りをするために餌をつけて投げた。

「一真様の分身体は山の狩りに行ったのですね」

「分身体と言っても、剣や銃を持っているから大丈夫だろう。その間に俺らは魚釣りでもするか」

この前と同じように釣りを始める俺に、詩乃は見ていたが素朴な疑問に答えていた。

「そういえば一真様にいくつか質問がありますが、よろしいでしょうか?」

「んー?何かなー。俺で答えられる範囲なら答えるけど」

「まずは船のことなんですけど。あの船には黒鮫隊が住んでいると言ってましたよね?」

「そうだな、この世界に来たらそうなったな。もともとの大きさは今より小さいけどな。それがどうした?」

「どうやって住んでいるのか、この前船での見学で思ったので。衣食住はどうなっているのかなと思いまして」

なるほどな、でもなー。船は基本GN粒子で動くはずが、改造をして船用のGNドライブを創造及び製造した。住み始めてからはソーラー発電で中のを使えるようにしてるし。水は、地上からの川の源泉から注入して貯めて、使用済みのはタンクで貯めてから地上の土で放水してるからな。トイレとかの排泄物は、溜まったら自動的に山の中に落としている。火は使わないで電気の力でやっているからな。

「ふむ。何て言えばいいのか分からんな」

「それはなぜですか?一真様の船なのですよね?」

「それはそうなのだが、説明するのに横文字を使わなければ説明が出来なくてな。どう説明すればいいか考えている」

しばらく考えたが、実際に住んでいる者に説明させようと思い、ケータイを取り出した。片手で釣竿を持って片手でケータイを持っている。俺のケータイには黒鮫隊の全隊員が持っている端末の番号を載せている。電話した相手に説明すると、こっちに来てくれるようだったのでケータイを閉じた。

「誰と話してたのですか?」

「これから詩乃の疑問を答えてくれる人だよ。ほら、来た」

ケータイをショルダーバックに入れてから上を向くと、ISを装着した者たちがきた。その人物達は、詩乃も知っている人物たちであったが全身装甲なので顔が分からずにいた。装着を解除すると分かったらしい詩乃だった。

「あなたたちは、美咲さんに凜さんに沙紀さんですか」

「はい。隊長に船での生活についてどう説明するかを、私たちで説明することになりましたので」

「横文字を使うさいはちゃんと説明しろよ」

「分かっていますよ、隊長。そのためにタブレットを持ってきたので。まずはあの船についてですか?」

「ええまあ。もともとはもっと小さいと聞きましたが」

と言って、タブレットで現在の船の大きさとここに来たときの大きさをタブレットで現した。俺も思ったが、相当デカくなったのだな。あとは、もともと搭載されていたのとかはある。トレミー3番艦及び1番艦2番艦は、外見は元のと同じだけど中身は違う。人が長期間生活できるように、色々と改造したからだ。厨房や風呂やトイレは最初っからあったが、今では数を増やしてある。けどこの世界での任務が終えたら元に戻すし。

「まずは船についてなんですが、どういった物で動いているのですか?」

「そうですね。私たちはGNドライブと呼んでいます。人でいうなら心臓ですね。これは永久機関に動いています、太陽が輝いてるのと同じように今日も次の日も輝いているでしょう?それと同じ感じですね。そしてこの特殊な粒子によって動いています。たまに隊長が出す光の粒子みたいな感じです」

「そこまでな技術な物なのですね。では、武装とかはあるのでしょうか?」

武装と聞かれたので、タブレットで説明をする美咲たち。分かりやすく説明をしたおかげか、詩乃にも通じたようだ。第一キャノンとかミサイルとか言っても分からないからな。説明している間は俺は釣りをしているが、なかなか釣れないようだ。やっと一匹釣れたと思ったらトレミーについての説明は終わったようだ。

「なるほど。それで爆撃をしたのですか。船のことは分かりましたが、次に生活について教えてもらいませんか?私たちは火や水がないと生活はできないのですがそちらでは?」

「まずですね、私たちは電気という力で生活しています。分かりやすく言うと雷ですね。それで生活をしています」

「電気を溜めるには、太陽光発電という技術を使っています。例えばそうですね、隊長、翼での太陽光を吸収して何かしてくれますか?」

俺は頷き、翼を出して太陽光を吸収したあとに、滝に向かってソーラービームを撃った。すると滝は穴が開いたようになるが、撃ち終えると元の滝に戻った。

「なるほど。その太陽光を使った応用という訳ですか」

「そういうこと。それで料理をしたりお風呂のために使ったりしているのよ。私たちはオール電化と呼んでいるわ」

オール電化についての説明が始まった。料理に使うのは火ではなく電気の応用で使うとか、お風呂は大気熱と電気を使ってお湯を沸かすとか。他にも娯楽で使うとか、あとは部屋の明かりは油ではなく電気だとか、横文字を使ったあとに分かりやすく説明をしたりしていた。俺は2匹目を釣り上げると、どうやって生活しているのとか、訓練や鍛錬とかは前にも説明したけど。あとは料理とかも。

「次は食事についてですけど、いったいどうやって補給をしているのです?」

「それについては、隊長が開けてくれるゲート。扉かしらね、それを開けてくれるのよ。その先は元々私たちがいた場所と繋がっているの」

「毎月毎月、隊長はゲートを開けては生活物資の補給をするわけです。我々のためにですけど、食糧も肉や魚や野菜やお菓子の材料とかも送ってくるのです」

「私たちは日本人だけど、他の国から来た者も大勢よ。そういえば詩乃さんはこの国がどれだけ大きいか知ってる?」

「だいたいの大きさは分かっていますけど、どのくらいなのです?」

と言った詩乃に対して、タブレットで世界地図を出した。そして、これが日本と指差したらこんなに小さいのですかと驚いたようだ。日本列島のだいたいの地図は、これぐらいだとな。この世界の日本の地図はアバウトしすぎて、笑ってしまったが。で、今俺たちがいるのはここで、尾張や美濃はこの辺りだと指を差した。現代の地図では言い方も違うので戸惑ったが、この世界の言い方にしたら納得したようだった。

「なるほど。尾張はともかく美濃がこんなに大きいとは。あと今後行く越後もですが」

「私たちはこれを頼りにしてるけど、全体の町とかはこれで調べているのよ」

「これは今私たちがいるところですね。これはどういう仕掛けになっているのですか?」

「これはですね、宇宙からの衛星カメラという物で私たちを映しているのです。そもそも衛星カメラとはですね・・・・」

宇宙からの説明かと思ったが、宇宙の映像を見せたあとに衛星カメラというのを説明し始めた。そういえば、日本の形は分かるけど地球というは知らないんだっけなと思ったが、まあいいかと。で、説明が終わると納得した様子の詩乃であったが、ここで詩乃が腹が減ったのだと。なぜなら朝から食べていないと言っていた。なので、釣りをやめて俺達も昼食にした。厨房に頼んでからしばらく待つとケータイからのメールで、出来たとのことなので空間切断で食堂に行って受け取ってから戻った。

「詩乃は、この弁当な。美咲はこれで、凜はこれで沙紀はこれな」

そして俺達は食べ始めたが、詩乃は俺たちが食う物に興味があるようだ。

「俺たちが食っているのは、ここでいうなら南蛮料理か。詩乃の弁当も出来立てだから、温かいぞ」

そして、俺達は食い始めた。詩乃も温かいご飯で白米だけなのに甘くておいしいとな。米はこしひかりだしな、ちなみに俺達のはパスタとピザだ。ピザはレトルトだけどパスタは出来立てだ。ちなみに俺はカルボナーラだ。ピザは4人で分けて食ってたけど、詩乃も食べるかと聞いたら食べてみたいとのことで食べさせた。そしたらすごく美味しいと。レトルトだけど。

「ふう、美味しかった。隊長、これを厨房に返してください」

といい、3人は食べ終わったのか皿を渡してくる。詩乃も食べ終わったようだから、容器を返してもらってから俺も食い終わった。そして皿と弁当箱を空間にてを突っ込み食堂の返却口に置いた。そして俺は釣りに戻り、詩乃はまだ疑問があったので説明会の続きをした。たとえば銃の原理とか、俺達がいた拠点とか、俺の妻とかISとか色々だった。そして、夕暮れになった頃になると詩乃の疑問がなくなったので、美咲たちを船に戻した。

「もうこんな時間になりましたか?」

「疑問は解けたかな?俺が説明するより美咲たちを呼んで正解だったろ」

「はい。ところで、一真様の分身体は?」

「ああそれならもうすでに戻ってきてたよ。獲物である鹿や猪や雉子とか」

「魚もたくさん捕れたようですね。今回は良い勉強になれましたが、今の私たちでは不可能な技術でいっぱいなんだと実感しました」

「そうだろうな。だけど、この国の未来では実行されている技術だ。それにもしかしたら今後のためにも覚えて損はないと思うしな」

カゴには、捕まえた肉を加工済みのを入れたり、分身体が採ってきた木の実やキノコ類とかを入れた。
あと魚はアイスボックスに入れたから問題なしと。そろそろ夕暮れだから帰るかと詩乃に言った。陣に着く頃は夜になるがライトを持ってきている。アイスボックスは空間にしまい、カゴを背負ってから詩乃の手を繋ぎながら陣地に戻った。帰ると俺を探してたらしいが、俺は食料を調達してきたと言ったあとに荷駄隊のところに行き、今回の兵糧に入れてくれとひよに頼んでから、肉と魚はこちらが預かると言ってから、夕食を作りはじめたのであった。 
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