戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~
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十七章
天人の味方
「あのぉ~・・・・御大将?」
「何?」
「(こちらの方は一体、どなたです?)」
「(ああ、こいつが例の・・・・)」
なんか悪口が聞こえたから、帝釈天と四天王を召喚してから美空の首に剣を向ける。
「お、御大将!」
「貴様、創造神様の悪口を言うだの言語道断。今すぐ殺してやろうか?」
「帝釈天、やめておけ。そいつを殺したって何も変わらないだろう」
「帝釈天?えっ、どういうことですか、御大将?」
「それは我が創造神で、こいつらは帝釈天と四天王だ。そして我は田楽狭間の天人と呼ばれた者だ」
いつの間にか大天使化をしていた我。あと我の周りには四天王がいるけど。
「田楽狭間の天人というのは、織斑一真でしたか?」
「そうだ。そしてこの姿は神の姿でこっちが俺の人間の方の姿だ」
一瞬にして、大天使化を解いたが、まだ帝釈天と四天王は召喚されたままになっている。
「そうなのよ。こんなに神々しく見えても、この男の中心に事態が動いていることは事実よ」
「えっと、とりあえず自己紹介だ。俺の名は織斑一真だ、よろしくな」
「は、はい!?えっと私は、直江与兵衛尉秋子景綱と申します。秋子とお呼びください」
「では、これからは秋子と呼ぼう。こう見えても俺は年長者だからな」
といって、手を握らせようとする。握手という風習がないからなのかな。手を握ったら顔を赤くする秋子。そしてよろしくといいながら握った。
「・・・・やれやれ。早速一人落としたわね。・・・・ホントにあんたって・・・・」
といおうとしたら、帝釈天と四天王が刀を首に向けてたので、美空は口を閉じた。主様の悪口は許さないとか、お兄ちゃんのことバカにしてるんでしょとか言いたい放題。おそらく、美空のお家流のときは仕方がなくと言う感じなんだろうな。
「おい美空。主様をバカにするのなら、余も許さんからの」
「たまにはいい事言うじゃんか。一葉よ」
「余の主様なのじゃ。なので当然じゃ、それに余たちが怒らなくともそこにおる護法神四天王がやってくれるじゃろうに」
まあそうなんだけどな、それより話が進まないからな。帝釈天と四天王には、どかしてもらってから頭を撫でたら四天王はお兄ちゃんやにいにとか言ってたけど。
「とりあえず話を戻すとして、春日山城を取り返すんだろう?だったら俺たちの出番だ」
「どうするのよ。人質がいるのに、どうやってするのよ?」
「御大将!役に立たない一真さんより『ズキューン!』柘榴、黙ります。はい」
文句を言いそうだった柘榴を銃で黙らせてもらった。
「状況を説明すると、春日山城は難攻不落と聞く。が、俺達の部隊は難攻不落の城をいくつもの落としてきた。そして、人質がいる。なら、まずは人質を助けることから考えた方がいいぞ?」
「それか軒猿を中心に奪還作戦を考えるしか」
軒猿・・・・・主に越後上杉に仕えていた忍びの名称。
「でも今の軒猿はあんまり使えないっすよ」
「唯一使える飛び加藤、大将が追放した・・・・」
「うぅ・・・だってなんかうさんくさいのよ、あいつ」
「気に入らなかったの間違いでは・・・・?」
「人によってはそうとも言うけど」
「んもー!御大将は気が短すぎっすー!」
「うっさい!いないもんはいないんだから仕方がないでしょ!私たちでやれば良いの!」
あ、開き直ったな、美空。その飛び加藤という奴を調べてもらったら本当に胡散臭いようだった。
「その相手だが、お前の姉と母も謀反に加わっていると聞いたが?」
「それを早く言いなさいよ。というか、何であんたが知っているのよ?」
「そりゃ俺独自で調べたんだからな」
姉は無能らしいが、その母は厄介だそうだ。
「今は春日山城の情報を集めたほうがよさそうね」
「了解しました。では柘榴ちゃんと松葉ちゃんは軍の編成を。私は兵站を整え情報を集めましょう」
「お願い」
「はっ。・・・・で、お客人は?」
「あー・・・・ほっときましょ」
「おいおい。これだけ情報を集めたのに放置かよ」
「その情報については礼を言うわ。でもね、今のウチには、手伝える者でも兵糧や矢銭もないんだから。お腹が空いたらその辺の野山や魚でも草でも食べてなさい。陣は?」
「街の外に既に」
「あっそ」
と言って行ってしまった美空。あのガキはなめているのか?
「俺らはどうすればいいのやら」
「最初から手伝う気はありましたが、それをやると便利に使い潰されてしまいます。それと兵糧とかは」
「もうすでに、船に連絡してある。食料は問題ないし、武器は俺の創造の力でなんとかなるだろう」
「ですが、なんというか、良く言えば天真爛漫」
「悪く言えば傍若無人ですね・・・・」
「だから言ったであろう?越後の龍は人修羅だと」
「格好つけて言っている横かた突っ込みますが、それは意味が繋がりませんぞ?」
「なんとっ!?」
「主従漫才はほっといて、ちょいといいかな?」
とりあえず聞けるだけ聞くか。俺はまだ残っている三人に話しかける。
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