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戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~

作者:黒鐡
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十六章 後編
  一真隊合流×反撃開始

「ふぅ・・・・何とか無事、一仕事終えましたわね」

「・・・お疲れ様だ。梅も無事で何よりだ。お前らの後ろいた鬼達は排除した」

「ふふっ、この蒲生賦秀、たかが鬼如きの奇襲に屈する武士ではありませんわ!」

胸を張ってそう言っていたが、鎧はボロボロで自慢の巻き髪も力無く、ぼさぼさになっていた。

「ですがまぁ・・・・さすがに頭脳労働専門の雫さんと、腕っ筋はそこそこ程度のころさん二人を守りながら鬼と戦うのは苦労はしましたが、黒鮫隊の皆さんのおかげで何とかなりましたわ。やはりハニーの勘は当たりますわね」

「黒鮫隊もだが、二人を守ってくれて感謝する、梅」

「ふふっ・・・・大切な仲間であり、同じ人を愛する者同士ですもの。ですけど・・・・」

「分かっているよ」

と言って、頭を撫でてから抱き合った。

「梅、雫ところを守ってくれてありがとうな」

頭を撫でながら抱き合い。鎧を通してだけど身体が冷たいのが分かる。

「身体が冷たいから暖かくしてやろう」

俺は回復のオーラを出して、梅や近くにいる雫ところと率いてきた兵たちにも。オーラを浴びた者は、光り輝いて回復し、体力と気力も回復した。ついでにボロボロの鎧とかも修復したけど。

「暖かいですわ。そして今の私の心の中まで熱く燃えていますわ」

「辛かっただろう。怪我はなさそうだな」

「ええ。大丈夫ですわ。この私の玉のようなお肌は全てハニーのものですもの。鬼如きに触れさせません」

「強いが、不安だったろ?」

「はい。正直不安で仕方がなかったです。ハニーが怪我をしていないか、とても心配しておりましたが。黒鮫隊の皆さんが、ハニーが無事ということも伝わりましたし」

そしてしばらく抱き合い俺の匂いを嗅いでいた梅。まあこれも褒美だと思ってのことだ。満足したのか、梅は俺から離れていった。

「さぁハニー成分を存分に補給できましたわ!これで鬼どもを薙ぎ尽くすことができますわ!」

「お頭ぁ!」

「一真様っ!」

梅と入れ替わりで、駆け寄ってきたころと雫が胸の中に飛び込んでくる。

「ううう、一真様ぁ、お会いしたかったですよぉ!」

「えへへ、ご無事で何よりです!」

「ころ、雫。お前らも無事でよかったぜ」

「怖かったです・・・すっごく怖かったです!もう二度と皆に会えないじゃないかって!でも黒鮫隊の人たちが、私たちを守ってくれました。それに一真様が無事な事も聞いただけで・・・」

「囲まれた時はどうしようかと思いましたが、一真様が黒鮫隊の者達を配置してくれたおかげで助かりました。再びお会いできて、すごく嬉しくて・・・・これもでうすに感謝しなければなりませんね」

「俺は精霊や地の神たちに頼んで正解だったな。これで俺は、安心して戦えるよ」

これで誰一人欠けることなく合流できた。黒鮫隊の者たちも、こちらにいた者同士で抱き合ったり握手したりしていた。本当に俺の勘は当たるんだな、一瞬外れるかと思ったが。

「皆、無事で大義であったな。・・・・では主様よ。そろそろ備えようではないか」

「そうだな。よし、俺たちの主要面子は揃った。これからは本当の撤退戦だ」

「あら。一真隊が合流出来たのに、このまま後方に向かって戦略的前進をするんではありませぬの?」

戦略的前進ね、俺は撤退と言ったが梅には撤退という文字は辞書には記されてないんだと。ステラ、ミーガン、エイダとウィリアム、アレクサンダーのところに行って死守してくれて感謝すると言ったらハイタッチをした。こちら側にいた沙紀、美咲、カーリとレノックス、エップスは終始笑みを浮かべた。そして、俺を合わせた11人は装備を確認した。

「この周辺に仲間がいる可能性があるから、鏑矢を放ったわけだ。そしてここに集結するのを待っているのだが・・・・」

「鬼達も呼び寄せる結果となりますね」

「そうだ。だけど、先ほど回復させたから梅たちは体力と気力を回復させたから大丈夫だろう?」

ころと梅と雫に聞いたら確かに、先ほどの疲労がないようとか言っていた。それにボロボロの鎧や武器も修復完了だからな。いつでもいけるだろう。

「では状況を理解して頂いたところで、皆さん、それぞれ配置についてください。出来る限り黒鮫隊の皆さんで迎撃を頼みます」

雫たちが無事に戻ってきたからか、詩乃の声に元気が溢れているようだった。

「ご主人様!鬼がこちらにやってきます!迎撃の準備を!」

「分かっている!黒鮫隊歩兵部隊、鬼が来たら一斉斉射だ。フルオートで撃ちまくれ!」

『はっ!』

「IS部隊は、撃ち漏れた鬼を攻撃せよ。こちらが撃ち終えたらジャスティス隊は吶喊せよ。サバーニャ隊は、真上からの攻撃で爆撃をせよ!」

『了解!』

「トレミーは、俺の合図でGNミサイルを発射しろ!」

といって、トレミー側も準備をさせた。俺達が配置に付いたら、夜闇に包まれた森の奥から、不気味な咆哮が聞こえてきた。そんなの怖くもなんともない。後方にいる一真隊は鬼の出現を待った。そして俺たちが待っていると現れた鬼達。

「黒鮫隊歩兵部隊、構え!撃て!!!」

森の中に向かって俺達の銃が乱射する。銃の音は止まずに撃ち続けると、次々と倒れ込む鬼達。人であるならば、この乱射をビビって後退するが鬼は仲間の死に揺らぐことはない。

「IS部隊、吶喊せよ!!!」

そしてジャスティス隊はビームサーベルで斬りまくり、サバーニャ隊は上空からの乱れ撃ちからのミサイル攻撃。

「ふむ。さすが主様の部隊よの。鉄砲だけで追い払えないと分かっていたが」

「鉛玉の雨の中、傘も差さずによくもまぁ・・・・鬼に恐怖というものはないのですかな。ですが、それがしたちの出番はなさそうですな」

「金ヶ崎攻めのときは、森一家の残忍さに鬼は恐怖している様子でしたが・・・・」

「森の二人のようになれということか。だが、主様たちが攻撃している間はこちらは動けん。いくらこちらに鉄砲があったとしても、黒鮫隊の者に当たってしまう」

一葉は前に行って攻撃したいようだが、さすがに俺たちの武器の威力を知っているからな。今は、耐えてもらわないと困る。それにしても数が多いな、これはトレミーでのミサイル攻撃を開始させるか。

「全員、撃ち方やめい!IS部隊も戻って来い!トレミー、ミサイル攻撃を開始せよ!」

IS部隊が戻ってきてから数分後、鬼達がこちらに来ようとした瞬間にミサイル攻撃に当たり爆死した。
俺達は鬼がいるところに向けてマルチロックオンをさせて撃つ。ミサイルの大きさは普通より小さいから命中率も攻撃力も大きい。湧き出てくる鬼達をミサイル攻撃から避ける鬼には、サバーニャによるビットでの乱れ撃ちで何とかなった。

「凄いですわ!これが黒鮫隊の本当の力ですの!」

「空から降ってくる攻撃はいったいどこからなのですか!しかも森には一切燃えないようになっていますね」

トレミーからの攻撃は正確で、確実に仕留める。俺達は前に出てからの攻撃を開始した。歩兵部隊は烏たちとの連携で撃ち、一真隊がいるところはまだ何とかなっている。

「長柄は戦線の維持を。状況を見て、交代させますからもう少し頑張ってください」

「鉄砲隊は、黒鮫隊の合図のもとで撃ちますわよ!」

「おー!」

黒鮫隊の合図のもとで、鉄砲隊が撃ち、撃ち漏らした鬼は長柄が突く感じだ。俺は、鉄砲の射撃範囲外の鬼を斬りまくる。トレミーからの攻撃は一時中断させた。たまにはこいつらを活躍させた方がいいと思ってな。

「ころ!前線の長柄を交代させてください!」

「了解!蜂須賀衆、準備は良い!?気合い入れるよー!?」

「おーっ!」

「先手組、とにかく近づいてくる鬼を突いて突いて突きまくれー!!後続は先手組の引きに合せて槍を突き出せー!」

ころの号令に合せて、蜂須賀衆がきれいに連携を取って攻撃を繰り出して行く。俺は剣の分身体を出して串刺しにしたあとに、炎術と風術での連携攻撃で鬼を燃やし刻む。

「今が好機だ、詩乃!」

「はい!足利衆!」

「うむ!主様だけに活躍されては意味がないと思ったが、出番をくれるとはありがたいぞ。鬼どもめ、余の斬鉄剣の錆にしてくれよう!」

「一真様に礼ですな。好きなように暴れて下さいまし」

「ありがたいことだ。たんと暴れてやるぞ!」

俺とIS部隊は空に上がり、奥に鬼が居ないか探したらいるみたいだ。いつもの調子で刀を抜きながら、一葉と幽は前に出る。足利衆たちと共に駆け出した一葉と幽が、浮き足だった鬼達に、死を振りまく。月光を受けて煌めく刀。闇中に光の軌跡が走るたびに人ならざる者の血飛沫が、月夜にほとばしる。相変わらずな、死と隣り合わせな舞。口では言い合いながらではあるが、息はぴったりで鬼達を駆逐していく。斬って斬って斬りまくる。そういう表現しか出来ないけど。一葉と幽は鬼の群れの中で縦横無尽に刀を振るっていく。多勢に無勢なのか、一時態勢を崩していた鬼達は一葉たちを取り囲む素振りだったのを俺は見逃さない。 
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