戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~
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十六章 後編
反撃
「おらっ!行くぜ!」
言いながら一葉たちの元に行きながら、鬼を聖なる光で弱らせてから斬撃を飛ばした。
「一葉は退いてくれ。ここは任せろ!」
「分かった。足利衆!退くぞ」
退いていった穴埋めに、上空にいたジャスティス隊によって斬られた鬼達。シュペールラケルタ ビームサーベルを連結させて2刀連結状態の「アンビデクストラス・ハルバード」にしてから周りにいた鬼どもを斬りまくった。あと近づいてくる鬼達には、グリフォン ビームブレイドによって斬り蹴りをした。
「ころ。二度長柄で突いたあとは、すぐに場所を空けてください。・・・八咫烏隊と黒鮫隊の出番です」
「りょうっかいでーーーーす!」
「・・・・・」
詩乃の言葉を受けて、烏がスッと手を挙げる。その手の動きに合わせ、八咫烏隊と黒鮫隊が鉄砲とライフルを構えた。俺達は、八咫烏隊と一緒にいる黒鮫隊の者に空けるように言われてから上空に避難する。
「それじゃいっくよーーーーーっ!撃って撃って撃ちまくるぅーーーーーーっ!」
合図のもとで、鉄砲とライフルが射撃を行った。ライフルは撃ちまくり、鉄砲はもう一度撃つようだ。
「もういっちょーーーーー!」
そしてもう一度弾を込めてのもう一撃。
「おまけにいっちょーっ!」
「黒鮫隊は撃ち続けて下さい!八咫烏隊は下がって。ひよ、斉射を!」
「弓隊、射てーーーーーーーっ!」
「鞠、追い打ちを!」
「了解なの!いっくよーーっ!随波斎流ぅ~!疾風烈風砕雷矢ぁーーーーーーっ!」
鞠のお家流での追い打ちが決まったと同時に俺たちは再度地上に降りて鬼に向かう。俺の剣とIS部隊のビームサーベルで斬りまくると同時に銃とビームライフルで撃ちまくる。
「鞠さん、ありがとうございます。一真様と黒鮫隊の者たちが戦っている間に準備を。もう一度、最初から行きますよ、雫!」
「はい!蜂須賀衆、手負いの者は後方へ!まだ元気な者は前に出てください!」
「応っ!」
「じゃあ蜂須賀衆、もう一回いっくよーっ!」
「おーーーーーーっ!」
表情や動作には疲れはなく、今まで以上の力を出せている。俺達はこいつらの邪魔にならないように、空に待機した。兵の皆は心を一つにして戦っている。数は違うが、兵の士気は高く、鬼たちと互角にやりあっている。たまにヤバそうな時だけ、銃で鬼の脳天を撃つけど。
「・・・ふむ」
兵を様子を見ているけど、少しまずいな。いくら互角にやり合っていても、人と鬼とじゃいずれ力の差が出るな。
「詩乃!一度後退させろ。黒鮫隊前に出るぞ!」
言って長柄の前に出た俺たちは、剣の舞のように斬りまくる。上空にはサバーニャ隊がいるから、ソードビットで操りながら斬り刻む。俺は隊のところに行き、回復のオーラを浴びさせた。これは人しか回復しないから鬼は回復しない。鬼に浴びさせたら逆に毒だからな。
「これで何とかなりそうか」
「ありがとうございます、一真様」
「気にすんな。後詰がない以上、俺達で切り開く!」
言ってから、前線に戻った。剣で斬ったあとサバーニャ隊に空からの乱れ撃ちをしてもらった。乱れ撃ちではあるが、できるだけ狙い撃ちとのこと。俺達がいなかったら現実は非情だが、そんなことはさせない。人は限界になると戦えなくなるが、俺達は違う。俺達の兵には黒の駒を入れてある。なので、いくらでも戦える。
「もう・・・仲間たちは来ないのかな・・・・」
「諦めるな、嬢ちゃん。俺たちが居る限り大丈夫だよ」
「えーと、たしかレノックスさんですよね」
「ああ。だが、決して諦めるな。俺たちの辞書には諦めるという言葉はない。きっとまた合流できるはずだから。嬢ちゃんも諦めるな!」
「はいっ!」
この嬢ちゃんは大丈夫そうだな。あとは信じるしかないが。
「小波さん、周囲の状況は?」
「・・・・・・・・」
目を閉じて意識を集中し、小波は周囲の状況を探る。
「土中にも鬼の気配はございません。残念ながら、周囲の状況に変化はございません」
「そうですか。ですが、大丈夫です。我らの合図に、三方より返事が来たのです。今は信じて踏ん張りましょう」
「嬢ちゃんの言うとおりだ。今は信じるしかない」
俺達は斬りまくりで、次々と斬るが数は減っていないな。
「突けーーーーーーーーっ!」
目の前では、鬼の返り血を浴びながらの戦いであったが、勢いは増している。
「・・・・さすがに同じ手を三度も受けるほど、馬鹿ではないようですね」
「ええ。私たちの動きに対応し、散開をはじめています。厄介ですね」
「ですが、黒鮫隊のおかげで何とかなりますよ。きっと」
長柄の後ろから、黒鮫隊による狙撃と手榴弾で爆死させながら長柄を後退させてから、レノックスたちが前に出る。そしてアサルトライフルで、撃ちまくりながらもっと前では俺とIS部隊による攻撃。
「ふむ。ここは大爆撃をしたほうがいいな。IS部隊、後退してトレミーからの爆撃に備える!」
『了解です』
「トレミー。爆撃を再開せよ!」
俺達はレノックスたちがいるところまで退避してからの爆撃攻撃。しばらくミサイル攻撃が続いたが、敵はさらに来るのでサバーニャ隊のライフルビットによる乱れ撃ち。とそのとき、鬼の声が聞こえた。
「どこからですか?」
至近で聞こえた鬼の咆哮に仲間たちは、四方を見回す。俺も探したら、ころたちがいる背後の崖の上だった。
「後ろですか!」
「隊長!」
「分かっている」
鬼達は爪を立てて岩肌を抉り、切り立った崖を這い上がるようにしてころたちの背後を衝こうとした。俺は風術で、空に上がり風の刃を放つが、威力が足りなかったのか鬼達を瞬殺まではできない。と思ったら声が聞こえた。
「ひゃぁぁぁっはぁぁぁーーーーーーーーーーっ!」
おお。俺は崖の上に行こうとしたら聞き慣れた声が聞こえた。雄叫びと共に、水平に切り立った崖を真横に切り裂くように灰色の崖肌を黄色い閃光が駆け抜けた。
「小夜叉ーーーーーーーー!」
「ちんくしゃっ!?しかも崖を水平に走っているとか、あのちんくしゃ、人間ですのっ!?」
「まあ、隊長もできるでしょうね」
俺は崖を水平に走ってくるので、剣を構える。
「一真!オレ達で真っ二つにしてやんよぉーーーーーーっ!」
「おうよ!行くぞ、小夜叉!」
鬼達に向かっている小夜叉が、構えた人間無骨を振り払う。俺も斬撃を飛ばしながら、小夜叉の援護に向かう。
「一真!放れろ!小夜叉流ぅぅぅ!刎頸二十七宿ぅぅーーーーっ!」
噴火にも似たような音と共に、小夜叉を包み込む氣が一気に爆発する。
「おらぁぁーーーーーーっ!」
雄叫びと共に、手に持つ人間無骨が一段と高鳴り、高周波音を放つ。俺は小夜叉に合せるべく剣を輝きだしての光の剣となり崖を斬り裂く。その間に下にいる者達の退去命令を出したけどね。
「な、なんですのこの音!?」
「ぬぅ!?見ろ!崖がっ!」
一葉の言葉に、皆が一様に崖を見る。すると、小夜叉の手に握られていた人間無骨と俺の剣が伸びていた光の剣が、岩肌に食い込んでいた。少しも引っかかる手応えもなく、食い込んだ二つの光の剣がするりと岩肌を削る。
「全員!退避しろ!」
幸い黒鮫隊がいたからか、俺の指示に答えるようにして退避した。なので、退避しながら鬼を駆逐してから前に出た。
「「いっけぇぇぇぇーーーーーーーーっ!!」」
で、まあ先に退避させといたし、IS部隊がいるから兵たちの防御にはなった。兵に近づくものはシールドビットとソードビットで迎え撃つ。
「ひぇぇぇ・・・・」
「あ、あはは、崖が・・・・・崖が落ちてきたよぉ」
「な・・・・・なんとか助かりましたわ。黒鮫隊の皆さんのおかげです」
そして、俺は素早く着地する。まあデカい岩というより崖?それが落ちてきたんだからな。鬼達も呆然としていたが、チャンスだと思い攻撃を続行させる。落ちてくる岩の破片に飛び移りながら、小夜叉は地面に降り立った。
「一真。オレと同じ技だったが、息を合わせたな」
「おうよ。それより生きていてよかったぜ」
俺と小夜叉はいつも通りの会話なのか、仲間たちは呆然している。しかも俺と小夜叉の同時攻撃で、崖を落としたからな。
「そういえば桐琴はどうした?」
「母?母なら、まぁそろそろ来る頃じゃね?」
来る頃ねと思ったら、桐琴の気を察知した。
「ひゃーーーーーーーーはっはっはっはっはっはっはっはっー!」
「ほらな?」
「ああそうだな、トレミー。爆撃をやめろ!」
ミサイル攻撃をやめてから、鬼達は次々と銃殺していきながらソードビットで頸を刎ねる。小夜叉が笑うのと同時に、たくさんの気を感じた瞬間に林の中から気勢が上がった。
「おらぁ!クソ鬼どもぉー!今まで散々、好き勝手やってくれたなぁ!おう、森のクズども!鬼どもまとめて惨殺だぁ!」
「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「いくぞおらぁ!ひゃーーーーーはぁぁーーーーーーっ!」
世紀末の的な雄叫びを上げながら、森一家が鬼達の横っ腹にカチコミをかけた。黒鮫隊の者達には道を譲れといってあるが、おそらく分かっているだろうと思うし。桐琴を先頭に立たせての森一家のカチコミは、織田衆最狂の名の通り、浮き足だった鬼達を文字通り惨殺していったけど。いい音をしながらの凄惨の音で、普通なら耳を塞ぐだろうが、森一家による鬼の虐殺の宴が続く。
「う、うわぁ・・・・」
森一家の働きを見て、雫が引きつった声を出す。
「ん?雫は森一家の戦いを見るのは初めてだったか?」
「そのぉ・・・・二条館での攻防のときは、状況を把握するために横目でチラッと見ただけで・・・・ここまで間近で見るのは初めてです。だからちょっと刺激が強すぎるというか・・・・」
「ふむ・・・・ならば向後の事もあります。良く見ておいた方が良いでしょう・・・・ほらほら」
「あ、ちょ、詩乃、止めて下さい!ああ、目を閉じられないようにするのは卑怯ですぅ!」
「大丈夫。慣れれば勝ちです」
「し、詩乃ちゃん、その発言と行動は、鬼だよ鬼過ぎだよそれっ!?」
「まあ詩乃の言う通りだから、ちゃんと見るんだぞ。慣れないと今後の戦いに支障が起こるから」
まあ慣れだよ慣れ。こういう戦いも見て慣れた方が早い。詩乃は慣れということにして、思い込むようにしないとならないし、友である雫も同じようになってもらわないとな。雫は血飛沫とか首ちょんぱは慣れてないらしいが、俺達も本気だせば似たような感じだし。
「さてと、そろそろ反撃の好機だ。皆の者、準備は良いか?」
「応っ!」
「ということで、詩乃と雫は一真隊の指揮を任せる。俺たちは俺たちなりにやるつもりだ」
「「はいっ!」」
ということで、俺は黒鮫隊を集結させる。ここで小夜叉にいくつか質問をする。
「ところで小夜叉。久遠の状況はどこまで知ってるか教えてくれないか?」
「ああいいぜ。殿なら一真の報告のお陰で、すんでの所で無事に朽木谷の方に落ちてったぞ。壬月や麦穂が守ってたし、多分逃げ切れてると思うぞ」
「そうか・・・・他の仲間たちは?」
「眞琴たちもうまく逃げてくのを横目で見たけど、松平とウチは前に出過ぎてて、逃げ遅れちまったんだ」
「松平!?小夜叉さん、殿は・・・・殿はどちらに!?」
「殿ぉ?『葵のことだ』ああ、葵の姉ちゃんか。わかんね」
「そんな・・・・」
「けど、あの鹿兜のガキも側に居たみたいだし、多分大丈夫なんじゃね?」
「小夜叉の言う通りだ。今、閻魔大王に聞いてみたが、葵たちは来ていないと言っていた。ということは、生きている可能性は大きい。信じた方がいいぞ、小波」
俺は閻魔大王にコンタクトをしてみた。神界とは違うが冥界にも俺の親友としている。その中の一人である閻魔とは酒友達でたまに冥界に行っては酒を飲んでいる。今の姿でも神界と冥界にいる神や閻魔や冥界の神と話せることは可能だしな。
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