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戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~

作者:黒鐡
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十五章 幕間劇
  兵からの相談事×行為への興味

本来だったら寝るはずだけど覚ました夜。黒鮫隊の陣営で休もうとしたが、落ち着かないのか。なので、夜の散歩をしている。適当に陣所内を歩いて行くと、通り過ぎる陣幕から兵たちのいびきが聞こえてくるけど。外に人影は全くない、トレミーでは夜勤のがいるからブリッジで俺たちがいるところを監視しているはず。で今いるのは、壬月の陣所。壬月の軍規は厳格だと聞く。用もなしに、夜中にぶらぶらする兵士がいたら即拳骨だろう。

「ん?あそこにいるのは」

遠目に見える陣幕の陰に一人の女性兵士がいた。格好からして馬廻り衆だろうか。

「・・・・・・・・・」

彼女は何故か、辺りをキョロキョロと見回すような仕草だった。仕草をしたあとに、陣幕の中へと姿を消した。あのような仕草はまさかな?と俺は間者かと思っていたけど、挙動がおかしかったしいしな。そう思いながら、気配を消して姿を透明にした。こういう時に限っては、本当に創って正解だったなと思うけどね。女性兵士が消えた陣幕に入ると、何か話し声が聞こえる。どうやら女性兵士のほかにもいるようだ。耳を澄ませるが何も聞こえない。相当声を小さくしているようだった。

「!」

「あっ!?」

壬月を探そうとしてたらいつの間にかいた女性兵士。あと透明と気配は解除したわけだが。

「お前、こんな所で何してる?」

「・・・・・・・!!」

話かけたら、彼女は顔を隠すように行ってしまった。あの顔は、頬が赤かったな。なんだろうな、一体。

「うん?誰だ・・・・一真様か?」

「あ、壬月」

「やはりか。ここは私の寝所だが・・・・。もしや夜這いに来たな。気の早いな。確かに、恋人になると宣言したが、未だ口約束だからな。正式に迎えてはおるまい」

「夜這いじゃないよ。なんか怪しい挙動をしていた者がおったから来ただけだ。話するなら中でしたほうがいいぞ」

壬月はそうだなといい、中に入ったあと、あの時いた者は間者ではないそうだ。

「まあ・・・・傍から見れば、怪しげだったろうな。人目を避けていたのは確かだろう」

「聞いてもよいのなら、聞いてやってもよいが」

壬月は腕を組んで、困ったようにしていた。戦には関係なさそうだと、一瞬そう言ったが事の次第によれば戦働きにかかわると。聞かない方がよさそうかなと思ったけどね。

「正直な所、私も困っていたところなんだ。助言はしておいたが、果たして力になれるか問題だがな。何しろ、己はその経験をしたことがない。したことがないのに、相談だけはよくされる。兵たちを預かる将の立場上、致し方ないことではあるが」

ふむ。壬月には経験がなくて、あの兵士には経験がある。もしかしてあれなのかな。もしそうだったら、俺から助言したほうがよかったのかもな。

「ああ、すまん。愚痴を言っても仕方がないな」

「いや、別にいいが。俺で力になれるなら、相談に乗っても構わんが。一人で悩むより人生の先輩である者に頼った方がいいと思うけど」

「ん・・・そうか?まあ、考えてみれば一真様なら、良い答えを持っているかもしれないな」

「なんでも言ってくれよ。で、何があった?」

「実はさっきの馬廻りは・・・・お子を授かったのかもしれんのだ」

「お子ってことは妊娠したのか?」

「そうだ。当人もはっきりとは分からないと申しておったが、このところ身体の体調を崩し、思い当たる節もあるそうな」

そういうことか。だから、あの子は俺を見たら顔を赤く染めたのかな。

「なるほどな」

確かに壬月には経験なくてあの兵士にはあるか。そのことなら納得だな。

「お子を授かったのがまことなら、腹が張るのを待つまでもなく、馬廻りのお役目にも関わってくる」

「そうだな。確信ならだけど、それで相談されたのね」

「うむ。いっそ、今のうちにお役目を下ろさせてくれないかとな。だが、まだ決まったわけではない。しばし様子を見てからと、この場を思い留まらせた」

「その判断はいいけど、俺に見させてほしかったな」

「一真様に見れるのか?」

「俺には見えない物も見える時があるからね。それに俺も医師として見てきたこともあるし、助言も出来たことかもしれないけど。ただ・・・・」

「ただ?」

「こういう相談はよくされるの?」

「まあな。戦の前の晩ともあれば、兵たちの間で行為をすることもよくあることだ。皆、死を覚悟して明日に望む訳だからな。その結果、お子を授かる女もいる。そしてどうしたものかと私に相談してくるのだ。知らん、と言いたいところだが、そういう訳にもいかないからな」

ふむふむ。というか、戦の前にするのか。情事というか、営みというか。まあ、そういうので相談を受けたこともあるからな、それに医師免許も持っているし。

「まあ、不得意な話ではないな。それは」

「一真様は、毎夜のごとく、久遠様や恋人たちと子を成す行為をしているのではないのかな?」

「確かにやってはいるが、子を成さないようにしている。行為はしているけど」

「子を成さないようにしているというのは、どうやってですかな?」

「所謂神の力なんだけどね。浄化という力で孕ませないようにしている。だけど、その力を使わないときは戦がない時に使うけどね」

今は戦の最中だ。今孕んだりしたら、大変なことになる。兵士ならともかく将ならな。それにこの時代は下克上だし。子孫を得たいというなら、その力は使わないけど。

「ならば、聞こう。一真様や兵たちは皆、子を成す行為にいそしむのだ?そんなにお子を授かりたい。それか、行為そのものに魅かれているからか?」

壬月の顔は冗談の顔ではなく真剣な顔になっていた。純粋に、不思議に思っていたようだ。

「壬月はそういう経験はないの?」

「ない。好いている男もおらぬしな。しいて言えば、一真様ぐらいか」

「ふむ。壬月が気になっているのは、どうして皆がそういう行為を好んでする事か?」

「そうだな。どうしてなのだ?」

「赤ちゃんを作るために行為をするのも一番だけど、それだけが大事っていう訳ではないからな」

「・・・つまり、一番ではないが、赤子を作るため以外にも、あの行為には楽しみがあると?どういった楽しみがあるのだ?」

「赤ちゃん以外に考えるのは、快楽や愛情表現といったことかな。男女との心や気持ちの通い合いとかで楽しみがあるんじゃないのかな。人は欲があるけれど、性欲もあることだ。性欲を発散したいこともあるしな。身体と身体が触れ合うというのも愛情表現だけど、壬月は好きな人から抱きしめられたいとか思わないか?」

「ふぅむ。なるほどな、だからか。でも、どうだろうな・・・」

壬月は難しい顔になって俺の顔を見る。何だろうな、この感じは。

「どうした?」

「考えているのだ。私が一真様に、この身を抱きしめられたいと思っているかどうか・・・」

「ふむ。そう見つめられると緊張するな」

「顔が赤いな。照れているのか?」

「そりゃね。そんなにジッと見られるとな、近くで顔を見られたら・・・・」

壬月は無言になってしまったが、この感じは慣れないもんだな。人生の先輩でも、好きな人が見つめてきたらドキッとするな。奏や桃香たちもだけど。

「なんとなくだが、一真様の言っていることが分かってきた。そうだな、好きな男と共にいるとその腕に、抱きしめられてみたい・・・・そんな気持ちになってくる」

「壬月・・・」

「それで一真様は抱きしめたあと、次は何をする?」

「次?」

「そうだ。一真様は経験者だからな、教えてくれ」

クスクスと喉を鳴らしながらも、壬月の瞳は熱くなり、吐息もどこか艶っぽい。

「次ね、キスとか」

「きす?」

「ここでいえば口づけ、いや接吻か」

「ああ、接吻か。口を吸い合うあれだな?そうか・・・・好きな男に抱きしめられた女子は、次に接吻を求めるんだな」

壬月はしばらく無言になってしまったが、分からんだそうだ。そんなことをして、いったい何が面白いのかと。

「聞くより実践の方が早い気がするが。試してみるか?」

「まだ恋人同士ではあるが、やってみる価値はありそうだな。やってみてくれ、あとその次もな」

と言って、目を閉じた壬月は静かにキスをした。

「ん・・・・・・んんっ・・・・・・ふっ・・・・」

「ん・・・・」

唇が触れた瞬間、壬月の肩が震えたけど。

「んふ・・・・・・ふぁ・・・・っ」

初めての感触に戸惑った声を出す。でも、顔を背けたりせずにしているからありがたいけどな。しばらくキスをしていたけど、長いと思ったがまあいいだろうとな。奏や桃香たち、それに久遠達とも行為をする前にキスをしたけど。柔らかくて、弾力があった。軽く擦れ合うたびに唇から漏れる吐息が、身体を熱くさせる。そしてそのあと小鳥キスのように、音が鳴る。そして、しばらくしてから壬月の唇を強引に開けて舌を入れた。

「ぷぁっ・・・・ふぁ・・・い、今?」

これにはさすがの壬月でも驚くが。俺は驚かないけど。

「嫌だった?」

「ぇ・・・い、嫌ではないが・・・驚いた。今、お主の舌を私の口に入れたのか?」

「まあな。気持ちが高ぶるとこういうこともする。ディープキスともいうが」

「ふふ・・・私の気持ちも高ぶっていると?」

「それは壬月次第だけど」

「んっ・・・・続きをしてくれ」

俺に身を委ねて肩の力を抜き、また唇を可愛く尖らせる。しばらくやると、今度は壬月も俺のに舌を入れてきた。ほう、そう来たか。えーと、音声は切っているから状態だけを伝えると、舌を押し込み、俺の注いだ唾液を自分の物と混ぜて送り返してくる。

「悪い、ちょっと長すぎた」

「私が頼んだのだ、謝る必要はない。夢中になるのも仕方がない。接吻・・・いや、きすとやらが、これほど心地良いものだったとはな」

余韻に浸るようにつぶやき、壬月はさっきよりも増して艶が上がってきたな。そして次はと聞かれてしまったので、このまわりを防音と人払いの結界を張り壬月と情事をした。簡易的なベッドを創造して創り、壬月をそこに寝かせながらも行為は続いた。言葉で説明するなら、キスのあとに互いの体を愛撫し、乳房や乳首、尻などを刺激する行為をしてから前戯を終えてから挿入した。そして、腰を振ってしばらくしたあとに出した。終わったあとに、俺は浄化をさせてからまるで風呂に入ったかのようにしてから服を着始めた壬月。

「・・・・いかんなぁ、いかん。これはまことにいかん。これは溺れる」

「とか言いながらも快感してたろうに。それにこれは壬月が教えろと言ったから教えた行為だぞ」

「そうだな。ふふっ・・・・だが、これは本当に駄目だ。溺れる、人を堕落させる」

「そうかもな。夫婦になったら普通にやってるよ。夫婦の営みともいうが」

あー、これで何人目だろうか。戦国武将とやってしまったことは。でも壬月はすこぶる上機嫌だったけど。

「さて・・・」

簡易ベッドから立ち上がろうとしたとき、バランスを崩しそうになったので支える俺。ちなみに結界はもう解除している。そして、しばらくしてから俺は簡易ベッドを消滅させたあとにお休みと言ってから出た。 
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