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転生とらぶる

作者:青竹
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マクロスF
  0759話

 S.M.Sの食堂で昼食中、TVにシェリルが映し出される。微妙に派手な衣装を着ながら歌っているシーンだ。ただし、その歌っている場所は以前のような巨大なコンサート会場という訳では無い。街中の、まだバジュラの襲撃によって破壊された瓦礫が片付けられていない場所だ。
 あの戦いの後で土建屋が大急ぎで瓦礫の片付けを行っており、更には新統合軍までもがそれを手伝ってはいるのだが、何しろ数万匹、数十万匹、あるいはそれ以上の規模のバジュラがアイランド1内で暴れたのだ。当然その被害は莫大なものになっており、この短時間で全ての瓦礫が処分されてる訳でも無い。
 そんな中、住む家を失った住民達を励ます目的でシェリルがライブを行っているのだ。……あのエルモとかいう男が俺とシェリルの家に来てから数日。……たった数日で既にシェリルは再び周囲からの注目を浴びるようになってきており、更にはこうしてニュース番組にも取り上げられるようになってきている。
 不思議なのはシェリル本人も言っていたが、以前よりもシェリルの体調が落ち着いて来ているということだ。勿論V型感染症が快復に向かっている訳では無い。今も徐々にではあるが病状が悪化してきてはいるのだが、熱や咳、身体の怠さといった風邪に良く似た症状が出る筈の薬の副作用が殆ど出ていないのだ。
 この件に関しての理由は不明だが、その不明というところから俺が何らかの原因では無いかとシェリルの検査をしたカナリアが言っていた。
 ……まぁ、オズマ達に俺の正体を知らせた後で同じスカル小隊、更には医療兵という事もあって俺の正体を知らされた時には検査をしたがっていたカナリアだからな。そう思うのは無理も無い。
 それに実際、俺が原因である可能性は高いんだよな。……シェリルの体調が落ち着いたのは俺と一緒に暮らし始めてから。もっと具体的に言えば、俺が抱いてからという事になる。となると、恐らくその辺が関係しているのは間違いなさそうではあるが……さすがにそれを喋る訳にもいかない。

「最近、また良くシェリルを見るようになってきたよな」
「ああ、あいつだろ? スカル小隊のアクセルとかいうパイロットと付き合っているとかなんとか」
「いいよなぁ。マジ羨ましい」
「にしても、最近シェリルの歌の感じが違ってきているような気がしないか? 具体的にどこがどうとは言えないんだけど、何と言うか艶が出て来たと言うか……」
「あ、分かる分かる。俺もそう思ってたんだよな。それに、フロンティア船団に来た時のシェリルの歌も良かったけど、 今の方が断然いいよな」
「艶、ねぇ。それもやっぱりアクセル大尉と付き合ってるからなんだろうな」

 そんな風に聞こえて来る会話を聞きながら、昼食を片付けていく。

「ふふっ、アクセル君も意外な意味で有名人になりましたね」

 パスタとサラダが乗ったトレイを持ちながらルカが俺と同じテーブルに着き、そう声を掛けてくる。

「シェリルの知名度を考えれば、この程度はしょうがないんだけどな。まだ嫉妬されたファンに襲撃されないだけマシだよ」

 もっとも、実際に襲撃してきたとしてもどうにかなるような事は無いが。
 そんな風に考えている俺の向かいに座ったルカが、ミートソースのパスタを食べながら笑みを浮かべる。その嬉しそうな笑みは、ルカ自身の幼い容貌もあって見ている周囲までほんわかとさせるものがあった。
 ……それはいいんだけど、何でこんなに上機嫌なんだ? 何かいい事があったようにしか……
 そこまで考え、ふと先程のルカの台詞を思いだす。いつもその辺に関してはあまり突っ込んでこないルカにしては、珍しく俺とシェリルの関係を仄めかすような事を口にしていた。つまりは、そっち関係でルカにも何かあったのか?

「あのナナセとかいう女と進展があったのか?」

 ぶほぉっ!
 俺がそう尋ねた瞬間、口の中に入っていたパスタを吹き出しそうになるルカ。反射的に手で口を押さえたから良かったようなものの、もしそれが一瞬でも遅れていれば周囲は惨憺たる光景になっていたのは間違い無いだろう。

「げほっ、げほっ、い、いきなり何を言うんですか! そんな、僕とナナセさんは……確かにナナセさんはランカさんの件で色々と心配していますけど」
「ん? 違ったのか? 珍しく俺とシェリルの事に口を出しているから、てっきり」

 そう言いながら、周囲を見回す。今までは俺の存在に気が付かなかったS.M.Sの社員がこっちを見ながらギョッとした表情を浮かべていた。……まぁ、無理も無い。ついさっきまで俺とシェリルの件を噂していたんだからな。
 取りあえずそんな周囲の様子を無視し、水を飲んでようやく落ち着いたルカへと声を掛ける。

「で、何でそんなに上機嫌なんだ?」
「けほっ、けほっ、……それに関しては秘密です。とは言っても午後から行う予定のミーティングで発表出来ると思うので、もうちょっと待って下さい。きっと驚きますから」

 幼い容貌に笑みを浮かべながらルカはそう告げる。……こうしてみると、ネギ辺りとそれ程年齢が変わらないように見えるな。まぁ、それでも背の高さを考えるとさすがにルカの方が上なんだが。
 そんな風に考えつつ、残っているハンバーガーとフライドポテトを口の中に収めていく。
 1人前にしては随分と量の多い軍人仕様のハンバーガーだが、生憎と俺にしてみればおやつにちょっと摘まむ程度の量しか無いのでルカが食べ終わる前には食い終わることになる。それからデザートと食後の紅茶を飲み、2人揃ってブリーフィングルームへと向かったのだが……

「おいおい、これはちょっと予想外だったな」
「あらん、アクセルったら。私に会えて嬉しいのは分かるけど、もう少し素直になったらどう?」
「……何でブリッジクルーも揃っているんだ?」

 小指を立てながらシナを作るボビーに、思わず溜息を吐く。
 いや、悪い奴じゃ無いというのは知ってるんだよ。自分の趣味をこっちに押しつけてくるような事は無いし、同時にその好意が向いているのはあくまでもオズマのみだし。そのオズマにしても嗜好的にはキャサリンと付き合っているのを見ればノーマルだし。ただ……どうしてもこうしていきなり現れると1歩引いてしまうのは事実だ。

「何でもバジュラに対する効果的な対策が出来るようになったとかで、ブリッジクルー全員が集められたのよ」

 褐色の肌と白目の少ない黒い瞳が特徴的なミーナが、こちらを見ながらそう告げてくる。その隣にはモニカとラムの姿もあり、いつものブリッジクルー3人娘が勢揃いといったところか。
 そんな風に考えながらブリーフィングルームの中を見回すと、アルトやミハエル、カナリア、そしてピクシー小隊の面々の姿もある。
 オズマの姿が無いのはまだ来てないからか? いや、キャサリンの姿も無いとなると、恐らくジェフリーと何らかの話し合いをしているのだろう。

「で、その対策ってのがお前がさっき言ってた事か?」
「そうです。ただ、詳しい説明はもう少し待って下さいね。一応機密ですから」

 ……へぇ、随分と自信のありそうな笑みだな。余程の事があると見える。
 そんな風に考えていると、再びブリーフィングルームの扉が開き、この場にいなかったオズマ、キャサリン、ジェフリーが姿を現す。

「時間にはまだ少し早いが、どうやら皆揃っているようだな。では座ってくれ。早速会議を始めよう」

 シェフリーの言葉に従い、俺とルカもアルトとミハエルの近くの椅子へと座る。
 同時に、ブリーフィングルームの前へと出て行くジェフリー、オズマ、キャサリン。

「さて。今日集まって貰ったのは他でもない。バジュラに対抗する為の装備が色々と出来上がってきたのを報告する為だ。ルカ・アンジェロー二准尉、前へ」
「はい」

 俺の隣に座っていたルカが小さく返事をし、前へと出て行く。そしてキャサリンが操作したのだろう。部屋の中が若干薄暗くなり、同時に映像スクリーンへと狙撃銃のような長い砲身を持つガンポッドと、それを切り詰めて今までオズマやアルト達が使っていたのと似たような大きさのガンポッドが映し出される。

「バジュラ対策についてですが、現在スカル2が使っている重量子ビームガンポッドを小型化したもの、ようはスカル4のアクセル君がYF-29で使っているものですね。これを多少簡易化したものをスカル小隊、ピクシー小隊へと配備します。ご存じの方も多いと思いますが、重量子ビームというのはマクロス・クォーターが使っているマクロスキャノンと同じ原理の武器であり、現在バジュラに効果のある数少ない武器です」
「ちょっと待って欲しい。そうなると、私のVB-6はバジュラに対して有効な武器が無いままになるが?」

 話を聞いていたカナリアが声を上げる。
 それを聞いていたルカは、小さく頷き手元の機械を操作。スクリーンに映し出されるのが、重量子ビームガンポッドからミサイル弾頭へと変わる。

「確かにVB-6ではこの重量子ビームガンポッドは使用不可能です。その代わりと言う訳では無いですが、カナリア中尉のVB-6にはこのミサイル弾頭を積んで貰います。MDE弾頭。L.A.Iが開発した新型の弾頭で、バジュラの体内から取れるフォールドクォーツの粉末を使用して作られた弾頭となります。命中すればディメンジョンイーターのように空間その物を抉り取るので、バジュラに対しても効果は絶大ですね。同時に、スカル小隊、ピクシー小隊の使う全ミサイルがこのMDE弾頭へと変更となります」

 ……なるほど。確かにディメンジョンイーターの小型版ともいえる効果を持つのならバジュラに対しても効果はあるだろう。……だが、それでは……

「いずれ向こうに適応されて、反応弾と同じ結果になるんじゃないのか?」

 そう。ミハエルが言ったように、その可能性が高い。重量子ビームにしても現在は効果があるが、それがいつまでも続く訳では無い。被害が出れば、それだけ奴等の方で対応する速度が上がってくる筈だ。
 だが、そんなミハエルの問いにルカは自信ありげな笑みを浮かべて頷く。

「確かに普通に考えればそうです。ですがミシェル先輩もご存じの通り、バジュラが情報をやり取りしているのはフォールド波によってです。つまり、バジュラが僕達と戦ったデータのやり取りを次の世代に反映させる為には、どうしてもフォールド波を出す必要があるんです」
「……まぁ、今までの話を聞いてる限りじゃそうだろうな」

 この辺は既知の出来事だ。だが、そのフォール波をどうにかするにも……おい、ちょっと待て。
 そこまで考え、ふと思いつく。既に見知っているフォールド波について説明しているという事は、つまりそれを覆す何かが出来たから。それは……

「バジュラのフォールド波を妨害する事が出来るのか!?」

 俺と同じ結論に至ったのだろう。ミハエルが驚きの表情を浮かべながらそう叫ぶ。
 そして、同時にその言葉を聞いていた他の者達がざわつき……

「はい、そうです。L.A.Iの方でフォールドジャミングシステムとでも言うべきものの開発に成功しました。ただし、半径200km程度の広さしか効果はありませんけど」
「……確かにフォールド波をジャミング出来るのはいいけど、その割には範囲が狭すぎないか?」

 そう告げたのは、アルト。ドッグファイト用のVF-25Fを使っているアルトにしてみれば、戦場となった宙域を縦横無尽に飛び回りながらバジュラと戦闘になる。そんな状態での半径200kmというのはかなり狭く感じるのは無理も無い。
 逆に、一ヶ所に留まって狙撃をするVF-25Gのミハエルにしてみれば、半径200kmというのはアルト程に不便は感じないだろう。

「確かに狭いと感じるかもしれませんが、これでも開発当初に比べると効果範囲は倍になっているんですよ。本来の仕様書通りなら半径100km程度だったんですから」
「……半径が倍になったんなら、それを更に広げるというのは無理なのか?」
「さすがに無理です。今の性能に関しても、バジュラから得たフォールドクォーツにある程度の余裕があったからこそ出来た事なんですから」

 溜息と共に吐き出されるルカの言葉に、思わず溜息が出る。
 それを気にしたのだろう。今まで黙っていたオズマが口を開く。

「とにかくだ。この半径200km圏内での戦闘でバジュラを全滅させる事が出来れば重量子ビームもMDE弾頭も奴等に適応される心配は無い。いいな、次にバジュラが出て来たら、そしてジャミングしたら必ず全滅させるようにしろ。1匹にでもこっちのデータを持って帰らせるな。その1匹を逃せば、それがフロンティア船団に対しての致命的なダメージになるかもしれないと覚えておけ。ああ、それと……」

 そこで言葉を止めたオズマは、視線をアルトの方へと向ける。

「スカル4がYF-29に乗り換えた事により、トルネードパックが開いた。このトルネードパックをスカル5に使わせる事になる」
「俺が!? ちょっと待って下さい! トルネードパックって言ったら、性能的には攻撃力特化とも言えるオプションパックなんだから、隊長の方が……」
「それも考えたが、俺の戦闘スタイルを考えるとアーマードの方が合っている。かといってスカル2は狙撃仕様、スカル3は電子戦仕様の機体だ。そうなると開いているのはお前だけなんだよ」
「けどっ!」

 そこで更に何かを言い募ろうとして途中で止め、目と目でオズマと会話するアルト。
 ……間違いなくランカの件だろうな。

「了解、トルネードパックは俺が使わせて貰います」

 その言葉で新装備についての話は終わり、それ以後はジェフリーからのグレイスやキノコについての情報やら何やらでブリーフィングが終わるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:685
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:1394
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:976 
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