転生とらぶる
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マクロスF
0758話
アルカトラズの襲撃とランカの誘拐、それを行ったグレイスやキノコの逃亡とS.M.S含むフロンティア船団の失態としか言えない出来事が起こった翌日。いつものようにシェリルと一緒に朝を迎えた俺は、朝食を済ませた後で気分転換に出掛けるというシェリルと共に街中へと出て、軽いデートをしてからL.A.Iへと向かっていた。
シェリルは今頃街中で気分転換をしているんだろうが……妙な騒ぎに巻き込まれていないといいんだけどな。
「アクセル君、待ってました」
昨日と同様に会社の前で待っていたルカと共にYF-29が収容されている格納庫へと向かった。向かったのだが……
「ルカ、これは一体どうなっているんだ?」
目の前にあるのは、間違い無くYF-29である。それは確実だ。だが昨日俺が乗った状態に比べると随分とその外見が変わっている。まず1番印象が違うのは、その特徴的な前進翼だろう。翼の左右先端にどのような機能を持っているのか分からない機器が設置……いや、違うな。機器が備え付けられているのは確かだが、他にもマイクロミサイルポッドが組み合わせられている。そして前進翼の中間辺りにあった旋回式エンジンポッドを覆うようにして何らかの装備が備え付けられており、主翼後部、MDEビーム砲が内蔵されている場所の近くにはブースターらしき物が増設されている。
……そして何よりも前日と違うのは機体色だろう。昨日までは赤と白の配色だったそれが、黒をベース色に塗り直されており、そこに赤いラインが入っているという、まさにニーズヘッグを想像させるような色に変わっていたのだ。
「何って言われても……以前アクセル君が言ってたような色に塗り直しただけだけですよ? 後、機体に関してはようやく完成したんです。今までのは完璧なYF-29じゃなくて、これが完璧なYF-29デュランダル。ちなみに追加されているのはオプションパックのスーパーパックです」
「……なるほど」
今までの機体が完璧じゃなかったと開発していた本人達が言うのだから、それは事実なのだろう。機体色に関しても確かに以前そのような事を言った覚えがある。それを考えれば、ルカを攻めるのは筋違いでしかない。
「確かにYF-29が強くなるのならパイロットとしては大歓迎だな」
そう気を取り直して、改めてルカからYF-29へと視線を向ける。
にしても、今更だがYF-29か。マクロスプラスのイサムが乗っていた機体がYF-19だったのを考えれば、微妙に感慨深いものがあるな。年代的にも戦闘で殺されていない限りはイサムはまだ生きている筈だ。
後で探してみるのもいいかもしれないな。
「あ、それと頭部のビームバルカンに関してですが、こちらも2門だったのがS型と同様の4門に変更されてます」
「……よく一晩でそこまで出来たな」
スーパーパックの追加に、頭部の変更。ルカ自身も昨日は戦闘続きで疲れていただろうに、よくここでまでやったものだ。そう思って声を掛けたのだが、返ってきたのは唇を噛み締めて悔しそうにしているルカだった。
「昨日、ランカさんを助けられませんでしたからね。……ナナセさんに堂々と顔を見せるには、どうしても……」
なるほど、そう言えばルカが熱を上げている女……確かキノコが大統領の暗殺未遂を起こした時一緒にいた眼鏡を掛けた女は、ランカの親友だとかいう話だったな。その辺の関係か。いざグレイスやキノコ達と遭遇した時、妙に力を入れすぎなきゃいいんだが。
「それに、ランカさんにはバジュラの件で聞きたい事もありますし。絶対に助け出さないと」
ポツリ、と呟くルカ。バジュラの件で? ランカの歌がバジュラに混乱させる件で何か進展があったのか?
そう思って尋ねようとしたのだが、小さく頷いたルカはそのまま黒と赤に塗り替えられたYF-29へと視線を向ける。
「取りあえず最終調整を始めましょう。VF-25と比べると段違いに反応速度や機体の追従性は上がってますから。……と言うか、そっち方面を上げ過ぎた為か、L.A.Iのテストパイロットじゃ反応が過敏すぎてとても乗りこなせないようになっていますし。データに関してはシミュレーターに入力済みですので、まずはそちらで調整をお願いします」
そんなルカの声に押されるようにしてシミュレーターに乗せられ、早速シミュレーションを開始する。
まず最初に行ったのは、普通に機体を動かす事だ。前進し、曲がり、あるいはガウォークになりながら、時にはバトロイドになりながら機体を動かしていく。そのまま30分程が過ぎた頃だろうか。通信装置からルカの声が聞こえて来る。
『基本的な動作に関しては問題ありません。……まぁ、既に実戦に参加している機体なので今のは念の為みたいなものですね。……それでアクセル君、機体の反応速度や追従性に関してはどうでしょう? 少なくてもVF-25よりはいいと思うんですが』
「そうだな、こうして操縦してみる限りではVF-25よりはマシになっている」
『マシ……ですか。現状でもアクセル君以外にはもう殆ど動かせない状態になっているんですけどね』
「まぁ、それはしょうがない。元々人間が操縦するように作られている機体なんだからな。どうしても俺の反応速度にはついてこれないさ」
以前なら俺が混沌精霊なんて種族だとは言えなかったが、今ならはっきりと言える。……とは言っても、さすがに俺の秘密を話した親しい相手だけだけどな。
このYF-29にしても、ルカが言う通り普通の人間にしてみれば反応が過敏すぎるんだろう。だが、俺にしてみればVF-25を幾らかマシにした程度の差でしかない。もう1つの俺の身体とも呼べるニーズヘッグとはさすがに比べるべくもないのだ。
そんな風に考えながらメニューをこなしていき、基本的なデータの収集が完了して次のメニューへと入る。
『次はバジュラが出て来ます。回避の際のデータを少しでも多く収集したいので、申し訳ありませんがアクセル君は反撃しないで回避に集中して下さい。どうしても回避出来ないようなら防御でもOKです。まずはもっとも機動性と運動性の高いファイターから』
「了解」
先程までガウォークで動かしていた機体をファイターへと戻し、やがて画面には機動兵隊バジュラと重兵隊バジュラの2種類が1匹ずつ姿を現す。
早速とばかりに放たれるミサイルや弾丸、ビームをYF-29にスーパーパックで追加されたブースターを存分に利用しつつ、上に下に、左に右にと回避していく。
まだまだ調整途中の為、そして俺自身がVF-25に長く乗っていた為に微妙に感覚が合わないな。……前回のバジュラ襲撃時や昨日の戦闘で大分慣れてたんだが、調整が進んでスーパーパックを装備してとかなり違う機体になっているので、その辺に合わせるのもまた最初からやり直すことになっている。
それでも、シミュレーションとは言ってもこうして機体を動かしていると大分機体の反応にも慣れて来る。
そのまま10分程ひたすら回避行動を続けていただろうか。やがてルカから溜息と共に通信が入る。
『はぁ、全く本当にどんな反射神経してるんですか。魔法のある世界、ネギま世界でしたっけ? そこに行けば誰でもこんな身体能力を得られるものなんですか?』
「どうだろうな。向こうだと色々と規格外の人物がいるのは事実だから、人によるとしか言えないな」
『……でしょうね。そのネギま世界とやらにいる人達全員がアクセル君と同等の身体能力を持っていたりしたら絶対に僕は行きたくないですし』
「それはそれで面白そうだけどな」
魔法世界の住人全てが混沌精霊の俺と同じ力を持っているとか……まさに色々な意味で混乱をもたらす世界だろう。火星のテラフォーミングもあっという間に終わりそうだ。
『止めて下さいよ。……それはともかく、次はFCSの調整に入ります。標的を出すので、武装を順番に使って破壊していって下さい』
心底嫌そうに呟き、同時に標的が現れる。まずは重量子ビームガンポッドを通常時のビームガトリングで撃ち、次にバーストモードのビーム砲を。そしてMDEビーム砲、続いてマイクロミサイルランチャーを撃っていく。バトロイドになり、ピンポイントバリアを纏ったアサルトナイフを突き刺し、同時に頭部4門のビームバルカンを命中させる。
その後もガウォークになったり、ファイターになったり、バトロイドになったりしながら各種武装を使って敵を攻撃し、同時にフォールド・ウェーブシステムを使って機体から光の粒子を溢れ出させる。……何か微妙にニーズヘッグのT-LINKフレームを使った時の状態に似ているな。もっとも、向こうは深紅の粒子なのに対してこっちは黄金の光だけど。……ここまで俺に似合わない色ってのも珍しい。いや、単純に俺が赤と黒に見慣れているからか?
『データ取り終了です。この後は取れたデータを機体に反映させるので、その間に昼食を食べてきて下さい。午後からは実機を使って調整しますから』
「実機を? いいのか? 今は色々と厳しいだろ」
何しろ、グレイスやキノコがフロンティア船団を脱走していった昨日の件がある。それを考えれば、周囲の警戒を厳しくしているのは間違い無い。……それが無くてもバジュラの警戒とかがあるしな。
『大丈夫ですよ、何しろ僕達はこのフロンティア船団の最精鋭部隊ですからね。バジュラが来た時の切り札的な意味もありますし、なによりもアクセル君の乗っているYF-29は最優先で調整するようにジェフリー艦長から言われてますから』
「なるほど、なら問題は無いか。じゃあ、こっちの件は頼んだぞ」
『ええ、昼食に関しては話を通してありますので好きなだけ食べて下さい』
「……へぇ」
ルカの言葉に笑みを浮かべ、格納庫を出て食堂へと向かい……1時間程食事を食べ続けるのだった。
尚、料理の味はさすがにL.A.Iと言うべきか非常に美味だったことだと言っておこう。
その後俺の食べた量を見て冷や汗を流したルカと共に午後からは実機での調整を行い、夕方くらいまで掛かってようやく調整を終わらせる。
で、マンションに戻った俺を出迎えたのは……
「お願いします! シェリルさんのマネージャーを私に任せて下さい!」
何故かそんな風に言いながら土下座をしている中年の男。紫色の髪にサングラスをしているその姿は、どう見ても怪しい人物だ。
と言うか、だ。
「何でシェリルのマネージャーをするのに、俺に土下座をするんだ?」
「あら、だって今のあたしはアクセルのこ・い・び・となんだから、当然じゃない?」
「そもそも、何だってこんな事に?」
「ちょっと買い物の途中で気が向いてグリフィスパークの丘で歌ってたら、この人が居合わせてね」
それでこの状況、か。
真剣な表情で尋ねているように見えるが、その目に浮かんでいる悪戯っぽい輝きはどう考えてもこの状況を面白がっているのが丸分かりだ。
だが、この男……ふざけているような態度を取っているが、身のこなしは素人じゃないな。何らかの格闘技経験者か、あるいは元軍人か? それも相当に凄腕の。
そんな風に思いつつ、溜息を吐きながらどうするか迷う。
いや、迷う必要は無いんだよな。シェリルの事なんだから、俺がどうこう言う前に既にきっと歌うと決めているのは事実だろう。ここ暫くはV型感染症を含めて休養期間的な意味で俺と一緒に過ごしていたが、元々シェリルは音楽の申し子と言ってもいい程の才能の持ち主だ。それを考えれば、ここで足踏みする訳がない。
「もう決めてるんだろ?」
「あら、分かっちゃった?」
「当然だ。俺を誰だと思っている、シェリル・ノームの恋人だぞ? ……ああ、そうだ。エルモとか言ったな」
「はいぃっ!」
土下座をしている体勢から頭を上げて俺へと視線を向けて来る男。
……色々と怪しげな男であるのは事実だが、シェリルに対しては純粋にその歌声に惚れたといった雰囲気を感じさせる。……何だか妙に俺を怖がっているようにも見えるが、恐らく実力差を感じ取っているんだろう。
「シェリルは色々と訳ありだ。それでもマネージャーをやりたいと?」
「そうです! シェリルさんがグリフィスパークの丘で歌っている歌を聞いた時、ビビビッと来たんですよね。以前ランカちゃんに感じたものが!」
「……ランカ?」
何でここでランカの名前が出て来る? そんな風に思った俺を見て何を疑問に思ったのか理解したのだろう。シェリルが口を開く。
「彼、前はランカちゃんのマネージャーをやってたんですって。でも、政府のプロジェクトでグレイスにその座を奪われたらしいのよ」
「なるほど」
まぁ、ランカについてはキノコとグレイスが手を結んで色々と暗躍していたんだ。歌手に影響を与えるマネージャーの座をそのままにさせておくという事は無いだろうな。
「はい、ランカちゃんは今ちょっとした事情で忙しいらしいですが……きっと頑張って歌っている筈です」
この台詞で、現在のランカがどんな状態になっているのかは推測出来る。まさか希望の歌姫が誘拐されたとも言えないので、何らかの理由を付けて表に出てこられないとしているのだろう。
「ま、これ以上俺が何かを言う必要は無いさ。シェリルも思う存分歌ってくれ。……ただし、恋人関係がNGだとかは無しにしてくれよ?」
「ふふっ、任せておきなさい。そっちの件もきちんと了承済みよ。ねぇ?」
「はいはいはいはいはい。勿論ですとも。その辺についてはこちらできちんと対応させて貰います。ただちょーっとですね。お二人でデートに出掛ける時は変装とかをして貰えると……」
「その辺はいつものことだしな」
「そうね」
こうして、翌日から再びシェリルの歌手活動が始まる事になるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:685
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:1394
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:976
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