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凡人? 天才? それとも……。

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第七話【懐かしきあの頃】

 
前書き
第六話続きです!
多分次から本編(?)にはいれるかな? 

 

 ――と思った俺がバカだったぁーっ! 
 現在、俺は男子トイレで一仕事を終えたのであった。なにがあったと言うと、一気に友達が増えたことを喜んでいた俺はこのまま、今日という日がいい思い出になると思っていた。だが、神様はそれを許してくれなかった。そして俺にとって、今日という日を嬉しいような、悲しいような日にしたのだった。
 俺がギャルゲーを一通りクリアした快と新しい友達の加藤君と加藤君おすすめのジュースを飲んでいた時のことだった。
 交流会フィナーレは最高潮に達していた。元々ノリの良いクラスだったし、馴染みやすかった。今日の交流会の御陰でクラスはさらに打ち解けあって、仲良しグループの輪も広がっていた。
 そんな、一つの仲良しグループがじゃんけんで負け人が勝った人たちの言うことを聞くと言うゲームをやっていた。高校生になって恥と言う言葉を知っている、その仲良しグループは変態的な命令は一切出さなかった。しかし、告白とか、好きな人を教えろ。などの幼稚な命令は冗談で出していた。
 そこに一人のクラスメイトが冗談半分で十回回って、その場で十秒ストップしてみてよ。と言う命令を出した。命令を出されたクラスメイトは命令通りに十回回って、その場にストップするが四秒ぐらいでその場から動く。これは無理。と言って座り込む。すると見ていたクラスメイトが、出来るだろ。と言ってチャレンジし出す。そして、ラスト二秒のところでその場から動く。これは無理、本当に無理。吐く。と言って座り込む。ラスト二秒だったし、頑張れば出来る。と言って三人目がチャレンジする。一人目にやったクラスメイトが、吐くな。と忠告して、二人目にやったクラスメイトも、ゴミ袋用意しとく。と言って万が一のためゴミ袋を用意する。
 そんな様子を見ていると急に昔のことを思い出いた。小学校の給食の時のことである。ある一人の友達がリバースした。その時のゲロが何故か今、鮮明に浮かび上がってくる。さっきから治まってきていた、あのモヤモヤが急に盛り返しって来る。これはやばい。と思って快や加藤君に、ちょっとトイレ。と言って全力で男子トイレを目指す。不幸中の幸い、男子トイレはB組の教室から案外近かった。そして、和式、洋式関係なしに適当に入って、リバースする。
 リバースが終わって、洗面台で手を洗い、口を濯いでB組へ向かう。
 最悪、今日は食欲ゼロだな。今日に限って夕食が大好きなグラタンだったりして。
 余計な心配をしながら鏡で自分の顔色をチェックしていると、近くの階段の方から人の声が聞こえる。なにをしているのかな? と興味本意で覗くと、階段の二階と三階の間にある踊り場に凛と見知らぬ学生がいた。
 凛な奴、あんなところでなにを?
『そろそろ、返事をしてくれてもいいんじゃないか。僕は君が欲しいんだよ』
「前々から断っています。それに今日、先輩は休みですよね」
 先輩? と言うことは年上か、様子から察するに告白か? でも、ちょっと雰囲気が違うような。
『休みを削ってまで来たのにそれは酷いよ』
「すみません。でも、あなたとは付き合えません」
 やっぱり、告白か? でも、なんにせよ。凛が付き合わない。っぽい、ならばそれで良し。って、なに勝手なこと言っているんだ、俺は。凛が付き合おうが付き合わないだろうと凛の勝手だし、もう昔に凛のことは諦めたはずなのに……。
「もういいですか? クラスに戻らないといけないので」
 会釈をして立ち去ろうとする。凛の細腕を先輩らしきものが掴む。
 あいつ、気安く凛に触れるんじゃねぇ! 
 付き合ってもいないのに嫉妬のせいからか怒りが込み上げてくる。
『もうちょっと。居てくれてもいいじゃないか?』
 凛は強引に先輩の腕を引き払い、睨み付ける。
『そんな、怖い顔をしないで。ほら、にっこり。君には笑顔が似合っているんだから。それに、僕の何処が嫌いなの?』
「嫌いというか、それ以前に。私、先輩以外の他に好きな人がいるんです。だから先輩とは付き合いません、絶対に」
 凛はそう言うと階段を登り出す。先輩の方はさっきまでの強気が嘘のように呆然と立ちつくしている。
 無様。って、人の不幸を喜んでいる場合じゃない。やばい! 上がってきた。どうしよ、どうしよう。そうだ!
「あれ、大地。なにしているの?」
「見りゃ、分かるだろ。トイレから出てきて手を洗っているんだよ」
 俺が考えた方法はトイレから出てきて偶々出会ったことにする事だった。
「ふーん、そっか」
 凛は差して興味なさそうに言うと、教室帰るわよ。と言って前を歩く。
「凛はなにをしていたんだよ」
 いや、めちゃくちゃ知っていますけど。
「別にジュース買いに行っていただけよ」
 凛は、誰かに聞いくことを予想していた様にポッケトから缶のレモンティーを出す。
 おい、準備周到過ぎるだろ。
「アンタって、向こうの学校で付き合っていたりした?」
 えっ、ちょっ、それを今聞く? うーん。事実を言えば付き合ったことはないけど、それをすんなり言うのはちょっとプライドが……。って、顔近い! 
「り、凛。急にどうしたんだよ。そんなことき、聞いて第一……」
 俺が向こうの学校行っている間に付き合ってなかったのかよ。とは怖くて聞けなかった。
「別に。どうせモテなかったんでしょ?」
 凛は少しばかり嬉しそうに言って顔を離す。
「はいはい、そういうことにしときますよ」
 投げやりな態度で言う。
「そう言うことってどど、どういうことよ。い、いたの? いなかったの?」
 教えるかよ。と言って凛を抜かす。ねぇ、いるの? いないの? どっちなのよ。と言って凛が追いかけてくる。
「ご想像にお任せしますよ、凛さん」
 なんだか、この懐かしいやり取りが楽しいと思もえた。
「なににやにやしているのよ。この変態」
「にやにやとかしてねぇよ。ちょっと、懐かしいなと思って」
 厚かましい? と聞き間違えて凛が聞いてくる。違う、懐かしい。と答える。
「なにが懐かしいのよ。アンタ、向こうの学校でのことでも思い出していたの?」
「違う、このやり取りが懐かしいんだよ」
 このやり取りね。と凛が顔を顰める。なんか文句あるのかよ? と聞く、別に。と愛想なく答える。
「アンタさ、転校する前の日のこと覚えている?」
 転校する前のことか。そう言えば、凛の家でお別れ会的なことしたんだっけ。
「覚えているよ。確か凛の家でお別れ会開いてくれたんだよな、小学校の友達数人と」
 凛と一緒に、会えなくなるの嫌っ! 一緒にいたいぃ! って、大泣きしていたっけな。
「一緒に泣いた時のことも覚えているの?」
「そりゃ、覚えているよ。今となってはなんで泣いてか、いまいち、覚えてないけど……」
 一緒にいたい。って、大泣きしたのは覚えているんだけど。なんで、一緒にいたいって言ってたんだけ?
「……そっか。覚えてないか」
 まただ。たまに見せる凛の憂い顔がいつも胸に刺さる。
「どうした、凛。大丈夫か?」
凛は慌てたようすで、えっ! 大丈夫もなにも、どうもしてないよ。と言って作り笑顔を作る。
「どこに異常が? 大地の目が腐っているんじゃないの」
 いつものようにバカにする。けど、やっぱり取り繕っていることが分かる。
「いや、気のせいみたいだったみたいだ。悪い」
 そう。と言って凛は前を向く。まるで自分の顔を見せないように……。って、これは考え過ぎだな、俺。
 
 
 

 
後書き
あ、文字数少ない……。
本当にすみません。 
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