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凡人? 天才? それとも……。

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第六話【春の訪れ?】

 
前書き
すみませんでしたの一言しかないです。
一か月に一本とか言ってすみません。第五話からもう七か月の
月日が経ってますよね……。
 

 

 閉会式っぽいものあり結果発表に移った。その時、俺と凛。C組の委員、加藤君ともう一人の子。両クラス委員二人と来島先生、高島先生だけは結果を知っている。と言っても殆どのクラスメイトが知っているだろう。
「結果発表をするね。結果は……」
 凛が結果発表する時、俺の心は心地よい気持ちだった。それは、反則ギリギリの行動をしても勝ちに行ったことをみんなは忌々しく思うよりも、その最後の最後まで諦めないことを評価してくれて、C組のクラスメイトが拍手をしてくれた。もちろん、教室に着いてからもB組のクラスメイトから拍手喝采を受けた。さらに結果が……。
「……結果は、B組の勝利! アイスはB組に提供したいと思います」
 クラスメイトたちが拍手喝采で盛り上がり、閉会式っぽいものは無事終わり。アイスやジュース、お菓子などが配られクラス交流会フィナーレが始まった。
アイスを持って、快の所に行くといつも通りギャルゲーをしていた。
「大地かぁ? 今、俺は忙しいから話しかけないなぁ」
 携帯ゲーム機の液晶画面を見ながら言う。
 おいおい、折角の交流会フィナーレでギャルゲーするなよ。と思ったが敢えて言わなかった。だって、それが快と言う男なのだから。
 快の隣にスペースを置いて座る。よく見るとこのアイス結構なお値段のカップ状のアイスだった。
 なるほど。だから、みんな燃えていた訳か。確かに学生じゃ食べにくい額だよな。と一人でみんながアイスを欲しがっていた訳を勝手に解釈していると、目の前にクラスメイトの加藤君がジュースを二つとお菓子を持ってくる。
「大地君の好みは分からないけど、これ結構、僕は好きなんだ」
 加藤君はそう言って近くに腰を下ろす。はい、どうぞ。とジュースを差し出す。あがとな。と言ってジュースを受け取る。
「大地君。君の連絡先、教えてくれないかい? あぁ、無論、強制はしないから」
 食べているちょっと高めの学生には手の出しにくいアイスを吐きそうになる。もちろん、気持ち悪いからじゃなく。唐突だったから驚いただけである。こういう経験がない訳じゃないけど、こういうのは慣れないものである。
「もちろん、大歓迎だよ。って、言うか、こちらこそお願いします!」
 慌ててポケットからスマホを出して頭を下げる。加藤君は、あはは。と苦笑しながら赤外線で連絡先を交換する。他のクラスメイトとも仲良くなれるなんて!
「それでは、これからよろしく、大地君」
「こちらこそ、よろしくな、加藤君」
 こっちに来て、三人目の友達が出来て少し嬉しい。これで向こうの心配してくれていた友達にもいい報告出来るぜ。
『クラス委員、連絡先交換しよう』とクラスの殆どの人が来る。あれ? 夢を見ているのかと頬を摘んでみるが頬が痛い、これは夢じゃないんだ! と驚き、加藤君の方を見ると、ニッこと笑ってくれた。
『早くしよう。後が五月蠅いから』
 やったー! と喜んでいたのはつかの間で、クラス委員って『桜沢君の連絡先知っている?』と快の連絡先を聞かれ、『天海の知っているよな? 仲いいから』『陽奈さんのも持っている?』と凛や快、陽奈の連絡先目当てかよ! それを知るために連絡先聞きに来たのかよ! かなり落ち込んだ。それでも諦めずに笑顔を作り、悪い、本人に聞かないと教えられないよ。と言って断る。大半のクラスメイトが一気にスマホのアドレス帳に登録されたスマホの画面を一通りに目を通し、嬉しくて、悲しいような複雑な気持ちのままスマホをポケットに入れる。
「大地君はモテモテだね」
 加藤君がからかうように言う。加藤君のからかい方は可愛いものだ。快に比べたら……。
「加藤君は興味ないの? 快や凛のやつ?」
 余り興味を示してなかったような気がするので確認がてら訪ねてみる。
「快君や天海さんかい? 僕は知っているよ。快君や天海さんと同じ中学校だからね。あっ! そうだ。忘れるところだった」
 加藤君は忘れそうになっていたなにかを思い出したようすで辺りを見渡す。
「どうした? 加藤君。急に周りを気にして?」
「僕としたことが頼まれていたことを忘れるなんて」
 一応、質問に答えてくれたみたいかな? 
 加藤君は一人の女子クラスメイトを見つけると。神凪さん! こっち。と言って一人の女子クラスメイトを呼ぶ。呼ばれた女子クラスメイトはあたふたとしながらこっちに来る。
「今日の紅白鬼ごっこ大戦のMVPの神凪さん」
 神凪さんが来ると賺さずに加藤君が神凪さんの紹介をする。
 あっ! 言い忘れていたけど、俺と凛が捕まって終わった。第三回戦の結果は白組の勝利だった。俺は勝手に自分が最後の希望と勘違いしていたみたいで、実は神凪さんは見つかってなかったのだ。翌々考えてみると最後の時に俺を追いかけて来ていた鬼も運動の出来そうなクラスメイトばっかりで女子クラスメイトあんまりいなかったような? 女子や運動が得意じゃないクラスメイトは神凪さんを捜していたのかな?
「どうしたんだよ? なんで神凪さんが?」
 もしかして、俺に気があるとか! 俺に人生初のモテ期到来か! 
「……迷惑かも知れないんですけど。……交換してもらえますか?」
「? 別にいいけど」
 キターのか? これは本格的に俺に気があるのかな? 加藤君が、大地君、にやけているよ。と耳元で忠告してくれた。俺は勘違いされないように慌てて無表情にする。
「……一応、言いますが。……私は付き合っていますから」
 加藤君が隣でクスクス笑う。笑う加藤君を睨むと、ごめんよ。と笑いながら謝る。
「い、今のことは誰にも言わないで下さい! 親にバレたら、彼が!」
 急に焦りだし、大地の首元を持って上下に強く揺らしながら懇願する。
「わ、分かった。い、言わないから、た、助けて」
 凄い勢いで首が上に行ったり、下に行ったりで気持ちが悪い……。
 見るに見かねて加藤君が神凪さんを止めて落ち着かせる。
「た、たうかった、かおうくん。ありかとな」
 自分でもなにを言っているか分からないけど礼を言う。
「大地君は少し休んで、神凪さんは落ち着いて誰にも言わないから」
 加藤君が一人で取り乱している神凪さんを落ち着かせようと努力する。私は悪い子だ、彼との約束を守れなかった。と泣きながら叫ぶ。なんだ? と、こっちを見るクラスメイト達に加藤君が、ちょっと色々あってね。と言って苦笑する。大丈夫? と聞く心優しくて、仲の良いクラスメイトにも神凪さんは、やくそぐが。と号泣する。
「五月蠅いなぁ。こっちはギャルゲーを楽しんでいるのに近くで泣くなよなぁ。誰にも言わないし、約束破ることだって偶にはあるものだぁ。気にするなぁ、それに誰もお前のこと興味ないってぇ、多分」
 ギャルゲーに集中出来なくなった快が神凪さんを諭すように言う。
「……本当ですか? ……本当に」
「本当だぁ。面倒くさいなぁ、大丈夫。彼も許してくれるし誰にも言わないよぉ。クラスメイトと彼を信じろよなぁ」
 クラスメイトやあの加藤君ですら手の焼いた神凪さんをすぐに諭し、落ち着かせる。
「……ありがどうございばす。……桜沢君」
 嗚咽を漏らしながら快に礼を言う。
「別に大丈夫だぁ。泣きやむまで休めよなぁ」
 快が言うと神凪さんは首を縦に振り、さっき、大丈夫と声を掛けてくれていた仲良しグループのクラスメイトと元いた場所に戻る。戻るのを確認してから快は、またギャルゲーをし出す。
 快め、なんでこんなに面倒見がいいのかは今度じっくり聞くとしよう。
「大地君、大丈夫かい?」
 一段落して加藤君が安否を問いかけてくれる。気持ち悪くて、今にも吐きそうだけど。意地を張って、別に問題な、うぅ、いっ。と答える。
「大地君、トイレ行こう。吐いた方が楽だよ」
 実は大げさな演技をしていただけで今はもう、結構ふざけられるぐらい回復していたりする。ピークの時は本当にリバースするところだった。
「本当に大丈夫。もう大分マシだから」
 ホント、ホント。ピークに比べたら余裕ですよ。
「なら、良かった。大地君、神凪さんの連絡先は僕と先いた葭原(よしはら)さんで交換しといたからね」
 葭原さんとはさっき神凪さんを元の場所に連れって行ってくれたクラスメイトかな? と勝手に解釈する。
「ついでに、葭原さんのも入っているから」
「了解」
「変態? 加藤清道? 凛見なかった?」
 ジュースを持った陽奈がこちらに来る。少し不安そうに周りを見渡している。
「俺は見てないけど。加藤君は見た?」
「そう言えば、さっきから見かけないね」
「……。加藤清道はありがとう」
 って、俺には礼はなしか! まあ、いいけどな。
 加藤君だけに礼を言って陽奈が女子仲間の方へ行く。
「凛のやつ、トイレでも行ったんじゃ。てか、なんで心配そうなんだ?」
 多少の疑問を抱きながら、アドレス帳を確認すると加藤君の言う通りに神凪さんと葭原さんの連絡先が増えていた。
 これでまた、友達が一気に増えた。今日という日があって良かった。神様ありがとう。僕は、僕は、あなたの御陰で幸せ――

    ☆
 
 

 
後書き
後六話ぐらい連続投稿しないと(使命感) 
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