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戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~

作者:黒鐡
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十五章
  必殺技×落城

「隊長!準備が出来ました。いつでもどうぞ!」

その頃俺はというと、ゼットンを地上に行かせないための時間稼ぎをしていた。シールドビットで、行かせないようにしたりルナメモリで、巻き付けて動けなくしたりとしていた。今、俺とゼットンはちょうど敦賀城の城門まで行けそうなところにいた。

『隊長!準備が出来ました。いつでもどうぞ!』

「分かった。これよりこいつを城門に行かせて最大出力でこいつを駆逐する。ではミッションスタートだ!」

と俺は逃げ回るゼットンを捕まえて、そのまま城門前に激突させた。激突させたあと、地面が凹んだが、それは気にしない方向にしておいてゼットンを敦賀城の城門に立たせた。しかも、ゼットンには城門にくっついた状態だ。氷で磔にさせた。

「一真様、いったい何をするのだ!」

「ふっ。これを見れば分かるぜ」

『Black Steel Joker!MaximumDrive!』

俺は創っておいた2つのメモリを合体させた混合型メモリを右腰にあるマキシマムスロットを入れる。
Black Steelは日本語で黒い鋼鉄と読むが、鐵は英語はなさそうだったので鉄に近そうな感じでSteelにした。すると、俺の目の前に魔法陣が現れた。これは、黒鐵改がよくゲートを消滅するような感じで。俺とゼットンの間に現れる10枚のホログラム状のカード型エネルギー、魔法陣でいいか。それが現れた。

「行くぞ!ゼットン、覚悟!!!」

俺は後方に居る兵のところまで行ってから、走ってジャンプしながら一回転し、両足に金色のエネルギーを纏い、跳び蹴りの構えをする。なお、魔法陣は俺が動くと自動的に補正される。そして潜りながら、パワーを溜めて蹴りをゼットンに当たりそのまま城門は破壊されてもまだ勢いは止まらずに次々に城門に当たるように微調整をした。そして本丸の城門を破壊したあとに壁にめり込んで停まり、消滅して行った。俺が破壊した城門を通るように、前にIS部隊に柴田衆と丹羽衆と母衣衆と本陣そして一真隊の順に城の中に入って行った。

「これが一真様がやりたかったことですか。退避して正解でしたね、壬月様」

「あ、ああ。まさか、あんなに威力があるなどと思わなかった」

「壬月、麦穂。船でこの城を検索したが、鬼一匹いないそうだ。多数の鬼が搦手門に移動したようだぜ。一応追っ手をさせているから、どこに逃げたか分かるようにしてある」

「そうか。だが、一応のことがあるので城内を見て回ろう。柴田衆と丹羽衆、城内を制圧しに行くぞ!」

柴田衆たちは、城内を制圧するために行ってしまったようだ。一真隊は、俺が地面に降りる前にはもういたそうだ。その時の様子はというと。

「一真隊、前に出ます!隊長の必殺技を見に行きましょう」

「は、はい。でも必殺技ってなんでしょうね、ころちゃん」

「分からないけど、とにかく行って見るしかないよ」

言いながら、敦賀城の城門前に行くと真ん中に母衣衆がいて、左に柴田衆に右は丹羽衆、後ろに本陣で、一真隊はかなり後ろにいたけど。着いたときにはまだ退避作業をしていたIS部隊。それを見たひよたちは、何をしているんだとのことでした。が、巻き込まれるとタダでは済まなくなるくらいになりますよと言ったらIS部隊の準備は終わったようだ。そして、一気に隊長とゼットンが落ちてきた。それを見たひよさんたちは騒いでいましたけど、ゼットンを城門前に立たせるとあるメモリを取り出して右腰に差し込んだ。

『Black Steel Joker!MaximumDrive!』

そう鳴ったら、隊長とゼットンの間に魔法陣が出てきました。ちなみにBlack Steelとは黒鐵改を意味します。英語やローマ字だと長くなりそうらしいですけど。隊長は母衣衆がいるところまで、後退してから走り込みました。そして、ジャンプして一回転してからの両足での跳び蹴り態勢に入りました。ゼットンに当たったら止まることはなく、進んでいきましたけどね。何せ、あのメモリは混合型のメモリで威力は片足で50tですから両足で100tですね。本丸まで進んだところで停まったようですね、恐らく本丸に到着後にスピードを落として、後ろに一回転したのでしょう。

「す、凄い。城があっという間に落城しちゃうなんて!!!」

「私たちの技量では考えられない威力でしたね!だから、取りついた兵たちを退避させたのですね」

「それに二刻も経たないで、たったの半刻で終わらせたなんて聞いたことないよ!」

「小波さんは鬼達が搦手門から逃げ出したようです。ですが、一乗谷で決戦を選んだわけですか。ふむ」

「一乗谷は、その名の通り、谷の間にあって守るに適した地形と聞き及んでおりますが・・・・敦賀城を捨てた真意は一体どこにあるんでしょうか」

「それは鬼の行動を見るに、やはり何かがあるということでしょうか」

すると、早馬が来たので何かと思ったら、敦賀城内を制圧した後に松平衆と合流し、一乗谷を目指すらしいです。どうやら手筒山城もここと同じく犠牲もなく制圧したようです。なので、久遠様はこのまま一乗谷に進軍するようですね。隊長もこちらに来ましたね。まだ変身解除してないみたいですけど。

「よう、お前ら。来てたのか」

「お、お頭!さっきのは何だったのですか!?あんな威力のあるのは初めてみました!!!」

「まあな。それより、聞いたか?手筒山城の落城の事」

「はい。先ほど聞きましたが、胡散臭くなってきました。本陣は分かっていないのでしょうか?」

「あまりにも早すぎる敦賀城・手筒山城の落城。・・・・鬼という生物の基本的な性能を顧みれば、これは罠だという結論にたどり着くと思うのですが」

「俺もそう思う。なので、俺と詩乃、雫。あと一葉を連れて本陣に行く。すぐそこだけど、沙紀は一真隊を見といてくれ。俺はまだこのままで行く」

「了解しました、隊長」

と言って、俺達4人はすぐそこにある本陣へと歩いて行った。船ではとっくに調べたが、鬼はいない。けれどこいつらの目で直接見たいのか、城内を探索するように言っていた。

「殿。ひとまず差配を終えました。一真様が調べてはくれましたが一応のこと」

「一刻ほどで城内の掃除をした後、少数の抑え部隊を残しておけば宜しいかと」

「大義。・・・・」

「しかし・・・・敦賀城ほどの城を捨てるとは。知能のある鬼とやらは、本当に戦の仕方を知っておるのか?」

「武士の知恵を残したまま、鬼の力を手に入れた。それが下級の鬼とは違う、中級の鬼ということでしょうが・・・・」

「その中級の鬼とやらは、戦術の面はともかく、戦略の面は不得手ということか」

「そう考えられなくもありませんが、そんな希望的観測を信じ込んでも良いものかどうか」

久遠は黙っていたようだが、一乗谷で決戦をするらしい。

「ちょっと待った久遠」

「一真か。先ほど技はよかったぞ。その鎧はいつ元に戻るんだ?あとなぜここに来たんだ?」

「そりゃどうも。あれを見せたくてわざわざ地上に降ろしたからな。まだ警戒中だからな。それより、このまま一乗谷に行くのか。罠の可能性があるぞ」

「それもあるが、金柑がな」

言いながら、ちらりとエーリカを見る。

「今の鬼と互角以上に戦えるからといって、満月時の鬼達と武士が互角に戦えるかどうか分からない。・・・・そして満月はもうすぐ。となれば、早々に一乗谷に乗り込み、決着をつけるにしかず」

「なるほどな。それが拙速を選んだ理由か」

「・・・(コクッ)」

「それなら承知した。確かにその理由ならとっとと一乗谷に行ったほうがいいな」

でも、桐琴や小夜叉と一緒やブラックシャーク隊のメンバーで、鬼退治したときは満月のときがあったけど。満月のときでも、森一家の二人や俺達は難なく対処できたはずだ。でも、他の兵と比べると多分無理だろうな。

「だが、このまま向かうのは無茶だ。俺達の隊で物見に向かわせるから・・・・・」

「その必要はございません。久遠様が明智衆に物見を命じられ、今、私の家中の者が四方に散っております」

「手回し早いな。分かった」

と言って、俺は変身解除をした。ドライバーとメモリは空間にしまったけどね。船からの定期通信からでも、この辺りは安全というのが確認されたようだしゲートはすでに閉じてある。

「じゃあ俺は戻るが、久遠」

「・・・・??」

「気を付けろ。そして冷静にかつ焦らずに、な」

「・・・(コクッ)」

で、本陣から少し後ろ側に一真隊がいたけどね。

「一真様!本陣の様子はどうでした?」

「うむ。どうやら鬼の生態を考えて、一乗谷に向かうそうだ。もうすぐ満月だからな」

「生態で満月、ですか・・・」

「満月の夜、魔性のモノはその力を増すのだそうです。・・・まぁ古来より、日の本の妖にもそういった伝承がありますから、信憑性の薄い話ではないでしょう」

詩乃は黙ってしまったが、俺と一葉は気になった。そして沙紀は俺の代わりを無事に果たしてくれたので礼を言ってから、トレミーに戻した。

「とりあえず、一真隊は本陣の後について行く、という形で宜しいでしょうか?」

「うむ。それが良い。本陣の後盾をして守るようにすればいい。皆の者、準備をしてくれ」

「「はい!」」

俺の言葉を受けて、各自準備を始めるみんな。そして、小波が戻ってきたので、一応報告を聞く。トレミーからも小型偵察機で搦手門から逃げ出した鬼の行方。小波の口から語られる、敦賀城搦手門から落ち延びて行った鬼達の動き。敦賀城には約千の鬼が居て、そのうちの半分が搦手門より落ち延びたそうだ。それも船を使ったそうで、ってか、鬼が船を使えるとはね。

「鬼が船を操ってたとはね」

「はい。二十隻以上の小早に分譲し、敦賀を北に向かった模様です。・・・さすがにそこまでしか追跡は出来ませんでした。申し訳ございません・・・・」

「謝る必要はない。海に逃げられたのなら、手も足も出ないはずだ。・・・・ありがとう、小波」

「はっ」

ひよやころは、鬼が船なんて使えるのかとか言ってたが。小型偵察機によると、くっきりと操作してたらしい。そして北ということは一乗谷に向かったのだろう。

「・・・小波さん」

「・・・??」

「鬼は逃散しておりましたか?それとも撤退しておりましたか?」

「・・・・。私の目には撤退しているように見えました」

「なるほど。ならば撤退する鬼たちを統率している、中級の鬼とやらが居るはずです。とすれば、船の扱い方ぐらい心得ていても不思議ではない」

「膂力あり、凶暴でありながら、知恵もあり、統率も取れている。・・・・厄介ですね」

「詩乃と一真。その鬼達はどこに向かったと考える?」

俺にも聞かれた。さっきから考えていたしな。詩乃と一緒に言ってみた。

「「一乗谷だな/ですね」」

「私も同意見です。本拠地である一乗谷に兵を集め、決戦する心づもりなのでしょうね」

「だが、考えてもしょうがない。一乗谷までは黒鮫隊も同行して一緒に行こう。ということで、俺たちも動くとしよう」

「了解です!あ・・・・鞠ちゃんはどうしましょう?荷駄の上で眠りっぱなしなんですけど」

「寝る子は育つというが、こやつは暢気であるな」

「それくらい大物ってことだよ。そのまま寝かしといて」

「了解です。じゃあころちゃん」

「うん。一真隊の指揮は私たちで執りますから、お頭は黒鮫隊の指揮と同行準備の方をお願いします。あとそのまま船で休んでいてもいいですから」

「分かった。少人数でかつ戦力にするために、調整に行ってくるからここは任せた。あとその言葉に甘えさせてもらう。あの状態で長時間やると疲れるからな」

と言って、俺はトレミーの方に戻った。そのあと、一乗谷まで同行する者を選んだあとに俺は部屋に行って、仮眠をとった。俺が行ったあとは、ひよの掛け声とともに、一真隊は進軍を始めた。あとで聞いたんだが、山深い越前の奥へ奥へと進んで一乗谷へ向かう。日が暮れて、夜になっても進軍し続ける、織田・松平・浅井の連合軍。 
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