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ドリトル先生と伊予のカワウソ

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第九幕その九

「大阪風と広島風がありまして」
「それぞれ違いますね」
「どちらも名物なのですが」
 大阪でも広島でもです、お好み焼きは名物です。しかしそれでもなのです。
「焼き方等が」
「僕は大阪です」
 神戸にいるだけあってです、先生は。
「あれが最初に食べたお好み焼きです」
「そうですね、やはり」
「しかしこちらでは」
「広島ですね」
 お好み焼きは、というとです。愛媛ではそうなるというのです。
「たぬきそばと違って」
「広島ですね」
「そちらのお好み焼きです」
「加藤さんもそちらがお好きですか」
「そちらの方に親しんできたので」
 それで、というのです。
「私が好きなお好み焼きはそちらですね」
「そうなりますか」
「はい、実は大好物の一つです」
「お好み焼きっていいよね」
「うん、物凄く美味しいよね」
 動物の皆もこうお話するのでした、お好み焼きについても。
「おソース付けて鰹節とか青海苔かけてね」
「あと紅生姜もね」
「全部忘れないでね」
 そうしてというのです。
「それで食べるんだよね」
「焼きたてをね」
 まさにというのです、彼等も。
「キャベツも沢山入れて」
「そうしてね」
「お野菜もたっぷり食べられて」
 先生もこのことについて言います。
「いいですね、ただ」
「ただとは」
「あれはおかずやおつまみでもあるのですね」
 先生は加藤さんにこうしたことも言うのでした。
「お好みや、焼きそばもそうですが」
「基本そちらですね」
「おかずかおつまみですね」
「はい、主食ではなく」
「麦を使っていてもですね」
「主食ではありません」
 これは違うというのです。
「それだけで食べることもあることはありますが」
「おかずですね」
「うどんも一緒ですね」
「おかずですね」
「それにもなります」
「うどん定食ですね」
 先生は大学にあったメニューを思い出しました。
「それですね」
「あれもいいですね」
「それにお好み焼き定食に焼きそば定食に」
「関西では特に多いですね」
「あの組み合わせは卑怯なまでに美味しいです」
 先生は唸る様にして言いました。
「まことに」
「そうですね、ですがそれは西のことでして」
「日本全体のことではないですか」
「はい、違います」
「では他の地域では」
「東の方のことですが」
 そちらは、というのです。
「関東等ではそうして食べないのです」
「お好み焼きやうどんを御飯のおかずにすることはですか」
「はい、しないです」 
 そうだとです、加藤さんは先生にお話します。
「炭水化物を御飯のおかずにすることは西の食文化です」
「パスタやリゾットがスープ扱いと同じですね」
「似てますね、そういえば」 
 このことにははっとなった加藤さんでした。 
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