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ドリトル先生と伊予のカワウソ

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第九幕その十

「イタリアでも主食はパンで」
「パスタやリゾットは主食ではありません」
 あくまでスープ扱いだというのです。
「ですから」
「そうしたことと同じで」
「西日本ではですね」
「お好み焼きはおかずですね」
「はい、こちらでも」
「そうですか、ではこちらのお好み焼きは」
「おかずでして」
 それに、というのです。
「そして広島風です」
「関西で言う広島焼きですね」
「そうです、如何でしょうか」
「次に食べるものはですね」
「お好み焼きにしましょうか」
「いいですね、それでは」
 先生は加藤さんの申し出に笑顔で乗りました。
「次は」
「お好み焼きでお酒を、ですね」
「そうしますか」
「そうですね、それでは」
 こうお話してです、意気投合してでした。
 先生達は夕食の後お風呂に入って飲むことにしました。ですが。
 動物達は今旅館の温泉に入っています、そしてそこでなのでした。
 お顔を見合わせてです、そうしてお話しています。
「世の中思い通りにはいかないね」
「そうだよね」
「先生がねえ」
「まさかね」
「いや、食べ過ぎたよ」
 見れば先生もお湯の中にいます、そこで赤ら顔になっています。加藤さんも一緒です。
「本当に」
「もう何も入らないですね」
 加藤さんも笑顔で応えます、この人も湯舟の中にいます。
「何処にも」
「全くです」
「今日もお刺身が美味しかったですね」
「恐ろしいまでに」
「牡蠣も出ましたし」
「あれも美味しかったですね」
「堪能しました」
 それでだというのです。
「もう満腹です」
「全くです」
「本当に凄い美味しかったね」
「だからついつい食べ過ぎてね」
「満腹だよね、僕達も」
「もう何処にも入らないよ」
「お腹の中にね」 
 こうお話するのでした、とにかくです。
 動物達も含めて皆満腹です、ですから。
「もうね」
「今日はこれ以上食べられないね」
「とてもね」
「無理があるよ」
 だから皆今はこうしてです、一緒にお風呂に入ってです。
「お酒もかなり飲んだしね」
「寝ようね」
「今夜はね」
「これでね」
 こうお話してでした、皆で。
 仲良くお風呂に入っています、そして。
 先生は皆にです、こう言いました。
「じゃあ君達もね」
「うん、今夜はね」
「お風呂に入ったし」
「だからね」
「これでね」
「寝ようね」
 そうしようというのです。 
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