遊戯王GX 〜プロデュエリストの歩き方〜
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エピソード9 〜月一試験デュエル 紫苑姉の実力〜
前書き
紫苑姉初デュエルの予感〜〜
SIDE翠
いつもの通りの朝食の時間いつもの通りの生活、だが、今日は違う。
「ねぇねぇ、紫苑は月一試験ど〜するの?」
「ん?何それ美味しいの?」
コテンと首を横に傾げ、頭上にハテナマークを浮かべる紫苑
え、何この仕草…めっちゃ可愛い!!もしかして、私と離れてたからガードが甘くなってる!?これはチャンス!!……じゃなかった。今は違う話だっちゅうの。
ぶるぶると頭を横に振り、邪念を追い払うと話を再開する翠
「もしかして、今日が月一試験ってこと忘れてた?もしくは知らなかった?」
まさか高校生にもなって、試験のことを忘れてるなんてあり得ないと思いつつも訪ねてみる。
「知らんかった。なんかみんな忙しそうにしているなと思ってはいたけどさ。試験て何やるの?」
まさかだったよ!!そうだったよ、紫苑は肝心な所がぬけてたりするんだったよ…
「はぁ…試験は遊戯王の筆記問題と実技試験。まぁ、筆記は問題ないから、実技だよね。実技は実力が同じくらいの人とデュエルをするんだけど…あんまりブッとんだ勝ちかたすると目立つから控えた方がいいよ。」
「姉ちゃんはいつもどーしてんの?」
朝食のバタートーストを口に含みながら、訪ねてくる
………もう何なの!?この可愛い小動物は!可愛すぎる!まじ萌える!我が弟なのに萌える!!ってそうじゃないそうじゃない
頬をパンパンと叩いて自分を正気に戻す
「私は適当に手加減とかして、勝ったり負けたりを繰り返して、中の上くらいをキープしてるかな〜」
「そうか〜。まぁ、俺もそうしとくかな…さすがにこれ以上目立ちたくないからな〜」
安心しろ…既にファンクラブとかできるくらいには目立ってるから…
◆
SIDE紫苑
え、なにこれ!?
筆記テストが始まり問題に目を通した紫苑は驚愕した。
筆記試験の問題が『青眼の白竜の属性・種族・レベルを答えろ』だったり、
『融合を使わないず、融合召喚を行うモンスターを答えろ』など、ものすごく初歩的なことばっかりだったから。
てか、ブルーアイズとXYZが問題に出てくるとか、社長の野郎…自分の好みをテスト問題にすんなよ!
◆
キーンコーンかーんコーン♪
テストの終わりを報せる鐘がなると生徒たちが一斉に教室から走って退出していく。
廊下は静かに歩きましょう!!てか、なんやねん!?
教室に残された内の一人である紫苑は昼食用のパンでも買おうと購買に向かうと案の定、人集りができていた。だが、どうやらパンなどが売られている食品コーナーではなく、パックが売られているほうに集まっていた。
「なんなの?この人だかり…あ、ちょっとこの人だかり何?」
「っ!?!? ///おまえ知らねーの?今日新パック発売日だろ。だけどよ〜誰かが既に買い占めをやったらしいんだわ。あんたはその様子じゃあ、パック買いに来たみたいじゃないな。」
「まあね。それと教えてくれてありがとう」
「…………//お、おう。役に立てて何よりだ//」
その辺にいる生徒を捕まえて問いただしてみると、一瞬だけ頬を赤く染めるとペラペラと喋ってくれる。最後にお礼を言うとやはり顔を赤くして、頬をぽりぽりとかいていた。
あいつ…もしかしてホモか。男にドキドキするとか、キショ!
「パックか〜。最近買ってないな…まぁ、貰ってるんだが」
プロ戦のファイトマネーの一部として、大会特別パックやら未発売パックやらが貰えるのだ。しかも、パックではなく、箱で!
さすが!KC社、太っ腹!
その後、ドローパンを二つだけ買うと実技試験を行う会場へと向かった。
◆
SIDE翠
『叢雲 翠さん、山本 浩二さん、実技試験を始めます。準備をしてください。』
教師からの呼び出しがかかる。
さ〜て、紫苑は…いたいた。えーと、十代って子と明日香って子かな一緒に居るのは?
紫苑の存在を確認すると、指定されているデュエルフィールドへと向かう。そこには、既に対戦相手であるブルーの生徒が居た。
月一試験の実技は基本的に成績、デュエルログなどから個人の実力を割り出し、実力が近い者同志を戦わせる。そして、後の方に呼ばれる者ほど実力が高いようになっている。翠が呼ばれたのはだいたい半分か3分の2ぐらい。つまり、実力は中の上ぐらいである。最も、彼女が本気を出せば、皇帝と呼ばれるアカデミア最強のデュエリスト
丸藤 亮でさえ、倒してしまう。彼女に対抗できるのはせいぜい弟である紫苑かプロランク上位者である。まぁ、本気を出せばなのだが…
「くくく、俺の対戦相手がこんな娘とはね〜。これはもしかして、ワンキルとかできちゃうのかな〜。」
くくくと挑発的な笑い方をする翠の対戦相手ー浩二は翠を見るなりニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべる。
『あちゃー、こりゃまたうざそうな人だね〜。みどりー、怒ってGYA★KU★SA★THUとかしないでよ〜』
ん〜、たぶん大丈夫。するとしたらSYU☆N☆SA☆THUだから。
物騒な会話をしているのは、翠と彼女の精霊ーアテナである。
あれ?もしかして、アテナ初登場?おめでとう!そして、今回出番はないけど
『ちょっとーー!!なんで初登場回が会話だけなの!?私を召喚してよ!一応神様だよ、私!!』
前提として目立つ。アテナ、あんたのカードがどんくらい高値で売られてるか知ってる?何百万だよ!それと、あんたから神の威厳を感じられない!以上
うおーんと地面に伏して泣くアテナ…それと見ていた紫苑は何をやってんだと頭を抱えているのを姉は知らない。
「おい!俺を無視すんなよ!さっさとデュエルしろよ!」
「全く短気だな〜。短気はモテないぞ!」
「う、うるせ〜!おまえなんかに何がわかる!っは!?」
自爆乙wwwこれは戦い易いわ〜
「くそ〜、笑いやがって、直ぐに吠え面かかせてやる!」
『今時、吠え面かかせてやるなんて言う人居るんだね〜。つくづく踏み台キャラで可哀想なモブw』
登場早々女神としての威厳が失われているぞ〜
「えー、ではこれより実技試験デュエルを始めます!双方全力を出し切って悔いのないデュエルにしてください。では、始め!」
「「デュエル」」
浩二LP4000 翠LP4000
「くくく、俺の先行だ!ドロー。手札から【可変機獣 ガンナードラゴン】を妥協召喚!
さらにさらに〜永続魔法【マシン・デペロッパー】と【機甲部隊の最前線】を発動!カードを一枚伏せてターンエンドだ。どうだこれが俺の最強最硬の鉄壁布陣だ!」
【可変機獣 ガンナードラゴン】☆7 ATK1400→1600
んー、ガンナードラゴンとフロントラインの相性はいいね。それとガンナードラゴンが破壊された時の保険として、デベロッパーか…まぁ悪くないよね。
「けどね、全然、全く、足りないんだよねぇ!!私のターン、ドロー」
勢いよくドローした翠は自分の手札を見るとニヤリと笑う
『あちゃー(´・_・`)これはワンキルあるねーまぁ、挑発したあの子が悪いから…南無』
額に手を当ててやれやれと息を吐くアテナ。早速、これからこの娘がやることの検討がついてしまったのだ
「手札からフィールド魔法【天空の聖域】発動!それと永続魔法【天空の泉】を発動。」
デュエルフィールドに天使たちの憩い場が現れる。
私もこんな場所で暮らしてみたいな〜なんてね。
『出た!ヒュペリオンさんの高級住宅&泉付き庭!最近、ヒュペリオンがドヤ顔で自宅自慢してくるんですよ!全く、私たちのヴァルハラのが凄いのに!ミドリ、あなたはどう思う?』
待って、私に振るの!?てか、あんたマスターヒュペリオンと自慢し合う仲だったのか!?
「おい、早く進めろよ!全くこれだから雑魚は…」
あー、ちょっとカチンときた…手加減しようと思ってたけどやーめた!
「手札から【シャインエンジェル】を召喚して、ガンナードラゴンに攻撃」
「くくく、馬鹿め。俺のガンナードラゴンのが攻撃力が上だ!それに伏せておいた【禁じられた聖杯】をガンナードラゴンに発動!これにより、デメリット効果は打ち消され、さらに攻撃力が400ポイント上がるぜ!」
【可変機獣 ガンナードラゴン】☆7 ATK3200
ガチャンガチャンとガンナードラゴンに装備品がつけられていき、より一層豪華な機体となったガンナードラゴンは武器をフルバーストしてシャインエンジェル焼き払った。
おお、と観客から歓声が上がる。
ものすごく一般的なコンボだと思うんですが…
「まず聖域の効果で私のダメージは0になり、泉の効果で戦闘破壊されたエンジェルを墓地から除外し、その攻撃力分回復できる。さらにエンジェルの効果で二体目のシャインエンジェルを特殊召喚するよ!」
翠LP4000→5400
「行けーー!!二体目のエンジェルで特攻!」
またしてもガンナードラゴンの豪華な武器の数々に焼き払われるエンジェル。
「効果で三体目のエンジェルを特殊召喚!さらに泉の効果で墓地のエンジェルを除外して、ライフを回復!」
翠LP5400→6800
『うぅ…あなた達立派ですよ!必ずこの勝負勝ちますからね!』
「三体目のエンジェルで特攻!!」
うぅ…ごめんね。エンジェル…こんな使い方で
心の中で謝罪すると伝わったらしく、シャインエンジェルはこちらに向かってサムズアップするとガンナードラゴンに突っ込んで行った。
おまえ、カッコよすぎるぞ!
「くくく、勝てないと思って頭がおかしくなったか。そんな雑魚使ってるから勝てないんだよ〜」
それを見ていた生徒たちもワハハと笑い出す。唯一笑っていないのは、紫苑含む彼に親しい人物などごく一部だった。
『全くなんですかあの餓鬼は!!さっさとぶっ潰しましょう!』
「カードを笑うことは私が許さない!エンジェルの効果でデッキから【コーリング・ノヴァ】を特殊召喚!さらに泉の効果でエンジェルを除外し、ライフを回復。コーリング・ノヴァで特攻!破壊された時2体目のコーリング・ノヴァを特殊召喚して、効果で墓地のコーリング・ノヴァを除外してライフを回復。2体目で続けて特攻!3体目を特殊召喚し、泉の効果で除外してライフを回復。3体目のコーリング・ノヴァで攻撃!破壊されたことによりデッキから【力の代行者 マーズ】を特殊召喚し、泉の効果でライフを回復!
来たれ、天使たちの代弁者よ!降臨せよ【力の代行者 マーズ】!!!」
翠LP12400
【力の代行者 マーズ】
フィールドに真紅の翼を持った天使が降臨する
「くくく、驚かせやがって。たかだか攻撃力0のモンスターでどーするんだよ!これだから雑魚モンスターは使えね〜」
くくくとまたしても笑う相手を静かに見据える翠。その目には怒りとともに哀しみが込められている。
「マーズは場に天空の聖域が存在し、かつ私のライフが相手を上回っている時、その分だけ攻撃力が上昇する。私のライフは12400、あなたは4000。よって攻撃力は8400。」
マーズの手のひらにお手玉サイズの火球が出来上がるとそれが何倍にも膨れ上がり、さながら小さな太陽のような火球が出来上がる。
「モンスターを雑魚と呼び、私のために散っていった天使たちを侮辱した罪は万死にあたいする!懺悔の用意はできているか!!やれ、マーズ!断罪の獄焔!」
「ひぃ、や、やめてくれ!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
浩二LP4000→-900
デュエルが終了したが会場は静まりかえり誰一人として言葉を発しようとしなかった。
「あっ、ワンキル起こったね。君の負けで」
それだけ言うと足早にデュエルフィールドを後にした。
◆
SIDE紫苑
翠がデュエルフィールドを離れ、会場を出るとまたガヤガヤとうるさくなる。しかし、その話し声のほとんどがさっきの姉のデュエルに対しての陰口だった。
それを聴いて何もできない自分に歯がゆさを感じ、1人拳を強く握り締めている。そんな周りにいる十代達はどう声掛けをしていいのかわからず苦い表情をしている。
暫くそのままの状態が続いているとフワリと後ろから抱きすくめられる。
「…!?姉ちゃん?」
いつの間にか二階の観客席へと上がってきていたのだ。
「ありがとね。私のために怒ってくれて。そんなに拳を強く握ってさ。けどね、それは私がどうにかすることだから…紫苑は気にしなくていいの」
そこまで言うとギュッと抱きしめる力を強くする
「………//は、恥ずいからやめてってば//」
十代や明日香たちはさっきまでの表情から一転し、ニヤニヤと笑みを浮かべている。
「ふふ、こまった表情の紫苑も可愛いわね」
と冗談混じりに明日香が言うと翠もそれに便乗して、胸を後頭部に押し付けるように抱きついてくる。
「!?!?!?!?!?//」
「お前ら、仲いいな〜」
「ちょ、十代助けて!」
十代に助けを求めるがヤダと一蹴される。
そこからしばらく翠を筆頭に弄られていると紫苑の番がくる。
『え〜、叢雲 紫苑さんと** *さん実技試験を始めます。デュエルフィールドまで来てください。』
「「「「「「えー!!!!」」」」」」
紫苑の対戦相手を聴いた周りの皆は驚きの声をあげるがただ一人姉の翠はまぁ、それでも問題なく勝っちゃうけどね…と呟いた。
後書き
紫・翠「なーにかな!なーにかな?今週のカードはコレ!!」
【力の代行者 マーズ】
翠「代行者の一人で魔法を一切受け付けず、比較的簡単に召喚できる子だね。最も天空の聖域がなければ、攻撃力0モンスターだけどね。」
紫「び、微妙…ワンキルやるには必要なパーツが多いから成功しにくい。同じような効果ならシンクロモンスターで【エンシェントホーリーワイバーン】がいるからね。そんなに需要ないと思う。」
翠「ひっどーい!魔法効かないから聖杯とかで無効にされないから…ってサイクロンとかで聖域破壊されたら攻撃力0になって返り討ちか…ダメじゃん」
紫「手のひら返すの早くね!?もっとフォローしてやれよ!」
翠「あ、そういうの要らないんで。それに代行者あんまり使わね〜」
紫「ダメだ!この姉!!」
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