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ウィザード外伝-仮面ライダーサマナー-~指輪の召喚師~

作者:蜥蜴石
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Shadow in the Under World

『バルッ…バルバルッ!バルッ!!』

『ギィイイラァアアアアアアアア!!』

『『『ガァアアアア!!』』』


『はぁああああああ!!』

『ギジャアアアアア!!コロス!コロスコロスコロスコロスコロスコロスゥウウウウ!!』

召喚されたフラウロスとサラマンダーはグールを相手に、サマナーはマカラを相手に…戦いは既に大乱戦と化していた。

『バルァッ!!』

『ギララァッ!!』

『『『ギャアアアアアアアアア!!』』』

『このファントムの恥晒し共が…召喚師のペットなんぞになりやがって…!!』

『ぐあ!?』

『死ねェェエエエエエッ!!』

『ギギェエエエ!!?アガ…ガボッ…ゲッ…』

フラウロスとサラマンダーが連携を取りながらグール達を全滅させたが、その一部始終を見たマカラの怒りは頂点に達した…人間を絶望させるべき存在であるはずのファントムがあろうことか敵対関係である召喚師の下僕(しもべ)として扱われてるという許されざる重罪を犯したのだ。それだけで万死に値する…マカラは抗戦中のサマナーを突き飛ばして地面に飛び込み、背鰭だけを出した状態で潜航してサラマンダーに接近し、その喉笛目掛けて飛び掛かり、食い千切ってしまった。傷口(ダメージ)はかなり深く、サラマンダーは全身の肉体が崩れ落ち、何故かドロドロした赤いゲル状の液体へと変わり果てながら息絶えた。

『てめぇも死ねェッ!!』

『ぐおぁッ!チィッ…一体やられたか…だがッ!』

[DOPING Now]

マカラはそのまま飛び掛かり、鈎爪でサマナーの左肩を引き裂きながら地中へと再び潜行して周囲をグルグル回る…サマナーはサラマンダーがやられたのを見て新たな指輪を付けてその効果を発動させた途端、サラマンダーだった液体(モノ)が浮かび上がり、サマナーの全身に雨の降りかかって浸透していく。

『そんな指輪使った程度でェッ!!』

マカラは臆すること無くそのまま飛び掛かり、口を大きく開いてサマナーを噛み殺そうとしたが…。

『…ぬぁあああああああ!!』

『ガァッ!?』

『フッ…フゥウウッ…!ぐぉあああああ!!』

『なっ!!?』

サマナーは息を荒げながらそれを見切り、マカラの顎に強烈なアッパーを見舞い、倒れたマカラの巨体を細身のサマナーが軽々と持ち上げるという信じられない行為をやってのけた…これは先程使ったドーピングリングと呼ばれる指輪の効果のおかげである。

召喚したファントムが死亡した場合、全て赤いゲルと化す…ファントムは存在自体が魔力の塊の様なもののため、赤いゲルにも膨大な魔力が含まれている。ドーピングリングはその赤いゲルをサマナー本人に吸収させて爆発的にパワーアップすることが可能なのだが、急激な身体・魔力の強化は負荷を与えるためこちらもあまり多用の出来ない。

『ゴフッ…ガッ…!ぬがぁああああああ!!』

『ギャアアアアア!!』

『はあ…はああああああああ…!!』

[Hey!PSYCHO STRIKE!Shall We Dance!?]

『うああああああッ!!』

『ゴギャアアアア!?』

サマナーは黒縄市民公園に設置されてたシンボル・記念碑目掛けてマカラを投げつけた。尚、記念碑が粉々になってしまい、思い切り器物破損なのだがそんなものを気にしては戦えない…加えて相手はどうしようもない外道、この世に存在すること自体許されざる存在・ファントム、故に追撃の手を緩めるなどという選択肢は一切無い…更に魔力で出来た強力なエネルギーの衝撃波を放つ攻撃・サイコストライクを発動して追い討ちをかけた

『…はあ…はあ…フッ…フッ…フゥウウッ!!』

『ゲハッ…ガゴッ…ま、待て!!止せ!!勘弁してくれ!!ヒッ…ヒイイイイイイイ!!』

呼吸がますます荒くなるサマナーが指輪を選択している最中、あれほどまでに獣かなにかの如く暴れ回っていたのが嘘の様にマカラが突如命乞いを始めたが、サマナーは構わず選んだものへと交換した

『お前…それは本気で言っているのか…?』

『も…勿論だとも!!だってよ、ホラ!こんな重傷だし、だから…な?な!?話せば解るッ…!!』

『ふざけるな、クソ外道…。ワンちゃん、いや、ロッキーの…小さな命を奪って鈴鳴ちゃんを絶望させただろう…!それに街で何人食らった!!まさか、もう忘れたのかッ…!?』

『はあッ!?ザケンナはこっちの方だ!!食ったモンなんざイチイチ覚えていられっか!たかが犬ッコロ一匹殺した程度でマジになるんじゃねーよ!!いいから助けろっつってんだよ!!潰すぞ、このボ…!!』

『死ね』

『…ケ…って、あ…?』

ロッキーのみならず多くの人間を欲望(ほんのう)の思うがままに喰い殺しておきながらそのことをサマナーに指摘された途端にマカラは反省の色を見せるどころか逆ギレを起こす始末…その命乞いの内容があまりにも自分に都合が良過ぎる矛盾で満ちたものだったため、サマナーはたった一言の死刑判決でバッサリと切り捨てる…

[Le Patch Magic,Touch Go!Le Patch Magic,Touch Go!]

サマナーはドライバーを操作、この真面目な場面で明らかに浮いてるふざけているような音声が響く中、決め手となる必殺技の指輪をバックルに当てた。

[Hey!MIXING STRIKE!Shall We Dance!?]

『はああああああ…!!』

『た…助け…!?』

『バルルルル…!!ヴァア゙ア゙アア!!』

『こ、このっ…このクソがァアアアア!!』

必殺技専用のミキシングストライクリングの効果を発動させたサマナーが構えを取ったのを見るや否やすぐさま逃げの体勢を取ろうとしたマカラだったが、いつの間にか背後に立っていたフラウロスが両足の弦を伸ばしてマカラを縛り上げ、拘束した…これで逃げ場は完全に無くなった

『デヤァアアアアアアアアアアアア!!』

『バォアアアアアアアアアアアアア!!』

『ぎぃやぁあああああああああああああああァアアアアッ!!?』

サマナーとフラウロスは地を蹴って宙を高らかに跳躍し、両者は足を突き出してマカラを互いに挟み撃ちにする形で必殺のキック『ストライクサマナーツヴァイ』を叩き込んだ瞬間、遂に外道は爆散しこの世から消え去った。


『…戻れ。』

[SEAL Now]

『バルルルル…』

戦闘を終了したサマナーが指輪・シールリングを発動した途端、魔法陣が現れ、フラウロスは役目を終えたかのようにその中へと吸い込まれてしまう…この指輪がファントムを封印する役割を持ち、ファントム達が『神隠し』と呼ぶ現象の原因たる指輪であり、封印した後にコールリングを使用すれば自在にファントムを召喚・使役することが可能となる。だがコールリングで呼び出した際にはまた必ずシールリングを使わなければならないという少々面倒な仕様であるが…。

『はっ…はあっ…ふうっ…ふうううっ…まだ…終わり、じゃないっ…!!』

フラフラと危なっかしい足取りでサマナーは絶望して人形の様に動かぬ鈴鳴に近づき、彼女の指に指輪をはめた。

[ENGAGE Now]

『絶対、に…絶、望…させて…たまるか…!!』


絶望を希望に変えるための『約束(エンゲージ)』の名を持つ指輪の力によりサマナーはなんと鈴鳴の身体の中へと入り込んでしまった。


『はああああああ!!』

エンゲージリングには人間の精神世界『アンダーワールド』へとダイブする効果がある。ゲートのアンダーワールドには絶望することによって誕生したファントムが必ずおり、撃破することによりゲートの命が助かるだけでなく、魔力を完全に失い、二度とファントムの標的になることは無い…そう、これこそがファントムによって絶望させられた人間を救う唯一の手段である。


鈴鳴のアンダーワールド内部

『な、なんだ…これは?嘘だろ…これが鈴鳴ちゃんのアンダーワールドなのか!?』

サマナーがアンダーワールドへと到着して内部の様子を見るや否や、あまりの信じ難い全貌に彼自身も思わず愕然とした

本来、アンダーワールドというものは人間誰しもが思い描く『心の風景』、解りやすく言えばその人の心に強く残る楽しかった思い出などの記憶がまるでドラマや映画のワンシーンの様に流れるものだが…鈴鳴のアンダーワールドは違った。



闇、闇、闇…光を決して見ることの無い人生を送ってきた盲目の彼女の心の風景もまた、一片の光も無い…暗く、深く、冷たい、黒一色で塗り潰された暗闇の世界だった。

『この娘には…何も無いのか!?楽しかったことも、心に残るような思い出、も…?』

何も見えない闇に閉ざされたアンダーワールドの中のサマナーは心がヘシ折られそうになったと同時に鈴鳴が如何に誰からも理解されない様な孤独で惨めな人生を送ってきたかを悟ってしまった…だがその時。

「ロッキー…?あなた、ロッキーって言うの?」

『きゃんきゃん!わうー!!』

「私にも出来た…はじめての…友達…。」

確かに聞こえた…何も見えないため、これは察するに鈴鳴が初めてロッキーと出会った日の記憶だろうか?だがアンダーワールドの鈴鳴とロッキーの嬉しそうな声を聞いた途端、宙に紫色の亀裂が走り…文字通り、心を食い破る形でソレは現れた…。



『…ォオオオオオオ~~~ン…オオオオオ~~~ン…』

まるで嘆き悲しむかのような悲しい叫び声と共に現れたのは、ドクンドクンと心臓の様に鼓動する血管の様なもので全体を覆われた透明、且つ、巨大な薄い膜状の球体…。

その中は緑色の培養液で満たされ、更に液体の中ではツルンとしたのっぺらぼうな顔、悪魔を彷彿とさせるような禍々しい蝙蝠の羽と化した両腕、海老の尻尾を思わせる反り返った多脚が生えた下半身、全体的にクリオネにも似た容姿をした異形の怪物が胎児の如くプカプカと浮かんでいた…。

そして何より特徴的なのは外部からの接触から心を閉ざすかの様に絶えず丸くうずくまった姿勢を取り続け、決して顔を見上げようとしないところである…まるで球体の内部にしか自分の居場所が無いみたいに、この異形の姿はまさに『もう一人の鈴鳴』、または『鈴鳴そのもの』と言っても過言は無かった。

『オオオオオ~ン…ォオオオオオオオ~ン…!!』

雪之瀬鈴鳴のアンダーワールドから生まれた巨大な魔力の塊・メフィストフェレスは物悲しい声を上げながら、自身が閉じこもるための殻の役割を果たす球体に走る血管を複数伸ばし、その先端部分を四本の指が生えた手に変化させてアンダーワールド内の空間を手当たり次第破壊し、ドンドン紫の亀裂を広げていく。

『やめろ!!そんなことするなッ!!』

メフィストフェレスがアンダーワールドを破壊していく姿を見たサマナーにはそれがまるで鈴鳴が自分自身を傷つけてる様にしか見えず、気づけば無意識の内にヴェルサイザーを握り締めながら走り出していた。

『…ッ!!ォオオオオオオオーン!!』

『何…!?ぐぶっ!ゲボッ!ガッ!!』

侵入者の存在に気づいた次の瞬間、メフィストフェレスはまるでカメレオンの保護色の様に周囲の闇に溶け込んでその巨大な姿を完全に消し、サマナーを容赦無く攻撃した。

『コイツ…!?うぐぁああああああああ!!』

ただでさえ何も見えない闇の世界な上に相手は姿を消して視認が出来ないという最悪過ぎる戦況…サマナーはそんな戦いを強いられることになる中、一方的に嬲られる始末、このままでは鈴鳴を救うどころか自分の命さえ危うい…。

『来い!ペガサスッ!!』

『ヒヒィイイイイン!!ブルルルルッ!!』


[PEGASRIZE!]

サマナーは圧倒的に不利な今を変えるためにペガサライズリングという指輪を使用…するとどこからともなく雄々しい翼を生やし、装甲に包まれた全身が眩い白銀に輝く巨大な天馬…サマナーが使役するファントム・サマナーペガサスが降臨した

本来ならば自分のアンダーワールドで生まれたファントムにアンダーワールドを破壊されて死ぬハズが極めて低い確率で稀に抑え込みその魔力を逆に自分のものにしたのが魔法使い…つまりファントムの『なりそこない』であり、サマナーとて例外ではなかった。

『ペガサス!このアンダーワールドを照らせ!!』

『ヒヒィイイイイン!!』

サマナーはペガサスに乗り込み、指示を与えると突如、身体の輝きはますます強くなり、アンダーワールドの闇を全て払うかのように強烈な光を放った。

『オギャアアアアア!!ヒギィイイイイ!!?ギェアア゙アアア゙アアアアア!!』

『見えた!!そこか!!』

姿を消していたメフィストフェレスだったがその隠れるための闇が見知らぬ光(ナニカ)によって無くなったばかりか、全身が少しずつ浄化されて溶け始め、悶え苦しみ出した…どうやらこのファントムは宿主同様、闇の世界でしか生きることが出来ず、光という未知に関しては激しい拒否反応を示すようである…。

『ヴォオ゙オオオ゙オ゙オ゙オン!!』

早くこの侵入者共を排除しなくては…メフィストフェレスは自分にとってはあまりにも危険過ぎる異物と判断したサマナーとペガサスを抹殺すべく、無数の血管を伸ばしたり、血管の手から魔力の弾丸を放ったりと本格的な攻撃を展開していく。

『おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!』

しかしそれら全ての攻撃はペガサスによって発せられる光のせいで照準が狂い、掠りさえもしなかった。ペガサスは攻撃を華麗に回避しながら飛翔し、乗り込んでいたサマナーはメフィストフェレスの頭上まで到着した時、ペガサスから飛び降りる…

『はぁああああああああああああ!!』

『ヴォオオオオオオオーーーンッ!!?』

同時にペガサスは自分の身体を分離させ、四本の脚をサマナーの両足に、首を真後ろの方へと倒した状態の胴体を背中に装着させ、翼を大きく羽ばたかせて加速しながら接近し、翼から羽根を弾丸の如く放ちメフィストフェレスの膜を撃ち貫きながらトドメにキックを叩き込む『ストライクラスト』でトドメを刺した。

『ギャア゙アアアアア゙アアアアアアアオ゙オオオ゙オオオォーーーッン』

断末魔の叫びと共にメフィストフェレスは小爆発を何度も起こしながらゆっくりと落下を始め、地上に不時着した途端、派手な大爆発を起こし、完全消滅した…。



その後…。



『…ハッ…!』

「…う…あ…?」

「鈴鳴ちゃん!!」

アンダーワールドからの帰還を果たしたサマナーは変身を解除してすぐさま鈴鳴に駆け寄った。

「…あ…あぁ…うあ゙ぁああ゙あああぁあああ!!いぎぁあ゙あああ゙ああ!!ぎぎぃえぇええ!!あがぁあ゙あああ゙ああ゙あああッ!!」

だが鈴鳴は目が覚めるや否や、ロッキーが殺された事を思い出し、まるで犬に取り憑かれたかのように口を大きく開いて涎を撒き散らしながら人間とは到底思えぬ様な悲鳴を轟かせて錯乱した。

「がゔぅあぁあ゙ああああ!!ぎぃえ゙あああ゙あああああ!!」

「鈴、鳴…ちゃん…」

目を見開き、髪を掻き毟り、しまいには自分の頬の皮膚に爪を深く食い込ませながら血が出る勢いで引っ掻き回し始めた。そんな鈴鳴のあまりの豹変ぶりに銀嶺は顔を青褪めさせ、どうすべきか解らぬまま立ち尽くした…。

「ぎぇぁあ゙あああああああ!!」

「…鈴鳴ちゃん!!」

「ばうぅゔう…ううううー…!!ぎゃうっ…!?あ゙あぁあ゙ああああ!がうがぁああああ!!放ぜぇえ゙ええええ!!」

「痛ッ…!?ごめん…しばらく寝ていてくれ…!!」

[SLEEP Now]

「あ…がっ…!?ぐ…うう…」

狂気に駆り立てられ、裂けた頬を赤い液体で染める鈴鳴を銀嶺は落ち着かせるために押さえたが…しかし、鈴鳴の暴れ方はますます激しくなり歯を思い切り銀嶺の首筋に食い込ませて強く噛みついた。最早まともに止めるのは無理と悟り、仕方なく銀嶺は彼女の指に強引に指輪をはめ、スリープリングの効果を発動させて眠りにつかせた…。

(無理もない…この娘はたった今、本当の意味で一人ぼっちになってしまったんだから、な…チクショオォオオッ…!僕は…最低だ!!鈴鳴ちゃんはこれから一体どうやって生きていけばいいんだ!?)

鈴鳴を眠らせて大人しくさせた銀嶺は頭を抱えながら自分の無力さを激しく後悔した。ゲートである彼女は確かに救った…魔力の塊であり源であったメフィストフェレスを倒したことで生まれ持っていた魔力も消え、ファントムに襲われることはもう無いだろう。しかしあくまでも救えたのは鈴鳴だけだ…彼女のかけがいないもの・ロッキーは救えなかった…。

こうなった以上、彼女を待つものはもう生きる支えの無い孤独、且つ、無意味な人生という名の生き地獄しかない、再び鈴鳴は誰からも自身の抱える苦しみを理解されぬまま周囲の望みの無い期待と奇異の目に晒され、苛まれ、やがてはあのアンダーワールドのような闇の世界に似た冷たい心の殻の中にしか生きられなくなってしまう…果たしてこの生き方が今後の彼女のためになるのか?否、それは違う。

(そんなもの人間の生き方じゃない!!だが僕に何が出来る…?)

かと言って自分が今の鈴鳴に対してどうにか出来るのか?否、銀嶺とて全ての人間から全ての絶望を無くせるほど自分が万能だなどと思い上がってはいない…召喚師といえどもただの人間、出来ることと出来ないは当然ある…アンダーワールドに入ってゲートの命と思い出は救えても、心の奥深くにある万人なれど立ち入れられないような…そういう誰もが抱えてるだろう根源的な心の闇まではどうしようもなかった。

(…師匠もよく言ってたな、『人と人との出会いは人を良くも悪くも変える。それだけで互いの生き方は決まっていく』…って)

銀嶺の『師匠』なる人物曰く、出会いというものが人間が生きてく上での人生を成形していくものらしい、鈴鳴は周りに理解者がいなかった…だが人間ではないが盲導犬であるロッキーのおかげで自分の希望が見つかり、ロッキーもまた彼女に出会い自分の与えられた役目を果たせたのだ。

(…そうだ…!もしかしたら、『あの子』が鈴鳴ちゃんを助けられるかもしれない!それに鈴鳴ちゃんなら『あの子』も受け入れてくれるかもしれない!)

此処で以前に出会い、サマナーとして希望を守ったある人物の存在を思い出す…銀嶺は眠りにつく鈴鳴に一つの約束をした。

(僕もいる。あの子もいる。本当の意味で一人ぼっちなんかにはさせない…今は辛いだろうけど、今度こそ救ってみせるからね…。)

絶望を従え、絶望を狩る召喚師…全ての人間から全ての希望を守るために、人知れずまた戦いに身を投じていく…。 
 

 
後書き
どうも皆様、今まで暁(こちら)での勝手が解らずに前書きやら後書きやらを全く書かなかったのですが改めて皆様はじめまして作者の蜥蜴石です。別名義で小説家になろうやPixivにも手を伸ばしてますが新境地として新たに暁にも手を出しました所存であります。



※以降、後書きが非常にダラダラしてて長くなってますので面倒な方は読まずにスルーして強制終了しても構いませんので御心配無く(汗)



仮面ライダーサマナー、如何でしょうか?暴力的かつ残酷な描写も多く、救いがない内容(勿論全く無いわけではない)で申し訳ありません…ゲートへの絶望度合いをあれこれ考えたら結果的にこうなってました(汗)

如何に魔法使い(こちらは召喚師ですが…)であっても心に抱える絶望までは救えないと思いますね、本家仮面ライダーウィザード/操真晴人然り、仮面ライダービースト/仁藤攻介然り、彼らも魔法使いである前に一人の人間です。神様みたいに誰も彼も本当の意味で救えるほど万能というわけではなく限界もある。限界もあるからこそ諦めず自分達の出来る限りで今まで希望を救ってきたり、コヨミ達仲間もまた出来る範囲で彼らに頼ったり頼られたりもしたと思います。

今作主人公・陰波銀嶺もまた一人の人間として万能の希望などでは決して無く、本当の意味で人を救うことなど出来ない不器用でちっぽけな人間です。ラストで鈴鳴のこと他人任せの丸投げみたいにしましたが、自分で解決出来ない問題を誰かに頼ったり、相談したりと…これは平成ライダー全てに言えますが結構大切なことだと思います

銀嶺には師匠と呼ぶ人物がいますがそちらに関しては大分後に明かされる予定…になります(←本当か?)

召喚をはじめ様々な魔法を多用するサマナーですがやたら燃費が悪いのがデメリット、戦いが終わった後は常に疲労困憊であり巨大ファントム戦まであると更に地獄…尚、ミキシングストライクはまんまダブルライダーキック…(汗)

サマナーが使役するファントムはペガサス(←どこぞの蟹座の前身ではありません)、あまりファントムっぽくないですが神話では英雄ペルセウスに首をはねられたメデューサ(←ミサではなく本物)が撒き散らした血液から生まれた曰くつきの天馬だったりします

巨大ファントム・メフィストフェレス…有名どころの悪魔であり、その名前には『光を憎む者』『光を嫌う者』という意味合いを持ってるため鈴鳴にはピッタリだと思い、且つ、巨大ファントムは名前が長いのが多いため決定しました

次回は鈴鳴の新たな支えになるだろう人物、銀嶺がその人物と出会った経緯の話です。それでは蜥蜴石でした 
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