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勇者指令ダグオンA's どっこい

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第十話 激戦!ファントム七重の塔

ある海鳴のどっかその辺

「♪~♪~」

スーパーの袋片手に暢気に南家に向かう疾風の姿が・・・

すると

「組長!」

「ほへ?」

何者かに呼び止められて振り返るはやて。

第十話 激戦!ファントム七重の塔

南家

「「「「「お腹空いたぁぁぁぁぁぁ」」」」」

夕飯時にちゃぶ台囲んで蹲る南家の方々。

その理由は・・・

「はやてまだかな・・・」

はやてが帰ってきていないので夕飯に有りつけていないのである。最近夕飯ははやて任せで・・・というよりも南家の食生活を見かねたはやてが自ら作りに来てくれるのである。

そして今日は客人も招いている。

「がるるるる・・・お腹減ったのだ」

畢である。すると飛鳥がもっともな意見を言ってきた。

「今日は諦めて自分で作れば?」

「あのね・・・お金が1円も無い!」

飛鳥の目の前でガマ財布を逆さに振る力ちゃん。

「お前・・・はやてに貰った小遣い使い切ったか・・・」

月のお小遣い500円の力ちゃん。無駄遣いするタイプのようなのではやてに管理されているらしい。

その時だった。

凄まじい突風が窓から差し込むとその先に矢が刺さった。そして矢には・・・

「なんじゃ!?矢文?」

「サイモンとルーテシアの文通か?」

と思って力と飛鳥が矢文を見るとしっかりと『八神組の皆さんへ☆』と書かれていた。

すると飛鳥が矢文の内容を朗読し始めた。

「おほほほほ・・・組長は預かったわ~・・・返してほしければこの塔まで来ることね・・・・ミスサンカゲツ・・・だって」

「何だと!?誰だそんなふざけた奴は」

「いや・・・あんたバレバレでしょ・・・」

腹が減っているせいか冷静な判断が下せない力ちゃんにややドライな反応を見せる飛鳥。

すると力は唸っている楓を叩き起こした。

「みんな!起きろ!はやてを助けに行くぞ!ウチの夕飯がかかってるんだ!!」

「何ですって!?わかりました!行きましょう!!」

気合入れて出動する力と楓。

すると飛鳥は矢文が飛んできた窓の外を見ると壁に刺さっている無数の矢が・・・

「ミッちゃん・・・外したの?」

そう言って心配なので力と楓の後を追いかける事にした飛鳥。

尚、援軍で大地と北斗とサイモンを呼んだのは言うまでも無かった。

一方七階建てのファントム七重の塔では・・・

「ふふふふふ!八神組よ!今日で最期よ!」

モニターのある指令室でいかにもと言った鉄仮面を被ったミスサンカゲツの姿が・・・その後ろでには。

「なぁミツキさんはよ帰してぇな。夕飯遅くなると力君うるさいんや」

取りあえず縄でグルグル巻きにされたはやての姿が・・・

「ノウ!ミスサンカゲツよ!私はミツキではない!!」

バレバレなのですがあくまでも別人だと言い張るミスサンカゲツ。

とりあえずここは定番の目的を聞いてみる事にしたはやて。

「あぁ~う~んあんたの目的は何や~」

「うわぁやる気のない聞き方・・・ふ!この無敵のファントム七重の塔で八神組を倒すことよ「んで?本心は?」新しく考案した警備システムの実験ウチの上司納得させるには天下の暴れん坊の八神組を倒せば納得するし・・・は!」

ミスサンカゲツの本心を聞いたはやては・・・

「それユウにやらせればええやん」

「ええ~?あの子特殊能力ないし~?」

「嘘つくんやないわ!ばっちりくっきりあるやんけ!何処が特殊能力なしや!!」

「まぁ冗談はさておき・・・ん!んん!・・・ふふふ・・・あの超人を倒せばこのファントム七重の塔は完璧な物となるのだ!あっはははっはっは!!」

仕切り直して元に戻るミスサンカゲツだった。

そしてファントム七重の塔玄関ではお腹を空かせた力・楓さらに畢が並び立ち、それを止めに来た飛鳥と大地に巻き込まれた北斗とサイモン。

「行くぞ皆!ウチの夕飯がかかってるんだ!」

「お腹すきました!」

「がるるるる!いくらお菓子のお姉ちゃんでもバッタのご飯お預けにするとは許せないのだ!」

思いっきりお腹空かせた人達。

「うわ・・・ミツキさんどっから資金出したんだ?」

「ミツキさん金持ちだから財産叩いたか・・・大方クロノの財産か管理局の経費ちょろまかしたか・・・」

ややドライな反応の人達。

「・・・何で俺がんな事せにゃならねえんだ」

「・・・まぁまぁ・・・いつもの事だし・・・」

巻き込まれた人達。

「いくぞみんな!突撃だ!!」

そう言って第一の間に突撃する力達は入ってすぐに大きな広間に出た。

「なんだここ?」

力達が廻りを見回すと壁に設置されたスピーカーが起動した。

『おほほほほ!よく来たわね八神組!組長を返してほしければこのファントム七重の塔の七つの試練を乗り越える事ね?まずは1階の試練よ!出でよ!戦士よ!!』

悪者っぽい言い回しでミスサンカゲツが繰り出したのは・・・

「トウゴ?」

ユウの仲間の一人のトウゴであった。するとトウゴは・・・

「南大地を出せ!」

「へ?」

行き成りご指名された大地。すると大地の姿を見たトウゴは敵意をむき出しにした。

「南大地・・・貴様!そっちのスバルさんを散々弄んだ挙句捨てやがったな!!」

思いっきり誤解しているトウゴに大地は・・・

「貴様!んなことするか!!」

「うるさい!貴様のような奴!この俺が成敗してくれる!!」

魔力を爆発させ大地に向かって構えるトウゴの反応を見た力達は・・・

「ようっし次行くぞ次!」

「ちょっと待て爺さん!」

「男女関係のもつれ何て当人同士でやれ!!」

そう言って大地をその場に残してさっさと上の階に行く力達。

するとトウゴの拳が大地に襲い掛かった。大地は咄嗟にガードするがトウゴの拳は骨に痛みが走るほどの威力だった。

(ただの一直線男じゃねえってことか!?)

するとトウゴは・・・

「トルネードキャノン!」

魔力の球を作り上げ大地に向かって投げるが咄嗟に避けた大地は自身の弓を取り出し魔力で矢を形成するとトウゴに向かって連射し始めた。

「い!?」

奇襲に驚いたトウゴは全て避けると・・・

「貴様!飛び道具とは卑怯だぞ!!」

「じゃ!貴様のさっきの技は一体何なんだ!!?」

と言うような言い合いを始めた。

更にしょうも無い会話は続いた。

「貴様・・・スバルさんに『行ってきます』と『おかえりなさい』と『おやすみ』のチューをさせてるみたいじゃないか!この不埒ものめ!!」

「させるか!妙な誤解してるんじゃねえ!!」

実は楓がスバルに「大地はチューしないと激怒する」といった大ぼらを吹きスバルがそれを真に受けてしまった為やられそうになるのだが毎度毎度拒否する純情少年の大地ちゃん。

スバル曰く「大地は弟みたいなもんだし♪」程度にしか思っていないらしい。

尚、大将の如く邪神化した大地が余計な事を言った楓を粛正したのは言うまでもない。

とりあえずくだらない争いが放っておいて2階についた力達。

何やらいかにもと言うようなお墓が並んでいた。

「気味悪いな」

「俺殴って倒れる幽霊じゃないとダメなんだよ・・・」

周囲を見回す力にしがみ付くサイモン。

すると飛鳥は・・・

「大丈夫よ・・・そういう時は此処にいる坊さんに頼めばいいから」

「だから俺は坊主じゃねぇって」

と言い合いを続けていると突然お墓が揺れ出したと思えば・・・中からゾンビが飛び出した。

「ホラー映画かよ!?北斗!何とかしろ!」

「クリーチャーに効くのか?・・・」

取りあえず北斗が経文を唱えてみるが案の定、効かない。

すると北斗は諦めて気功銃取り出しゾンビに向かって放つとゾンビの頭が破壊されて中から機械が見えた。

「なんだ・・・ロボットかよ」

肩を落とす力だがお墓の中から次々と出てくるロボットゾンビの数々に北斗は・・・

「てめえら先行け・・・」

「へ?良いのか?」

「こういうのの相手は坊さんなんだろ?・・・それにさっさと終わらせてとっとと帰る」

面倒臭くなったのかここに残ってゾンビ達を引き受ける事にした北斗。

それに任せて力達は3階に向かった。

わらわらと来るゾンビを着実に倒しながら北斗は言った。

「俺はホラー映画で真っ先に殺されるタイプじゃないぜ」

そう言って気功銃に弾を込めるのであった。

3階にて

「な!」

また再びだだっ広い空間に出て来た力達が周囲を見回すと・・・

「隙あり!!」

「!?」

ツインブレード二刀流で襲い掛かってくる少年の姿が・・・

その人物は・・・

「ツバサ!?」

ミツキの養女となったツバサだった。

「ちょっと解説!初めての人がいるんだからボクは女だってちゃんと説明しなよ!」

すみません

兎に角ツバサがツインブレードを構えて悪のセリフっぽい事を言い始めた。

「さぁ!組長を助けたければボクを倒すことだ!ふっはっはっは!!」

悪役の様に大笑いするとツインブレードである人物に襲い掛かった。

その人物は・・・

「俺かよ!」

サイモンだった。

この人選は・・・

「お子ちゃまのサイモンだったら楽に倒せる!」

「そんな言い分かよ!」

ツバサの剣舞に翻弄されながらも確実に回避するサイモン。しかし華麗なツバサに比べて凄まじく無様に避けまくっている。

すると

「んじゃサイモン!後は任せた!」

「えええええ!!」

無責任にもツバサの相手を託されてしまったサイモンはツバサの容赦ない攻撃に翻弄されとうとう追いつめられると文句を言い出した。

「ひ!卑怯だぞ!俺は素手で戦ってるのに自分だけ武器持ちやがって!!」

「はぁ・・・我がままだな・・・・ほら・・・これで素手だよ」

サイモンの主張に呆れたツバサは望みどおりツインブレードを捨てて既になったことをアピールするとサイモンは自分の足元に転がってきたツバサの捨てたツインブレードを拾い上げた。

「さぁ!どっからでもかかってきやがれ!」

行き成り強気になるサイモン。

「・・・やってて恥ずかしくないの?」

「これもウチの大将を助けるためだ!」

「・・・自分を正当化させるための理屈はどうでもつけられるね」

呆れた通り越して完全に冷たい目線でサイモンを見つめるツバサ。

「ふん!剣を持ったぐらいで勝った気にならないでね・・・ぽちっとな」

「ん?%%%%%%################!!!」

ツバサが懐からスイッチを取り出し押すとツインブレードが1兆ボルトの電流を放った当然持っていたサイモンは凄まじいダメージを負ってしまうとツインブレードを落して倒れてしまった。

「こ・・・こんな仕掛けを・・・こいつぜってえミツキさんの娘だ!ミツキさんの『必殺!ミツキの悪ふざけ』だ」

「ふふふ!ボクの悪ふざけはこんなもので終わらないよ!」

「く!やられてたまるか!!」

ツバサが次の手を打つ前にサイモンが持ち前の剛力で床をひっぺ返しツバサに向かって投げつけるとツバサは・・・

(ほほ~流石地球人にとっての1トンが1キロのラディ星人!)

そう言ってツバサはサイモンが投げた床を叩き落とすと再び攻撃態勢に切り替わった。

硬派なのか間抜けなのか何やかんやで先に進むと・・・

4階

「ふ・・・ふ・・・ふ・・・」

指関節をバキバキ鳴らしながら4階の間でノアが待っている。

誰を待っているかと言うと・・・

「楓えええええ!」

この日の為にノアは再び修行の毎日を送ったミツキに見つからないように楓の等身大人形を相手に戦い抜き・・・身体に重りを付けてエクササイズを繰り返し・・・滝に打たれて精神の修行をし・・・ユウを無理矢理巻き込みたい楓用対策の限りを骨の髄まで身に付けやる気満々のノアの叫びに楓が参上するであろうと思ったその時だった。

「ガルルルルルルルルルルルルルルルルルルル!!!」

「!?」

真っ先に入ってきたのはお腹を空かせた大珍獣・畢だった。

畢の姿を見たノアは身体を硬直させてしまう。そのギラギラとした本能に忠実な目・・・餌なら何でも食らいそうな口に凄まじい量の涎・・・はやてのご馳走を食べるべく晩御飯を抜いている為、畢は物凄くお腹が減っているのだ。

結果

「フカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

楓とバトルをする前に思いっきり苦手なバッタに追い掛け回されるノア。障壁を張っているが腹ペコの畢は体当たりで全て粉々に砕きノアに襲い掛かった。

4階の間を守るノアが畢に追い掛け回されているので・・・

「一応・・・私残った方が良いですかね」

「そうだな・・・ノアの為にも」

取りあえず4階に残る事になった楓は力と飛鳥のコンビを見送るのであった。

5階

「よっしゃ!もうなんでもきやがれってんだ!」

再びだだっ広い空間に出るが何も無く力と飛鳥が何かの張り紙を見つけた。

「心に迷いを抱える者に真実の道が見える・・・どういうこと?」

「知らん!突撃!!」

張り紙の意味が分からず力が真っ直ぐ次の階段に行こうとすると・・・

「ゲフ!!」

見えない壁にぶち当たった。思いっきり地面に沈む力ちゃん。

すると飛鳥が何を思いついたか力に提案してみた。

「今日はとんかつとハンバーグ・・・どっちが食べたい?」

「え?ジューシーなとんかつ・・・いや!コクのあるハンバーグも捨てがたい・・・う~ん」

とんかつかハンバーグか力が悩んでいると行き成り壁が見え始めた。

「なるほど・・・心に迷いがあれば道が出てくんのね・・・しかも迷宮になってるし・・・」

「あ!成程そういう事だったのか?」

「あ!馬鹿!」

力が飛鳥の仕掛けた引っ掛けに気付いた瞬間今まで見えていた道が消えてしまった。

「どうしよう!飛鳥道が見えないよ!」

「んまぁ・・・あたしの場合は咄嗟に思いつかないし・・・んじゃあたしとはやて・・・どっちが怖い?」

すると

「すげぇ迷う・・・はやては怖いし・・・飛鳥も本気だすと怖いし・・・」

頭を捻る力ちゃんに更に飛鳥は・・・

「高町教官とハラオウン執務官・・・どっちが怖い?」

「!!」

己にとって非常に恨みを持っている人物の名を上げられてさらに頭を捻る力ちゃんすると道が見え始めた。

飛鳥は力の肩に跨ると上から順路を発見し見事次への階段を駆け上がった。

6階

「さっきは簡単だったな・・・なして?」

「・・・大方もうファントムで暇な人がいなかったんじゃないの?」

ややドライな反応を示すと6階の間にスイッチが置いてあった。

「なんだこれ次の罠か?」

「どうせこれ押さなきゃ次のステージにいけないんでしょ・・・ほい押して」

「あいよ」

そう言って力がスイッチを押すとボンッと煙が噴き出した。

「げふげふ!なんなのよ・・・え?」

「「「「「#$&#&$#&‘$#&’#‘$#’%$#&#&$#」」」」」

煙が晴れていくと飛鳥の目の前にはワラワラと何故か力の群れが・・・

わらわらと数百人はいるであろう力の中から本物の力を1発で見付けなければならなくなった飛鳥はとりあえず頭を捻った。

すると館内放送が鳴り響いた。

『おっほっほっほっほ!!』

「うわ・・・ミッちゃん凄くわざとらしい笑い方」

『ちょっと!そこで盛り下げるようなしないでよ!コホン!このフロアはスイッチを押した人間のそっくりさんを生み出す部屋よ!ここを突破したければ本物を見つける事ね!チャンスは一回!!』

ミスサンカゲツの言葉に飛鳥は本物の力を探そうとするが・・・

「俺が本物!」

「違う俺だって!!」

「俺に決まってんだろ!」

こういう時に限って自分が本物と主張する力達。

「頭脳労働は大地の担当なんだけどなぁぁ・・・そう言えばはやてが言ってたな~本物の力の見分け方・・・うう~ん!!」

力よりは確実に頭が良い飛鳥ははやてに教えてもらった事を思い出そうと頭を捻ると・・・思い出した。

「はい皆さんご注目!!」

「「「「「「「「!!?」」」」」」」」

飛鳥の言葉に振り返る力達に飛鳥は言った。

「1+1は?」

「「「「「「「「「2!!」」」」」」」」」

とごく一般的な答えを言う力達だが・・・一人だけ

「3!!」

と答えた馬鹿が居た。

結果

「はい・・・あんたが本物」

といって1+1を3と答えた力の手を引くと・・・

ピンポンピンポン!!

見事に正解し6階の間をクリアするのであった。

7階

「1+1を3って・・・・力君の馬鹿は底が知れないわね」

とうとう最後の間に立つミスサンカゲツとその後ろで縄グルグル巻きになってるはやて。

すると

「こるらああ!ミツキさん!ウチの夕飯を返せぇぇぇぇぇ!!」

「あんね力ちゃん・・・そこは嘘でも『はやてをかえせぇぇ』っていいなよ」

「ええよ飛鳥力君にそんな事期待してへんし」

己の本能に忠実な力の言葉に呆れる飛鳥と特に何も思っていないはやて。

「もうしょうがないな~こうなれば・・・この私自ら相手してくれるわ!!」

久しぶりに身体おもっきり動かせるためかやる気満々のミスサンカゲツ。

当然相手は・・・

「管理局の獣覚悟!!」

「あたしかい!!」

ミスサンカゲツの一閃を蹴りで受け止める飛鳥。一度ミツキとガチンコで戦った時は引き分けで終わったがかなりダメージ深刻だった記憶がある。

つまりやる気満々のミツキと戦えば自身も危ないと本能的に察知する野性の持ち主の飛鳥。

一方、飛鳥の野性すら読み取れる程の理性の持ち主のミツキ。

野性対理性の対決

・・・まじめな話でやればそれなりに画になる話だが生憎不真面目な話の塊であるこの話ではダレル要素でしかないか台無しになるような話である。

「ふっふっふ・・・飛鳥さん・・・あなたに引導を渡す時が来たようね!!」

「ミツキさん・・・あぁた暇なの?」

「ムカ!だまらっしゃい!毎度毎度飛鳥さんのやった事の後始末に私がどんな思いをしているか!!」

「まぁ・・・その点については感謝してるけど」

最近後始末をミツキに頼っている飛鳥だがとうとうミツキの堪忍袋の緒が切れたらしい。

一方力はと言うとミスサンカゲツの目を盗んではやての縄を解いていた。

「いやぁ・・・迷惑かけたわ」

「お前わざと捕まっただろ」

「せや♪ミツキさんが飛鳥との因縁の対決見せてあげる♪っていうからつい~」

「ミツキさん・・・狙いは飛鳥かよ・・・」

ていよく巻き込まれた力は全ての力を使い果たしてしまった。

「は!よ!と!!」

ミツキの華麗な攻撃を避けまくりながら飛鳥は地面に手を付くと黒い霧を発生させた。

「うわ・・・出したよ幻術」

「あれ厄介なんよね」

味方の能力に対してややドライな反応を示す力とはやて。

するとミスサンカゲツは自身の理性をフル回転させてみた。

「飛鳥さん!正々堂々戦わないと飛鳥さんの秘蔵のお酒割っちゃうからね!!」

飛鳥の大切な物を破壊しようと口で言った瞬間。空間を丸呑みしかねないほどの野性のオーラが包み込んだ。

ミスサンカゲツの背後に現れる飛鳥。

流石の力と飛鳥と・・・更にミスサンカゲツまでも怖気づき血走った眼の飛鳥は口を開いた。

「そうだったね・・・あんたはいつもそうだった・・・人の事を怒らせるような事を言って」

「い!いやははは!まさかここまで怒るなんて思わず!!てへ♪」

「何が『てへ♪』だ!!あんたなんて宅急便に詰めてユン先生の元に送り返してやるわ!!」

怒りに任せて飛鳥が叫ぶといきなりミスサンカゲツは鉄仮面を取って涙を流し始めた。

「ひ!う!羨ましかったの飛鳥さんが」

「羨ましい?」

「いつも現場ではつらつとしてる飛鳥さんの姿が!それに比べて私なんて司令官の椅子で書類整理ばかりで・・・」

思いっきり泣き落としにかかるミツキ。

だが飛鳥の場合は・・・

(・・・この人の事だ・・・ぜってえ嘘だ・・・)

野性的に直感するのだった。

一方力とはやては・・・

「随分と低次元な戦いになったぞ」

「やっぱりな・・・元が不真面目な話で無理矢理まじめな話をやろうとするとこうなるんやな・・・」

若干白けていると突如・・・

「毎度~宅急便で~す♪」

「えええええ!!本当に来た」

宅急便の配達員の格好をしたツバキが現れた。しかも背後に人間が入りそうな大きな箱を持参しながら・・・何やら思い当たることがあるのかミツキが逃げようとすると・・・

「待ちなミツキ・・・」

「ギク!」

箱がオープンするとそこから現れたのは唯一ミツキの事を黙らせられるであろう主治医であるユン先生だった。

実はファントム七重の塔を建設するに当たり散々こき使われたユウがユン先生に告げ口したらしい。

「ほぉ~これがファントム七重の塔か・・・何でこんな無駄なもん作った?」

「いえ!その!えっと!」

「ちょっとお話しするか?」

ユン先生の剣幕に押されたミツキは首根っこ引っ掴まれ一緒に箱に入るとツバキがしっかりとファントム行きの紙を張り付けると・・・

「それじゃ!私はファントムまで荷物を届けないといけないので!」

そう言ってリアカーを用意しミツキとユン先生の荷物をファントムまで運びに行くのであった。

残された力達は・・・

「あっさり解決してしまった・・・」

するとはやてがミツキが使っていた館内放送を繰り出し・・・

ピンポンパンポン!

『業務連絡~!業務連絡~!騒動は集結~!衝動は集結~!』

パンポンピンポン!

これにより各階で頑張っていたメンバーは各々どういう結末を迎えたか不明だがこうしてミツキのお騒がせ騒動は幕を閉じるのだが・・・

「はやて!ご飯!」

「あ・・・買い物袋が・・・」

食材の入った買い物袋を何処かに置いてきてしまったはやて。

この後大慌てで材料を買いにいくのであった。

ある日の事・・・ロストロギアではやてが赤ん坊になった!!?で!何で俺が面倒見なきゃいけないんだよ!?
 
 

 
後書き

は!?この中で赤ん坊の世話した事があるのが俺だけだからか!?勘弁してよ・・・て!はやて!俺の胸吸うな!!

次回!勇者指令ダグオンA’s どっこい 赤ん坊になったはやて

ぐす・・・俺もう婿に行けない・・・
 
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