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願いを叶える者(旧リリカルなのは 願いを叶えし者)

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演習

――演習当日。

「遅い!あんた達、何遅れてきてんのよ!」

集合場所に到着した俺とナルトは暴力ピンクに怒鳴られた。

「ヒラヒラと舞う蝶々追いかけてたら迷子になってな」
「道で困ってたおばちゃんを助けてたってばよ」

「ふざけんじゃないわよ!」

まぁ嘘である。
本当は朝食食べてから軽く運動(一般忍者はドン引き)をしてから
ここへ向かっただけだ。

カカシは遅れてくると考えてたが……案の定だったな。

「今日も1日バンガロー!」

「実りある1日をラーメン!」

「意味わかんないわよ!」

「………………ふんっ(騒がしい奴らだ」

カカシが来るまでの間、こうやってふざけ倒すのであった。












それから30分後。

「やぁ諸君、おはよう!」

「おっそーい!!!」

「「はよーっす」」

第7班担当のカカシは、
昨日俺達に午前8時集合と言い渡し、更には遅れないようにと念を入れていた。

まぁその言い方事態が胡散臭かったので、
そのうちの遅れずに来た二人を除き、俺達は遅れてきた。
その言った張本人がやって来たのは全員が集まってからの30分も後のことだった。

「いやー、人生と言う道に迷っちゃってなぁ!」

成る程、そう言う言い訳があったか!
等と感心する俺を除き、
ナルトは何食わぬ顔。
暴力ピンクはカカシを睨み付け、青筋を立てて唸り声を上げ始めた。
サスケは自分の上司の情けなさに冷ややかな目でカカシを見ている。

「あー……まぁ、なんだ……………その、
よし!12時セット完了!!」

「今、明らかに話を逸らしたわよね!?」

カカシは逃げるように近くの丸太の方に行き、
その上に目覚まし時計をセットした。
そして、聞き心地のよい音色を出す物体を胸ポケットから取り出した。

「本日の課題。
それは、これをオレから昼までに奪い取ることだ。」

チリン…と取り出した3つの鈴を見えるように掲げた。

「えっ、スズを……ですか?」

「そうだ。そして、取れなかった者は昼メシ抜き!
あの丸太に縛り付けた上、目の前でオレが弁当を食うから~」

『弁当を食べる』という宣言をカカシがした直後、
サスケとサクラのお腹から情けない音が飛び出した。

((朝メシ食うなって……そういうことだったのね))

2人は上司の言う通りに朝メシを抜いて来たことを心底後悔した。

「でも、ちょっと待って!何でスズが3つだけ?」

サクラの問いかけにカカシは軽く笑いながら答える。

「3つしかないから、最低1人は丸太行きになる。
そいつは任務失敗ってことで失格だ。
そいつにはアカデミーに戻ってもらうぞ」

カカシの発言で2人が表情が真剣なものに変わった。
カカシも笑っていた顔を元に戻す。

「最低1人かもしれんし、4人全員かもしれん。
手裏剣使ってもいいぞ~。
オレを殺す気で来ないと取れないからな」

殺す気、この言葉に暴力ピンクがわめきだす。

「でも!!危ないわよ、先生!!」

「大丈夫だってばよ。
下忍になったばっかりのオレらじゃぁ、
上忍のカカシ先生に当たるはずがないってばよ」

「まっ!そういうことだ」

(成績はドベだったらしいが、意外だな。
これは考え方を改めなければ………)

カカシの中でのナルトの評価が少し上がった。
ナルトは早く始めたいが為の言葉だったのだが…。

「んじゃ、よーいスタートn「ほいっ」「オラァ!」っ!?」

一瞬風切り音が鳴ったと思いきや、その直後鈍い金属音がその場に鳴り響く。
その数瞬後手裏剣が地面に刺さった音がして、ナルトがカカシのいた場所に拳を叩きつけていた。

「おいおい、そう慌てんなよ。
まだ、スタートは言ってないだろ?」

何時の間にか、カカシの右手にはクナイが握られており、
地面に拳を当てているナルトの後頭部にそえていた。

「いや、『スタート』って言ったぜ?」

「コラコラ、俺は『スタートの合図で』って言おうとしたの!
ちゃんと話を聞きなさいよ……」

「そんなの待てないってばよ…」

3人が不適な笑みを浮かべながら会話をする。
が、残りの2人は『何が起こったのか分からない』といった表情を浮かべていた。

「はぁ…で、サクラ?
殺す気で投げたところで大して危なくはないってのは分かったでしょ?」

「そ、そうね!なら大丈夫かも……」

サクラの返答した声は明らかに上擦っていた。
サスケも運動していないにも関わらず、
少し汗をかき始めている。

「まあ、全員オレを殺すつもりで来る気になったようだな」

そう言って、カカシは軽く一笑いした後、言葉を続ける。

「何だかなぁ……やっとお前らを好きになれそうだ…」

そして、真剣な目付きに変わり―――

「じゃ、始めるぞ……
よーい………スタート!!!」

―――戦いの火蓋を切って落とした。



スタート直後、4人は森に飛び込んでそれぞれ別の場所に身を潜めた。
ユウジとナルトは直ぐ様合流し、話し合う形で隠れた。

「さてナルト、この場での問題、分かるか?」

「本気出すと返って危ないって事だよな?」

「そうだ。
だからカムフラージュとして他の2と同時に行くぞ」

「えー、サスケは兎も角、あれを誘うの~……」

「ならお前がサスケの方へ行け。
俺が暴力ピンクの所へ行く。
OKでも断られてもここへ戻ってこいよ」

「了解だってばよ!」

シュバッ!

二人は散開し、それぞれの目標へと向かった。




「おい………」

「うわっ!?ちょっと、脅かさないでよ!」

うつ伏せで隠れていた為、慌てて起き上がろうとして気の枝に頭を打ち付けた暴力ピンク。

「俺等と協力し「イヤッ!」そうか………じゃあな」

まだ最後まで言い終わらない内に言葉を遮られ、
若干苛立ちを覚えながら集合場所へと向かった。







「おーい、サスケ。
オレたちと協力し「断る!」………ハァ………ダメか…」

やはり即答されて断られたナルト。
しょうがないと諦めをもって集合場所へと向かった。










「そのようすだと、駄目だったみたいだな」

「そっちも……か」

集合場所に帰ってきたナルトに声をかける。

「即答だった……」

「オレもだってばよ……」

二人して項垂れる。
しかしこれではカムフラージュを諦める他ない。

「仕方ないから出来る限りの加減してやるか」

「分かったってばよ…」





ところかわってカカシのいる場所。
俺とナルトは全くもって仕方なくカカシの前に堂々と姿を現して戦うことにした。

「さぁ!いざ尋常に勝負!しょ~ぶぅ~!!」
「しょーぶったらしょーぶ!」

カカシは軽くズッこけた。

「あのさァ……お前ら、ちっとズレてない?」

「いや、あいつらちっとも協力してくれなかったし…」

「ズレてるのはあいつらだろ……これじゃあ隊列組んだ意味がない」

「そんな顔をするんじゃないよー……。
幸が逃げちゃうぞぉー。
(しかし、チームワークを求めたか…この二人は合格でも良いな。
それができないのが悔やまれるけど…)」

悲壮感が漂っている教え子の顔を見て、
カカシはちょっと同情した。
この試験の答えに最も近いにもかかわらず、
自己中な2人のせいで全く達成出来そうもない状況にあるのは少し気の毒だと思ったのであった。

「まぁ、もうどうしようもないんだ。
とりあえずお手合わせ願いたい」

「ああ、分かった」

「よぉし!やってやるってばよぉ!」

意気込むナルトを他所に、
カカシは腰のポーチから一冊の本を取り出した。

「忍戦術の心得その1、『体術』を教えてやる」

とか言いながら、その本を読み始めた。

「随分とまぁ…」
「余裕見せすぎだってばよ…」

「ん?まぁ話の続きが気になってたからな…」

カカシは左手だけ使って器用にページを捲った。

「まぁ、気にすんな!
お前ら相手じゃ、本読んでても関係ないから」

「(ふむ、じいさんに聞いたのは表面上の俺の情報か。
これなら実力については知らないみたいだし……)行くか…」

「その余裕……すぐに無くしてやるってばよっ!!」

数瞬、足に力を溜め、そして黙々と本を読み続けているカカシを目掛けて閃光のごとく迫った。

「っ!?」

「ヘッ!どうだ!」

一瞬でカカシに肉薄したナルトは、
カカシの顔面に拳を当て、
ユウジはその際に離してしまったカカシの本を蹴りで2つに引き裂いた。

明らかに下忍離れした動きを見せたナルトとユウジに、
一時カカシは驚き固まるも、咄嗟の判断で上体を右に傾けることで直撃は回避した。
しかし、左手に持っていた本を手放してしまった為に2つになってしまった本は空中を舞ってそのまま地面に落ちた。

「ああ!?まだ最後まで読んでなかったのに…
ぁあぁ……真っ二つ……」

「チョーシ扱いてるからだってばよー!」
「本は犠牲になったんだ……合掌」

カカシは俯き、両拳をワナワナと震わせている。

「お前ら……許さん……………許さんぞぉ!!」

「自業自得だってばよ」
「責任の擦り付けは大人のすることではないな」

「うるさい!お前らには……特にユウジには絶対に弁償させてやるからな!!」

「えー……まぁ、この演習が終わったら直してやるけど…」

「本当だな!?覚悟しろよ!」

先程までとは打って変わってカカシは俺達に殺気をぶつけ、
額当てを擦り上げ、左の赤い瞳、写輪眼で睨み始めた。

「うわ…あれってイタチの兄ちゃんの…」

「はー、中々面白そうな目だな……よし」

『ラクス、アカシック・レコードに接続。
あの目について調べろ』 

『了解…完了。
写輪眼。
対象の動きの把握及び、反応速度の向上。
進化する目とも言われ、主にうちはの一族特有の瞳です』

写輪眼……ね。
反応とかは抜きにして、俺も使おうかな……格好いいし。

『後で習得方法調べといてくれ』

『了解』

「水遁、水流弾!」

「よいしょぉ!」

バシャァ!

カカシの出した濁流に、ナルトが拳を振りかぶる。
水はそのまま拡散し、かきけされた。

「なにぃ!?」

 
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