魔法少女リリカルなのは 世界を渡りあるく者
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第三章 孤独だった者たち 〜海鳴 闇の書事件〜
第三話 管理局への入局
前書き
お気に入りが20を超えた....
ありがとうございます!これからも頑張ります!!
「.........」
「どうした?こないのか?」
俺は今、アースラ内のトレーニングルームでクロノと対峙している
どうしてこうなったのかというとだ
ーー数時間前。アースラ内食堂
「そうか。テスタロッサの裁判は事実上の無実判決になったのか」
「ああ。まあ元から情状酌量の余地は十分にあった。これは必然だよ。それよりも」
クロノと俺は食堂で向かい合って飯を食いながら今までの情報交換を行っていた
どうやら俺がこの世界から離れてから半年が経っているようだ
「まさか君にそんな秘密があったなんて思いもしなかったよ。確かに魔力量とか異常な点はいくつかみられたけどね」
「ははは......本当に心配かけたな。悪い」
「いいさ、無事にまたあえたんだ。問題はないよ」
クロノにはすべてを話した、俺が冬木で何をしていたのかも含めて
そうしたら驚くことにすんなり信じてくれた。曰く、あのときの殺気やらジュエルシードをまとめて壊したこととかで特殊な事情があるということは予想できていたらしい
俺はおそらくそれだけではないと感じていた。クロノの纏うオーラというか、雰囲気が変わっていた。この半年にいろいろな経験を積んだのだろう。頼もしくなったイメージがあるな
「それで、本気なのか?管理局に入局しようっていうのは」
「ああ。いつまでも高町家にお世話になるわけにはいかないし、お金も必要だからな。地球で仕事しようとすると住居が無い俺はかなり不利だし、それに戦いに関してや運営に関しては慣れてるからな」
俺はクロノに管理局には入れないか、と聞いていたのだ。その件もあって今日呼ばれたのだ
「わかった。でも普通に入局しようとしたら所属部署によるけど大体はミッドの学校を出なきゃ正隊員になれないから取り敢えず嘱託魔導師でいいか?この間のP・T事件の功績がデータで残ってるからそれで掛け合ってみることはできるが」
「そうか.....。ん、了解した。頼む」
それなら今の事件が終わったからにしよう
「では少し待っていてくれ。そうだな、一時間で終われせてくる」
「早!!わ、悪りい....」
クロノは食器を持って席を立ち上がると
「別に構わないさ。僕達は君に多大な貸しがあるしね」
それだけいい、返却口へと向かって行った
なんか....あいつ成長しすぎじゃね?
とか思った
まあ、一時間では終わらず二時間と少しかかったのだが
ーー時は現在
今俺がやっているのは嘱託魔導師試験(簡易)だ
功績などによりこれだけ、しかも正規会場でなくていいことになった
試験管は執務官であるクロノだ
それにしても、相対しただけだがわかる。クロノはこの半年で強くなった、いや経験を積みより巧くなったというべきか
隙がまったく無い時点からそれがわかる
あいつの武器はS2Uだがそれもばっちり使いこなせてる感じがする
「本当に強くなったな....」
「今ならわかるよ。君が今までのどんな敵より強いってことぐらいはね」
この状態ではあるがその強さを感じることが出来るっていうのはすごい。感心するな
なら、すこし本気で行かせてもらおうか!
「桜花ーー」
一気に懐に入って
「本式!」
思いっきり腹に正拳突きをかます、だがそれはプロテクションによって防がれる
プロテクションで塞がれるのは予想できていた。それだけならばバリアブレイクを使って抜けようとしたからな
しかし
「カウンターバインドか!!」
「その通り、僕が考えた戦法の一つさ」
プロテクションに当たった場合に発動するバインド、今回はチェーンバインドなので体全体が鎖で固定されてしまった
これがクロノの近接殺し
これはクロノの談なのだが
ーー僕にはなのはのような射撃の才能なんてない、フェイトのような速度の才能もない。もちろん魔力量が馬鹿でかいというわけでもない。だからこそ、経験を積んで様々な戦法を編み出さなきゃいけないんだ。そうでなきゃ、ただ負けるだけだからね。巧く、巧くって追い求めて行くんだ
ということらしい
閑話休題
「これで僕の勝ちだな」
やられたな。これは予想してなかった。いや、俺にもそういうことは出来るっていうか考えてたんだから予測できただろうに
油断大敵だな。お礼にこれを見せてやるよ
「はぁ........」
心を落ち着かせる
明鏡止水のその先に......
「っ!ブレイズーー」
したいことはただ一つ、それ以外はいらない
ただひたすら無心に.....
ふと、音も明かりも全て消えた。感じるのは鎖と熱のみ
こここそ、剣士が辿り着くべき極致の一つ
極致・明鏡止水
身体に力はいらない
ただ思うだけでいいんだ
ただ、斬ることを
「無心ーー」
「一閃」
「カノン!!」
クロノはブレイズカノンを撃った時、勝ったと考えていた
勿論残心はしていたが奥底では油断していたのだ
故に気がつかなかった
後ろから近づいていた蒼炎に
「終わりだな」
「.....また負けたか。今日は勝ったとおもったんだがな」
クロノはS2Uをカードに戻し、降参した
これで、試験は終了
この瞬間、蒼炎は管理局に所属する魔導師となった
「みなさん。もう知っているとは思いますが彼が」
「遠藤蒼炎です。よろしくお願いします!」
リンディさんの紹介を受けて、俺は急ごしらえの敬礼をした
今いるのはアースラのブリッジ、アースラスタッフ全収集のミーティングの時間だ
俺の所属は一旦アースラということになり、ここでの戦闘員の一人ということになった
スタッフのみんなからはよろしく!、お帰り!、とか。果てには生きててよかった....少し泣いてくれた人もいた
本当にごめんなさい。もう二度とあんなことはしないでおこうと誓った
「さてと。本題に入りましょうか」
エイミーが前に一歩踏み出し
「フェイトちゃんの怪我は命に別条はなし、でも異常な点がありました。リンカーコアの収縮による一時的な魔力閉塞です。そんなわけで」
クロノも一歩踏み出し、言う
「本日只今より、このチームにて違法渡航者の捜索をします」
それに合わせスタッフ全員が声を揃えて返事をした。こういうところは本当に軍隊みたいだ
「迅速な事件解決に向けて、頑張りましょう!」
「悪いな、アルティメイタム。無茶させちまって」
俺はアースラのメンテナンスルームに来ていた
そこには壊れたレイジングハート、バルディッシュ、そしてアルティメイタムがポッドの中にいた
「また来るよ」
管理局の中でも腕利きらしいマリーさんに任せてるから問題ないだろうと思い、俺はこの場を離れ自室に向かった
これから俺がするべきことは
「準備完了」
[アカシックレコードへの接続を確認/スーパーバイザー権限確認 アクセス許可]
この間の事について調べる事だな
「検索」
[一致 名称夜天の魔道書/データ送信]
そして俺は知る。夜天の魔道書、闇の書の真実を
もしかすれば、このことを知らなかったら俺は容赦無くあいつらを叩けの目せたかもしれない
でも、これを知ることにより俺には迷いが出来てしまったのだ
それが正しいのかどうかは、誰にもわからない
「うそだろ.....こんなこと。俺は....」
リンクを切断し、ベッドに座り込んだ
俺の両目には涙が浮かんでいた
「どうすればいいんだ...」
ーーいいか、この世には絶対悪は存在しないんだ
そんな先生の言葉が、俺の頭をよぎった
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