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魔法少女リリカルなのは 世界を渡りあるく者

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第三章 孤独だった者たち 〜海鳴 闇の書事件〜
  第二話 騎士と剣士

"未来"のクールタイムは終わった

まだ"運命"は使えないがこれだけで十分だ

「いくぞ!!」

まずシグナムが1番につっこんでくる

デバイスは剣。左上段からの袈裟斬り

それに一瞬遅れてヴィータとザフィーラが左右から逃げ道をなくすように迫ってくる。両方殴りかかってくるっぽいな

それはなのはレベルなら知覚できない早さ。テスタロッサレベルでも認識するのがやっとだろう

しかし蒼炎は未来線が見える上に反応速度も尋常じゃない

(動き出すのは遅かったが早く到達するのはザフィーラ。その後にヴィータときて最後にシグナムか。だったら)

ザフィーラが右から殴ってくる、それを左手で受け流しそのまま左から迫るヴィータにぶつける

「うわあああああああ」

次に正面から来るシグナム

「はああああああ!」

「鏡花!......瞬閃!!」

鏡花で剣をはじく。そしてその体制のまま瞬閃を打つ

「くっ....」

かろうじてバリアが間に合ったようだがそれでも少し吹き飛ばした

「なんだあいつ。むちゃくちゃつえーぞ」

「このままでは埒があかないな」

なにやら作戦だてしてるみたいだな。できれば俺はあいつらをここで捕獲して話しを聞きたいが....

ピキッ

「アルティメイタム、大丈夫か?」

<どうやらブレイカーの代償が今になってきたみたいですね。まだいけます>

「すまん」

アルティメイタムに無茶させすぎたせいでひびが入ってしまった

そのため、あまり魔力を使った攻撃ができないのだ

「最大火力で押し切る。お前たちはもう一人の方に行け」

「わかった」

シグナム以外の二人が離れて行った。どうやらなのはの方に向かったらしい

四大防壁はそうそう破られることはないから心配ないだろう

「俺には一人で十分ってか。舐められたもんだな」

「いや、そうでもない。それと一つ質問をいいか?」

「なんだ?」

シグナムが俺のデバイスをちら見した気がしたが

「いったい何者なのだお前は。私たちよりも生きた年月は少ないと見えるが、しかしその技量はその年齢で届く物ではないだろう。本当に、何者なのだ」

シグナムが俺の体全体を見てくる。そうか、この体だとわからないか

・・・それにしてもあの言い方だと彼らは外見年齢以上に年をとってるってことなのかな?

考え事をしてる間、俺はマルチタスクでどう答えるべきか考えている



そうだな。たまには先生から受け継いだ名を、剣を使う者として名乗るのも悪くはないかな

「....神凪流正当後継者、遠藤蒼炎」

「っ!!それは私の、古代ベルカの騎士達が習う剣術の元だぞ!なぜそれを!!!」

まじか.....先生いったい何やってるんだ



ーー神凪流

初代創始者はまだ運命を背負う前の神崎 凪

今まで体系化されていなかった剣の技を自分自身で体系化した原初の剣術流派だ

数多のカケラに伝わっている剣術も元をたどればここに行き着くだろう

だがこれは普通の流派とは違う



技 すなわち奥義などは一切教授しない

するのは基本の型と歩法。あとは自分で探すか先生の動きから盗むしかない

故に継承はされない。神凪流は2代目なんかはいない

だから今伝わってるものはすべてこれから乖離しているかもしれない

しかし基本はここから始まっている

では正当後継者とはなにか

だいたいの門下生はここを出た後、自分の流派を開いた。しかし希にこの神凪流を極めようとした人間もいた

それはゴールの見えない旅のようなものだ。なにせそんなものを教えてくれる人はいないし、奥義も自分で編み出していかねばならない

そこで先生がとったのはある2つの奥義を修得すること

一つは剣人一体

もう一つは....

「この感覚.....テスタロッサが来たのか?」

俺は覚えのある魔力を感じられたので認識を広げてみたらどうやらテスタロッサがいるらしい

ヴィータと戦っているか。たぶん今はまだ勝てないだろう

はやく援護にいかなきゃ

「悪いがここを通す訳にはいかない。そのことが嘘であれ真実であれ、私はなすべきことをなすだけだ」

「なら俺は押し通らせてもらうよ」

シグナムは剣を鞘にしまい居合い抜きの体制。それに対して俺はカウンターを仕掛けようと思った

そう思い流転を準備しようとしたとき、向こうのデバイスがなにか薬莢のようなものをはき出した

その瞬間、魔力がふくれあがり、危険なものだと感じ取れた

(これは....炎熱反応か!まずい魔法が入ると流転は難しくなる。どうする.....)

流転は範囲攻撃に弱い。それに今アルティメイタムを使えば確実にダメージがこっちに通る

どうする......考えろ.....

<雪月花をつかってください>

「な.....それはどういう意味かわかってるか?」

今まで雪月花をつかってもアルティメイタムが壊れなかったのは魔力を通して強化していたからだ

それができない今使えばどうなるかは自明の理

<自分のせいであなたが負けるのだけはいやだ。それに....壊れてもなおしてくれるでしょう?相棒>

.......俺はどうやらアルティメイタムのことを過小評価していたらしい

こいつはただのAI付き武器なんかじゃない

立派な戦友だった

「そうだな。この間はごめん、ちゃんと使ってやれば良かった」

<気になさらず、これからも一緒に戦ってくれるのでしょう?なら問題なしです>

俺はアルティメイタムを左脇に抱えるようにして構える






相対するは炎の騎士と剣を極めた者



蒼炎にもう迷いはない。あるのは目の前の敵を乗り越えることだけ

ーーーー明鏡止水


踏み出しはお互いに同時

「紫電ーーーーー」

「雪ーーーーー」



スピードも互角




「一閃!!!!!」

「月花!!!!!」


互いに振られる剣。しかし振り下ろされる速度は蒼炎のほうが早く、完全にシグナムの剣がおろされる前に当たった

その結果シグナムは吹き飛ばされた。風圧と、粉々になったアルティメイタムの刃の破片によって

<動作緊急停止>

「ありがとう....終わったらすぐ直すから」

コアだけはなんとか守り通せたから、わりかしすぐに直せるだろう

さて、これであとはテスタロッサを助けるだけだ・・・!

と思い、急いで飛翔していこうとしたら

「うわああああああああああああああああああああああ」

「な.....うそだろ.....」

時は遅く、悲鳴を上げ倒れるテスタロッサ。そして結界は消え、残ったのは倒れたテスタロッサと結界内で気を失っていたなのは、そして俺だけだった

「また....助けられなかった。くそったれ!!!!」

俺はこの悔しさを空に声を上げることでしか、紛らわすことはできなかった






これから平穏はまた破滅する



これは定められた物語

一人の犠牲をとってハッピーエンドをとるのか

それとも......


それはたとえ運命の魔術師であろうとわからない

この先にどんな未来が待っているのかは 
 

 
後書き
神凪流

"神"崎 "凪"という安直なネーミング

でも以外とこの人の願いが込められていたりします 
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