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久遠の神話

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第八十七話 スフィンクスの問い掛けその二

「そんなことを言う奴は信用するな」
「絶対にね」
「絶対になんだ」
「現実を見ることだ」
 父の言葉である。
「現実をよく見てその言っていることが可能かどうかを見極めることだ」
「若しそれが可能じゃなかったら」
「信用しないことだ」
「こうも言うわよね」
 母もここで言う。
「上手い話には裏があるって」
「うん、それじゃあ」
「そう、政治家といってもね」
「詐欺師である場合もあるんだ」
「そうよ、そしてね」
 前の与党、今の野党はというのだ。
「あの政党はどう見ても言っていることが有り得なかったから」
「お父さんもお母さんも投票しなかったんだ」
「確かに今の与党にも問題が多いがな」
 それでもだとだ、父は上城に確かな顔で話す。
「しかし詐欺師は問題外だ」
「そのことは本当に見極めてね」
 母の今度の言葉は切実だった、それも実に。
「選挙なり他のことなりね」
「しっかりと見てなんだ」
「やっていってね」
「よく見なくてもあの政党は駄目だ」
 その左翼政党はというのだ。
「ソフトクリームみたいに薔薇色の未来だけを言っていただけだ」
「そんなのによく皆騙されたね」
「テレビだけを観ているとな」
 それをしてしまうと、というのだ。
「そしてテレビで言っていることを信じるとだ」
「駄目なんだ」
「よく言うな、テレビを観ると馬鹿になる」
「うん、聞いたことがある言葉だよ」
「テレビを作る側も出ている側もいい人間ばかりじゃない」
「碌でもない人もいるんだね」
「どの世界でも善人と悪人がいる」
 何かをしているからといって、どんな世界にいるからといって善人とは限らない。無論その逆もあるものだ。
「何処からか金を貰っていた人間が番組を作ることも」
「そういうこともあるの?」
「ある」
 このことは実際に言われている、左翼政党の最高幹部の一人がマスコミ関係者にかなりの金をばらまいていたという。今では泡沫政党の主、汚職疑惑やその横柄な態度と政策により信頼を失いそうなってしまった。
「それでそういった人間があの政党を一方的に持ち上げてだ」
「政権の座に就いたんだ」
「そう言われているしな」
「マスコミも危険なんだ」
「むしろマスコミが最も危険だ」
 父は我が子にこうまで言う。
「権力と情報を握っている。そしてチェックも行き届きにくい」
「そうした世界なら」
「碌な人間が集まらない」
 そして腐敗する、言うならば中世のバチカンだ。今の日本のマスコミの腐敗はその域にまで達しようとしているというのだ。
「そこに金を撒けば」
「一方的な報道を垂れ流すんだ」
「そしてそれを容易に信じる人間もいる」
 テレビの言うことならと真に受ける人間もいるというのだ。
「それが問題だ」
「何か凄く汚い話だね」
「だからお父さんもお母さんもあの政党には投票しなかった」
「今もね」
 そうしているというのだ。
「ましてや犯罪国家の工作員に金を出していた人間が首相だったんだ」
「それも二人もね」
「えっ、貰ってたんじゃないんだ」
 普通こうした話では買収されていたという話になる、しかしそれが金を出していたのだ。他国の工作員に対して。 
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