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戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~

作者:黒鐡
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四章
  斉藤家滅亡

「お前が斉藤龍興と見た!」

「だ、誰だ!お前は!」

「通りすがりの天人だ、・・・・冥土の土産に覚えておけ。覚悟!」

と言って周りにいた奴らは、俺を攻撃しようとしたが次々と射殺されて、素早く剣を抜いて綺麗に首を落とした。そして首級専用のケースに入れた後、外にいる奴らに向かって拡声器で叫んだ。

『天人である織斑一真が、斉藤龍興を討ち取ったり!!!!』

城内に響かせて、部下に照明弾を撃てと言った。

その頃本丸の城門にて、黒鮫隊が守備兵と戦っていたがすぐに取りついて、爆弾をセットした。で、皆下がれっと言った後一度後退する母衣衆と黒鮫隊。だが、下がる所か向かってくる部隊がおった。

「何をしている、ぼんくらの頸はあと少しの事を!!!!」

「な!森の。下がれ!」

森のと言った者が、城門に取り付こうとした時にスイッチを押したので爆破した。煙が出てきてそこにいたのは二人の女だった。

「全く、爆破するために下がったのに聞かないとは、さすが森一家だな」

「げほげほ・・・・。何だよこれ!」

「大丈夫かガキ?しかしまさか爆破するためだったとは、最初から言ってほしかったんだが・・・・」

「でもここからは、森の鶴紋なびかせて、尾張が一の悪侍!森一家たぁ、オレらの事だ!」

「森の一家の目前にあるは、刈る頸、刈る耳、刈る武功!荒稼ぎの邪魔をする奴ぁ、味方といえどもぶっ殺す!」

ここで俺の声が響いた事により、森一家のテンションは一気に下がった。爆破した後の門の所には、斉藤家の足軽がいたが、殿がやられた事により戦意喪失した。森一家も、斉藤龍興の頸を取られたのか悔しくて、戦意喪失の足軽達を皆殺しにしていた。壬月ら柴田衆は城内にいる者の制圧をしていた。

『隊長、こちら本丸の城門付近です。爆破しようとスイッチを押した所で、何者かが城門に近付いた模様。爆破後は怪我はないにしろ、「ここからはオレら森一家」だと言っておりましたが森一家とは?』

『元々美濃の土岐氏という、鎌倉以来の名家に仕えていたらしいが、蝮が美濃を乗っ取った時に尾張に流れてきて、そのまま久遠に仕えたという記録が残っている。土岐氏っていうのは、美濃源氏の嫡流にして、美濃国守護。尊貴な家柄だが、下克上の荒波には耐えきれずに没落したようだ。庶流は浅野内匠頭や遠山金四朗とかだったな。森一家は、美濃より新進気鋭の織田の方が戦が多そうだから、という理由だけだそうだ。戦闘狂の集まりだと思ってくれて構わないが、今は何をしている?』

『隊長の討ち取ったとの事で、先程までいた足軽達を皆殺しにしています。恐らくせっかくの得物を取られたからでしょう。我々は後方にて待機しますが、森一家の前に出ると味方でも攻撃するぞとか言ってたので』

『了解。こちらは城内をお掃除中。頸は首級専用ケースに入れたから、俺達は脱出する。森一家に出くわしたら、殺されそうだし。あとそちらに壬月がいると思うので指示に従え。たぶん久遠の名代として指揮を任されると思うのでな』

『了解しました。ではこちらはこちらで任務続行します』

と切ったが、ここに来て森一家とはな・・・・戦以外の評定には出ない奴ららしいが、ここに来ると言う事は間違えて俺らを刈られてしまう心配があるので、制圧を任して、俺ら降下部隊は空間に入ってトレミーに帰投。俺は首級専用ケースを持って本丸付近にいる我が隊の所に来た。そこには一真隊もいたけど。

「お頭、ご無事で何よりです。首級は?」

「ここに入れてあるが、さすがに素手で持つのは野暮だろう。それより名代を任されたらしいが、俺達でも森一家を止められる事は出来ない」

「うう、とにかく出来る事をするだけですね!」

「そう言う事だ。ひよところは本丸の城門を確保しといてくれ。久遠がもうすぐ来るので、・・・・黒鮫隊は?」

「ここにおります隊長。さすがにあの森一家という奴らの近くにはいたくないです」

そう言う事か、本陣にいた通信兵によるともうすぐ久遠がこっちに来るらしい。斉藤家は滅亡だな、例え斉藤飛騨が生きていようと無くとも、脱出は不可能に近い。そして本丸にいた城内はお掃除された後に、久遠が来た。

「ふむ、壬月はどうした?」

「壬月なら、背中が気になると言って柴田衆を引き連れて、周辺の制圧に向かった。それとこれが龍興の首級だ」

「おお、よくやったぞ一真!それとここにいると言う事は、名代を任されたとの事か?」

「そうだ。でも城門爆破した後に名乗り上げたから、ほぼ壊滅かな?今は森一家が城内をお掃除中だ」

俺の報告を受けたのか、何かを考えていた久遠。聞くと、利政の事を考えてたようだ。ちなみに利政は結菜の母親であり、久遠がうつけと罵った母親以外で唯一の理解者だったそうだ。好きとか嫌いとかの感情は分からんと言ってたが、蝮と接してる時と俺と接する時と似ていると言ってたな。

『戦乱渦巻くこの日の本を、力によって統一し、皆が腹を空かさず、皆が笑って仕事が出来、穏やかに暮らす事の出来る世を創る事。戦うだけに力を使うのではなく、何かを創る事。何かを極める事。楽しいと思える事がいつでも出来る。・・・・そんな世を創りたい。いや創りたいのではなく創るのだ。・・・・我はそう、心に決めて生きている』と言うのは久遠の夢だと語っていた。

まるで、昔行った三国志の世界で出会った劉備こと桃香の言葉に似ているなと思った。久遠が目指すのは、武力による天下統一。それは正史での織田信長が目指した事である。でも正史である信長と外史である久遠とは目指している世界が違うだろう。ここは外史だから何が起こるか分からない。が、今は目の前にいる女の子の夢のために、俺は動かなければならない。

「やってやるさ、きっと実現できる。そのためには久遠を支える。これからもずっとだ!」

「ああ・・・・!我が目指す、天下布武への道。共に歩むぞ、一真!」

そしてしばらく考え事をしたら、遠くから勝ち鬨が聞こえた。俺達はそれを答えるために、照明弾を数発撃った。稲葉山城は、俺らの手にかかればどんな相手でもすぐに落とす。それが俺達黒鮫隊だ。斉藤飛騨も討ち取られたと聞いた、殺ったのは森一家と聞く。まあ龍興の頸は俺が取ったからな。本当は逃がすつもりだったが、作戦を聞いた時から久遠は待てとは言わなかった。それに結菜の姪なのだろうと思ったが、俺はこれでいいと思った。

さてと、戦国の世はこれからが本番だ。未知との戦いになるが、俺達には現代兵器があるし鬼が出たとしてもIS部隊で殲滅するだけだ。ドウターが出たら、ストフリを出す事になるだろうが今はまだ秘密にしとく。ガンダムは対ドウター戦の切り札か、黒鐵改が切り札になるが、今は出ない事を祈ろう。さてと、俺らの美濃での戦いは終了した。

無事に稲葉山城を入城した久遠は、稲葉山城を岐阜城と改名する。岐阜っていうのは、周の文王が岐山より起こり、天下を定む・・・・という故事に倣ったんだと。俺は故事については分からんが、分かる人には分かるんだ。久遠の天下布武に掛ける気持ちが。だから岐阜という名前を発表した時、評定の間はどよめきが起こった。天下布武って言う決意を、久遠は岐阜という名前を込めて内外に表明した。 
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