FAIRY TAIL 真魂の鼠
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第十六話 廃校鬼ごっこ
前書き
こんにちは!07です!
今回は幽霊が出ると言われる廃校に来た最強チーム+シン。だが、そこで幽霊に襲われたぁっ!?果たして、シン達の運命はっ!?そして・・・!
途中で目線が変わります。最初はルーシィ目線からです。
それでは、第十六話・・・どうぞっ!!
ル「・・う、う~・・・ん・・・?」
気がつくと、割れた窓から見える空はすでに薄暗くなっていた。ていうか、
ル「こ、ここ、どこぉっ!?」
慌てて辺りを見回してみると、倒れた椅子や机。折れたり欠けて床に散らばった色とりどりのチョーク。破れてボロボロになった当番表やポスターが張られている。教室・・みたいね。すると、
グ「ル、ルーシィ・・気がついた、か?」
グレイの声がした。でも、どこにいるの?
グ「気がついたなら・・・は、早く・・退いて、くんねぇ、か?俺と・・・・シンの為にも・・・」
ル「えっ?」
よく聞いたら、グレイの声は少し苦しそう。そう思った時、自分が廃校になった学校の教室の床の上にいない事が分かった。下を見てみると、苦しそうに顔を引き攣らせたグレイと、グレイの背中で下敷きになっているシンがいた。私は二人の上に乗っかっていたの。
ル「えぇっ!!?ゴ、ゴメンゴメン!!」
戸惑いながらも慌てて二人の上から下りる。グレイは痛そうにお腹と背中を摩りながら起き上がる。ようやく動けるようになったシンの顔は少し青かった。
シ「・・ふ、二人は・・・無理・・・・だ。」
そりゃそうよね。私は女の子だから軽いけど、グレイは男だもんね。
グ「おい、大半は俺のせいかよ・・・」
シ「と、とにかく、一刻も早くナツ達と合流して、ここから立ち去った方が身の為だ。」
ナツ達、どこいっちゃったんだろう?その時、スゥーと私の背後を何かが通り過ぎた。背筋が凍り付く。
グ「どうしたルーシィ?さっきのシンみたいに青くなって?」
シ「おい。」
私は壊れたロボットみたいにガガガとゆっくりと後ろを振り返り、ガガガと右手を動かしながら
ル「い、今・・う、後ろを、何かがスゥー・・・って通ったのよ・・・」
後ろを振り返って、指を指した所には夜風でパタパタとはためくボロボロのカーテン。
シ「そのカーテンがルーシィの背中に微かに当たってたんだよ。怖がる事はねぇ・・・」
ピチャ。
シ「えっ?」
シンが言い終わる前に、シンの額に何かが落ちた。薄暗くてよく見えない。
シ「な、何だ?少し、生暖かいな・・・」
シンが額に手を遣る。すると、シンの手にも何かが付いた。それを隣で見たグレイがさっきの私とシンと同じように青くなった。
グ「・・お、おい、シン・・・・そ、それ・・『血』じゃ、ねぇ・・か・・・?」
シ「え・・・」
私も恐る恐るシンの手を見る。確かに、赤黒くて、少し鉄みたいな臭いがする。すると、
ピチャ。
またシンの額に何かが落ちてきた。シンの額から落ちてきたものが流れ落ちる。私達三人は、恐る恐る上を見上げた。すると、シンの真上の天井にだけ、赤黒い染みが見える。するとまた、
ピチャ。
と、今度はシンの右頬に落ちた。その時、ガタガタガタ!とグレイの背後で音がした。
ル「ひぃぃぃっ!」
私は驚いてその場で飛び上がる。グレイは驚いて振り返ると、倒れていた椅子や机がガタガタガタと小刻みに震えだし、誰も触ってもいないのに、独りでに立ち上がった。
シ「そ、そういえばよぉ・・・こ、ここ、自殺した生徒が、め、めちゃくちゃ・・いる、んだよ、なぁ・・・?」
グ「あ・・あぁ・・・」
シ「こ、これは、あくまでも俺の推測、だけどよ・・・・そ、その自殺した、生徒達が、カーテンを動かしたり・・椅子や、机を・・・立たせたり、してるんじゃ、ねぇか・・・?」
シンの額を冷や汗とさっき垂れてきた『血』が流れ落ちる。
ル「じゃ、じゃあ・・その『血』・・・じ、自殺した生徒の、『血』なんじゃ・・・!」
私は頭に浮かんだ事を恐る恐る口に出してみた。すると、折れたり欠けて床に散らばっていた白いチョークが空中で一本の白い新品のチョークに戻った。私達三人は言葉を失った。
が、私達三人は、更に言葉を失う状況を目の当たりにした。
誰も握っていないのに、誰も使っていないのに、白い新品のチョークが少し薄汚れている大きな黒板に独りでに文字を書き始めた。教室内は薄暗いけど、なぜか白い新品のチョークで書かれた文字ははっきりと見えた。黒板には、
『そのとおり』
と書かれた。
グ「さっき、ルーシィが言った事が、事実って事か・・・?」
シ「お・・俺達は、『悪い夢』でも、見てるのか・・・?」
それが本当だったらすっごく嬉しい!試しに私は自分の右頬を引っ張ってみた。・・・痛いっ!強く引っ張りすぎちゃったかな?でも、私は確信した。・・・これは『悪い夢』なんかじゃない!!正真正銘の、『現実』だって事を・・・すると、床に落ちていたボロボロの黒板消しが独りでに動き出し、さっき書いた『そのとおり』とゆう文字を消した。するとまた、チョークが独りでに動いて黒板に文字を書き始めた。黒板には、
『僕達は幽霊』
と書かれた。書き終わったのと同時に、白いチョークを握っている人物がスゥーと現れた。黒髪に黒い瞳、白いTシャツに白い短パン姿の男の子。でも、男の子の足は、透けていた・・・
グ「うぉわぁっ!!」
シ「んなっ!?」
ル「ひぃぃぃぃぃっ!!」
いつの間にか、私達三人は少年少女の幽霊に取り囲まれていた。椅子に座っている子、箒を持っている子、本を読んでいる子、喧嘩をしている子。普通に見たら、極普通の教室にいる生徒だけど、ここはすでに廃校で、目の前にいるのは幽霊。すると、黒板に文字を書いていた男の子が、また黒板消しでさっき書いた『僕達は幽霊』とゆう文字を消した。するとまた、チョークで文字を書き始めた。黒板には、
『僕達と一緒に遊ぼう』
と書かれた。書き終わったのと同時に、私達三人を取り囲んでいた幽霊達の瞳が一斉に私達三人に向けられた。
ル「ね、ねぇ・・ちょ、ちょっと、ヤバイんじゃない・・・?」
グ「「ちょっと」なんかじゃねぇ。「かなり」だ。」
シ「今の俺達に出来る事はただ、一つ・・・」
私達三人は、すでに同じ方向に向かって走り出していた。
シ「逃げろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
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教室から飛び出した私、グレイ、シンは追いかけてくる少年少女の幽霊から必死に逃げてる最中。さっき、割れた窓から飛び降りて逃げようとしたんだけど、幽霊は校内だけでなく、グラウンドにも大量にいたの。魔法で攻撃しても、幽霊だから全く通用しないし、隠れても、すぐに見つかっちゃう。今の私達は、『袋のねずみ』って訳。
グ「くっそ!まだ追っかけて来るのかよっ!!」
私達は足があるから走れるけど、幽霊に足は無い。でも、空を飛ぶ事が出来る。だから全く疲れない。ずっと走りっぱなしの私の体力はもう限界だった。
ル「はぁ・・はぁ・・も、もうダメ・・・はぁ・・・はぁ・・」
シ「ルーシィ!立ち止まったら捕まるぞっ!!」
そんなの分かってる!でも、もう足が動かなかった・・・
シ「ったく。しゃーねぇな。」
ぶつぶつ言いながら、シンが私に駆け寄る。
ル「えっ?ちょっ、何ッ!?」
シ「よっと!」
ル「ひゃあっ!!」
シンが私を軽々とお姫様抱っこする。ちょっ、普通こんな所でするかしらっ!?そんなのお構い無しに、シンは私をお姫様抱っこしたまま走り出す。すぐ後ろに幽霊達は迫っていたけど、すぐに距離が遠ざかった。いくら私は軽いからって、人一人抱いてこんなに速く走れるなんて・・・
シ「おいグレイ!ここ何階だっ!」
グ「んなのこんな状況で分かる訳ねぇだろっ!!」
さっきから私達はいろいろな所を走り回っている。だから、どこが上の階でどこが下の階かさえも分からなくなっていた。その時、ドドドドドドドドドド・・・と前方から何かが近づいてくるのが見えた。よく見ると、
ル「火ッ!?」
グ&シ「とゆう事は・・・」
ナ「うぉぉあああぁぁぁぁああああああああぁぁあぁぁぁああああああああああっ!!!」
口から炎を噴出しながら走ってくるナツと、ハッピー、エルザ、ウェンディ、シャルルが走って来た。やっと合流が出来たぁ~。合流した私達はすぐさま廊下の中央にある階段を使って下の階に下りる。
ナ「おい!あれ何なんだよっ!?」
追いかけてくる幽霊の数はさっきよりも倍に増えた。
シ「エルザ!ここ何階か分かるかっ!?」
エ「たぶん、4階だ。」
ウェ「私達、ずっと校舎内を行ったり来たりしてましたから。」
グ「それは俺達もだ。」
あんなに走り回ってたのに、合流するのにこんなに時間が掛かるとはね・・・
シャ「このまま1階に行けば、外に出られるんじゃないかしら?」
ナ「おしっ!そうと決まったら1階まで逃げ切るぞっ!!」
ナツは更にスピードを上げた。
ハ「ところでルーシィ、何でシンにお姫様抱っこされてるの?」
ル「えっ?」
ハ「もしかして、でぇきてるぅ~?」
ル「そんなんじゃないからっ!!」
シ「///////////////////」
ちょっと!何で赤くなってるのよっ!?ていうかもう下ろしてぇ~!!
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ナ「うおおぉぉおぉああぁあああぁぁぁぁぁああぁぁぁっ!!!」
ウェ「ひいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!」
ハ「ぬぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!」
4階→3階
グ「ぐおぉぉおおおぉあああぁぁぁぁああああっ!!」
エ「くぅぅぅっ!」
シャ「しつこいわねっ!!」
3階→2階
ル「キャアアアアァアァァァアアアアアァァアアアァァッ!!!」
シ「走れえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
2階→1階
ふらふらで、汗だくになりながら、私達はやっとの思いで1階に辿り着けた。でも、まだ幽霊達は追ってくる。その時、ずっと一定の速さで私達の事を追いかけていた幽霊達のスピードが急にグゥ~ンと上がった。
エ「まさか!最初から疲れ切った私達を捕まえる気だったのかっ!?」
グ「ちっ。幽霊なのに随分と冴えてるじゃねぇか。」
ナ「お前等卑怯だぞっ!!」
やっと1階に来たのに~!!すると、
ウェ「皆さん!あれって!!」
ウェンディの声で前を見ると、私達がここに来る時に通った玄関が見えた。すると、さっきスピードを上げた幽霊達が更に更にスピードをグゥ~ンと上げた。
シ「まだ速くなるのかっ!?」
ハ「ずるいよぉ~!」
シャ「テいうか、このままじゃ、捕まっちゃうわよっ!!」
ル「そ、そんな・・・」
出口はもう目と鼻の先なのに・・・!私は足を止めずに目を閉じた。その時、
?「『幽封壁』。」
ガゴォン!ダァン!ゴン!ガガン!ドン!ズコォン!
エ「えっ?」
グ「な、何だ、いきなり・・・?」
誰かの声と、背後で何かがぶつかる音が聞こえたので、私達は足を止めた。でも、幽霊達は追いかけて来ない。なぜかと言うと、私達の目の前で止まっているから。
ハ「ど、どうなってるの?」
シャ「幽霊は魔法も壁もすり抜けちゃうのに・・・」
私達の中で、こんな特殊な事が出来る人はいない。もしいたとしても、あの状況では絶対に不可能よ。
シ「と、とにかく、幽霊達が身動き出来ない間に・・・!」
ナ「さっさとここから出ようぜっ!!」
ル「う、うん!」
ウェ「そうですね!」
私達は疑問を抱えながら残りの体力を捻り出して廃校から脱出した。
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間一髪で脱出する事が出来た私達は、その場に座り込んだり寝そべったりする。
グ「はぁ・・はぁ・・・も、もう・・来ねぇ、よな・・・?はぁ・・はぁ・・・」
シ「はぁ、はぁ、あ、あぁ・・こ、来ねぇ、よ・・・はぁ、はぁ。」
空には星が光り輝いていた。聞こえるのは、夜風で木の葉が擦れる音と、私達の荒い息だけだった。
エ「・・そ、そろそろ、行こう。」
大分落ち着いてきたところで、エルザが立ち上がる。それに皆同意して立ち上がって歩き出す。私も立ち上がって歩き出そうとしたら、ウェンディとシャルルが廃校の方を向いて立ち止まっているのに気づいた。
ル「ウェンディ、シャルル、どうしたの?」
ウェ「・・さっき聞こえた声、誰かに似ているような気がしたんです。」
シャ「私も。そんな気がして・・・」
言われてみれば、どっかで聞いた事があるような・・・ないような・・・
ナ「ルーシィー!ウェンディー!どうしたんだぁ~?」
ハ「シャルルー!早く早く~!!」
シ「おいてくぞ~!」
私はウェンディとシャルルの手を握って皆の所へ向かって走り出した。
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『ここから少しだけ、?目線でいきます。』
ウェンディさん達の後ろ姿を見送った後、僕はこっそりと夜の廃校に行きました。入ってすぐ近くに、さっき僕が仕掛けた『幽封壁』で身動きが出来なくなっている少年少女の幽霊達がたくさんいました。
?「『幽封壁』、解除。」
廊下に僕の声が響き渡ります。『幽封壁』が解除されても、幽霊達は僕の前から動こうとしませんでした。僕は幽霊達の前にしゃがみ込むと、
?「寂しかったんですよね。」
幽霊達に話し掛けました。
?「何年も誰も来なくて、寂しかったんですよね。だから、久しぶりに来た人達と一緒に遊ぼうとして、この廃校で鬼ごっこをしたんですよね。」
幽霊達は揃って頷きました。この様子だと、どの幽霊達も悪くは無いみたいです。
?「でも、もう大丈夫です。僕が、皆を『妖霊界』の住人として送り込んであげます。」
僕は立ち上がると、左手を天井にかざしました。すると、僕の左手の甲に、お化け達と契約した証の黒い線が全て浮かび上がりました。それと同時に、幽霊達の足元に、巨大な黒い魔法陣が浮かび上がりました。
ト「孤独の世界に漂う善の魂達よ・・・仲間を大切にし、掟を守るならば、我、半幽人のトーヤ・ファインが、『妖霊界』に住む事を許可する。」
すると、巨大な黒い魔法陣が白く光り出しました。それとほぼ同時に、魔法陣の上にいた幽霊達は次々に『妖霊界』へと瞬間移動していきました。幽霊達が全員『妖霊界』へ瞬間移動すると、廃校は跡形も無く消えてしまいました。
ト「また『妖霊界』の住人が増えました。また賑やかになりますね。」
夜風が吹き、僕が羽織っていた黒いローブがなびきました。その時、僕の右腕にある魔道士ギルド、妖精の尻尾のギルドマークが露になりました。
後書き
第十六話終了ですっ!
無事に廃校から脱出する事が出来た最強チーム+シン。幽霊達も鬼ごっこをしていただけみたい。そして、最後にFT友恋のオリキャラの一人、トーヤが登場!!
次回はマスターに頼まれてとある依頼をする事になった最強チーム+シン。その依頼の内容とは・・・!?
それではまた次回!!
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