| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

わたしの見る世界

作者:
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

本当の真実




桃香と仲直りして知った本当のこと。

桃香は言った。
「最初ね、奈々先輩が哀を嫌ってたんだよ。」


え・・・?
奈々先輩が?


「奈々先輩が、哀を仲間はずれにしようって。先輩だし、断れないし。」

どういうこと?

「でも、実際いじめてたことは事実なんだけど。唯も沙羅もそうなの。」



桃香はすべてを話してくれた。
唯も沙羅も話してくれた。


信じれなかった。
だけど、私も思い返してみると、そうだった。



謝られたあの日、奈々先輩は

許していいの?って。そう言った。

そして私と一緒に桃香をいじめたんだった。


奈々先輩に言われてだった。



そうか・・・。


先輩が、いじめを促していじめ始めて
私たちをかき乱していたのか。






真実は残酷なものだ。

私たちにできた、たった一人の先輩はいじめの中心で
私たちはそれに流されて。



先輩を許せなかった。








それから、桃香たちとは最初の頃のように仲良くなった。
一緒にいるようになった。


先輩は、部活に来なくなった。


たまに来ても、もう選手にはならなかった。






先輩は、私たちに何がしたかったのか。



たった一人の先輩は、私たちとどうしたかったのか。



何一つわからなかった。
わからないまま先輩は、私たちとは話しもしなくなった。







広崎くんはその間もずっと私を支えてくれた。
彼は私に辛い時も笑顔をくれた。

彼がいたから私は乗り越えられた。

もう。
彼が、・・・大好きになっていた。







先輩とは、それからそのまま。
時が過ぎた。
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧