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聖闘士星矢Ω 虎座の聖闘士

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第十四話 中堅戦!シグ対マリシ

黄金のJr.対カグツチ四人衆の戦いは佳境に入り遂にシグの出番になった。

リングに上がる『巨竜』シグは大河にその背を見せていた。

「とりあえず!このまま俺達が戦うしかないなシム!」

「残りは私が掃除してやる・・・貴様はそこで見物でもしていろ」

シグの挑戦的な態度に頭に筋を浮かべる大河だが、勝ち抜き戦ルールで残り二人となった今の状況ではシグに頼るしかない。

シグの視線の先には左腕に盾を装備し重武装の闇聖衣纏ったマリシの姿が・・・


第十六話 中堅戦!シグ対マリシ


リング中央で睨みあうシグとマリシ。

「ふふふ・・・貴様らもあと二人・・・楽勝で勝たせてもらいますよ~」

「ほざけ・・・残り三匹は私が引導をくれてやる」

あざ笑うかのようなマリシの態度に大河達に感化されたのかシグは闘志をたぎらせ応える。

その様子を見つめる大河。

岩鉄と疾風もボロボロでリングサイドで眠っている。

それを見たシグは小宇宙をみなぎらせる。

そうこうしている内にゴングが鳴った

「はあああああ!!」

シグが速攻で駆け抜けるとマリシの正面を捕えた。

マリシに向かって左右のコンビネーションを繰り出すが身体をしならせて回避するマリシ。

だがシグの拳がマリシを捕える。

するとマリシは自身の盾でシグの拳を防いだ。

マリシは盾から鎖を引き抜くと鞭のように操りシグに向かって放った。

シグは鎖を拳で絡め取ると力を籠め引き千切りマリシに向かって飛び掛かり殴りつけた。

シグの優勢だがマリシはあざ笑うかのように言った。

「ふふふ・・・そんな小技で私を止められると思いますか?最大の拳でも繰り出したらどうです?」

明らかな挑発。

「面白い・・・ならば食らわせてやろう・・・わが最大の拳を・・・」

それならそれで乗ってやろうとするシグ。

早期決着の為にも小細工無しで小宇宙を爆発させた。

「食らえ!ドラゴン!ブレーヴェストブリザァァァドッ!!」

巨大な竜の拳を放つシグ。

するとマリシは自身の盾で防ごうと構えている。

「そんな盾!わが拳で打ち砕いてくれる!!」

シグの拳を一身に浴びるマリシの盾だが耐え切れずに宙を舞って吹き飛ばされるマリシ。

リングに倒れるマリシに誰もが決まったと思った瞬間だった。

「何!?うわああああああああああ!!」

突然、拳を放ったはずのシグ自身が吹き飛ばされてしまいリングに倒れた。

「ば・・・馬鹿な・・・わが拳を・・・」

「ふ・・・ふふふ・・・」

ダメージを帯びたマリシも立ち上がるがその顔は笑っている。

それを見た澪は・・・

「まさか・・・あの盾は相手の拳をそっくりそのままの威力で跳ね返すの?」

「何だって!?」

澪の分析に驚愕する大河。

「馬鹿な・・・そんな事が」

「ふふ・・・今は完全には跳ね返し切れなかったようだが・・・今の拳の威力で貴様の照準はあった・・・次は完全に跳ね返してくれる」

マリシの様子に自身の不用意さを感じるがシグは・・・

「ならばこれならどうだ!オーディーンソード!」

違う拳を放った。

大地から放たれる拳がマリシに向かっていくがマリシの盾はそれを正確にとらえ全く同等の威力で跳ね返した。

「ぐああああ!!」

自身の技を食らい吹っ飛んだシグはリングロープに打ち付けられてしまう。

「シム!」

大河が駆け寄ろうとするがシグは大河を止めた。

「来るな!」

「けど!」

「貴様は私に倒される運命だ・・・他の奴にはやらん!・・・それに・・・私には一つ策がある」

自身の拳を浴びてボロボロになり立ち上がるシグは拳を構えた。

その瞳の奥には何かの強い決意が宿っている。

「ふふふ!貴様らの拳はこの大会中で徹底的に研究した!更には最初の攻撃で貴様の拳の力積は掴んだ!もはや完全勝利は歪まない!!」

シグの秘策など眼中にないマリシ。

シグは何かの意志を宿し向かっていった。

シグが拳を繰り出そうとする瞬間マリシは合わせて盾を繰り出そうとした瞬間。

「!!」

シグが身体を急回転させ拳の体制を崩した。

代わりに放ったのは凄まじい遠心力を宿した渾身の蹴りだった。

流石のマリシもシグの蹴りを盾では防ぎきれずに吹っ飛ばされてしまった。

「ば!馬鹿な!蹴りを使うなんて聞いてないぞ!」

「馬鹿が・・・最初に気付け・・・奴らはボクサーだから蹴りに抵抗があるが私は神闘士・・・別に抵抗などない!」

大河達の戦い方の固定概念に執着していたマリシがパニックになるがすぐに冷静さを取り戻した。

「ふん!だが貴様の蹴りももう覚えた!跳ね返させてもらう!」

「どうかな?・・・オーディーン!ソード!!」

不用意にも再び技を放つシグに対し盾を合わせるマリシはその技を跳ね返した。

再び吹き飛ばされるシグが倒れマリシが勝利を確信した。

「ふふ・・・私の勝ちですね」

だが気付かなかった。

自身の盾に亀裂が走っていたことに・・・

マリシが高笑いをしようとした瞬間。

盾の亀裂は全体に広がりマリシの盾が粉々に砕け散った。その事に驚愕するマリシ。

「ば!馬鹿な!どうして!」

「ふん・・・やはりもろい盾だったな」

シグは予想していた。相手の攻撃を跳ね返す盾だが、盾自体の強度はどうか・・・開始早々に何かがあると思っていたシグは盾を破壊する心構えで拳を放った。

そして不完全に自身の拳を跳ね返したがシグの眼は見逃さなかった。

盾にわずかな亀裂が走っていたことに・・・

だが次の攻撃から何の障害も無く攻撃を跳ね返されてしまうようになり盾自身にダメージを与えられない。

だからシグは一か八か相手の固定概念を利用し蹴りで盾の亀裂を広げた。

最後の仕上げに自身の技を繰り出すと、予想通り盾は技を跳ね返す圧力に耐え切れずに崩れてしまったのだ。

「あ・・・ああ!」

盾を失い戦意喪失するマリシ。

「やはりな・・・貴様自身の技など持っていないようだな・・・相手の技を跳ね返すだけでな・・・今度こそその身に受けるがいい!我が最大の拳を!」

小宇宙を爆発させその拳を放つシグ。

「ドラゴン!ブレーヴェストブリザァァァドッ!!!」

「うああああああああああ!!」

シグの最大の拳をまともに受けたマリシは耐え切れず消滅してしまった。

その事に誰もがシグの勝利を確信した。

「さぁ!上がってこい!残りも私が片付けてやる!」

シグがカグツチを誘い出そうとするが、突然誓いの旗にその身を包まれた。

「・・・もう限界よ」

澪だった。疾風の身体から引っぺがした誓いの旗をくるませた理由。

それは・・・

「なに?・・・ぐ!」

ダメージが限界を超えたからだった。そのまま倒れ込むシグ。

カウンターの様に何度も虚を突いた自身の攻撃を受け続けた。

それは2倍の破壊力で己に跳ね返ってきた。

強靭な気力で持ちこたえたシグだが勝利と同時に限界を超え倒れてしまった。

もはや残されたのは黄金のJr.『最強の遺伝子』である大河のみ・・・

そして

「・・・虎」

会場から大河を見つめる優しき龍の姿が・・・


 
 

 
後書き
遂に副将戦!とうとう残されたのは俺だけになった。しかも相手は奴らの頭であるカグツチ。だが奴の力は想像をはるかに超えていた!左腕をやられ聖衣を破壊され絶体絶命の俺の前に遂に姿を現す『皇帝』・・・そしてスクエアー!

聖闘士星矢Ω 虎座の聖闘士 副将戦!大河対カグツチ
 
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