勇者指令ダグオンA's
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第十一話 勇者の背中
「羅刹一族、北斗」
力、飛鳥、ノルウェールが北斗について考察をまとめていた。
「ブレイブダグオンを圧倒したあの力・・・あれは」
飛鳥が困惑しているとノルウェールが口を開いた。
「あれは伝説の竜とその鎧」
「伝説の竜と鎧」
「宇宙の伝承にこんな言い伝えがある・・・・天に神がいる如し星に4つの鎧あり・・・その力4つ纏し者・・・星を割り空間を切る」
「ちょっと待てよじいさん!!あの鎧は4つもあるのか?」
ノルウェールは頷いた。
「マジかよ・・・あいつが来たってことはその鎧はこの星にあるって事?」
「そうだ。これは宇宙警備隊、銀河連邦、宇宙警察機構からの情報だが既に北斗は3つの鎧を手にしているということだ。羅刹一族とは元々己が強さを証明するために生きる一族。誰もがその伝説の竜を操ろうとしたが叶わなかった。そして3つの鎧を使いこなした者が出た」
「3つって。この間俺に使ったのはそのうちの一つってわけか」
「勝算は?」
飛鳥が力に言った。
「・・・多分・・・鎧がそろう前に俺たちで一斉攻撃かますかだな」
(あるいは君達に封印されている力が解放されれば)
ノルウェールがそう思っているところに朗報が入った。
「やれやれ」
「ん?どうしたじいさん?」
「ああ、ちょっとね」
力の質問に複雑な表情をするノルウェール。
第十一話 勇者の背中
ノルウェールが受けた通信とは保護した子どもが医療を受けてくれないという情報だった。フェイト・T・ハラオウン執務官が向かっているがやはり近くに居たノルウェールが呼ばれたがやっぱりやっぱり呼ばれたこの男。
「で?なんで俺?」
「ハラオウン執務官が来るまで面倒見なさい」
「へいへい」
特に断る理由のない力が病院に入るとそこは殺伐としていた。みんな手に帯電手袋をつけていたからだ。力にも帯電手袋が渡されたが力は装着しなかった。病院の表札には「エリオ・モンデリアル」と書かれていた。部屋の外には飛鳥のダグテクターの人形が置かれていた。
「(俺の人形は無いんだ)こんちわ~」
力が部屋に入るなりいきなり電撃を浴びせられた。その先には少年エリオが居た。
「くっ!痺れたぁぁぁぁぁ」
「うああああああああああああああああああああああああ!!!!」
エリオは人が死にかねない電撃を力に浴びせる。エリオは誰も信じられないそんな気持ちが力に伝わってきた。
「放っとけ!!どうせ皆僕のことなんてどうだって良いんだ!!!」
「・・・へっ・・・もう終わりか?」
「!!!」
ニヤリと立ち上がる力。あまりのことにエリオは困惑している。
「・・・来いよ・・・俺は頑丈だぜ」
「く!うあああああああああああああああああああ!!!」
エリオから放たれる高圧電流を一身に受ける力。並の人間なら黒焦げになって灰になるであろう電圧に力は耐えている。
「・・・へへ・・どうしたボウズ!!それが全力か!!?んなもんじゃ俺は倒せねえぞ!」
「うあああああああああああああああああ!!!」
さらに電圧を上げるエリオ。力に至ってはまるで近所の子供と相撲でもとっている感覚である。やがてエリオは力を使い果たし倒れこんでしまった。それを受け止める力。
「気が済んだか?」
「はなせ!!はなせ!!!」
必死に力の腕から脱出するエリオ。力はとりあえずエリオを放した。
「ボウズ」
「お前なんかに僕の気持ちが分かるか!!!僕は誰も信じない!!!」
「・・・なんか知らんが・・・分かりたくねえ・・・けどなボウズ・・・誰も信じねえで生きていくなんて・・・悲しすぎるぜ」
力はそのまま部屋から出た。その背中を見送ったエリオは。
「・・・信じて裏切られるのなんて・・・もうたくさんだ」
そしてエリオは部屋にこもり始めた。
「ノルウェール空将」
「なんだ?」
「彼本当に人間ですか?」
先ほど力がエリオから食らっていた電流は3億ボルトを超えていた。
「・・・人間だよ・・・とても優しい」
力はそのまま帰ろうとした瞬間妙な気配を感じた。その前にはエイリアンが襲来していた。
「!!!」
局員たちが次々と倒されていたところに力が立ちはだかった。
「・・・お前ら一体何者だ?この先にはガキしかいないぜ」
「我々が用があるのはその先にある『物体』だ」
「なんだと」
力はエリオのことを『物体』と呼ばれたことに腹を立てた。
「どけ小僧・・・死にたくなければな」
「それを聞いたら尚の事・・・ここを通すわけにはいかねえな!!!」
ブチ切れた力が構えた瞬間。エイリアンが襲い掛かった。力は受け流すがエイリアンはそのまま力を叩き付けた。
「ぐあは!」
「ここは身を引いたほうが良い」
エイリアンの言葉に力はニヤリと笑っていった。
「冗談じゃねえぜ・・・いい加減な大人ばかりじゃねえんだ」
管理局の目があるため力はダグテクターを装着できない。だが力は戦う決意をしている。
「・・・馬鹿な小僧だ」
エイリアンは力の身体を持ち上げるとエリオの居る部屋まで叩き付けた。
「な!なに!?」
突然の事に困惑するエリオ。そしてうなだれる力の姿があった。
「ぐっ・・あ」
あまりの衝撃で蓄積されたダメージが爆発したのだろう。そのまま力はエイリアンに持ち上げられた。そばには困惑したエリオが居た。
「あ・ああ」
「逃げろ!早く逃げるんだ!!」
力の言葉に我を取り戻したエリオは咄嗟に逃げようとするがその先にエイリアンが立ちふさがる。
「ああ!」
「貴様は複製人間として面白いサンプルだ・・・我々で回収していく」
「う・あ」
もはやエリオは恐怖で立ちすくんでいる。
「・・・げえ」
「なに?」
「違え!そいつはただのクソ生意気なガキだ」
力はエイリアンの拘束を解くとエリオを抱えそのまま走った。
「しゃらくさい!!」
エイリアンの攻撃が力にヒットすると力の身体は外壁を突き抜けた。高層地帯だった施設から落ちる力とエリオ。
「うああああああああ!!」
「あああああああああ!!」
エリオがもう駄目だと思ったその時。
「トライダグオン!!」
管理局施設外に出たことで力はダグコマンダーを起動させた。水色のダグテクターが構築されていく。
「ブレイブリキ!!」
力はエリオを抱えるとそのまま安全に着地した。エリオは全く何が起こったのか分からないといった表情だった。エリオは半分失神していたため力はそのままエリオを抱え安全な場所までかくまった。
「ここに隠れていろ」
「あ・なたは?」
エリオの問いに力は答えた。
「勇者!ダグオン!!」
「勇者?ダグオン?」
襲い掛かるエイリアンの群れに突っ込んでいく力。
「ブレイブライオアタック!!!」
ライオン形態に変形した力の攻撃でエイリアンは一掃された。
「凄い」
今のエリオには力のダグオンの背中がとても大きくそして頼もしく見えた。
「ほらほらエイリアンの皆さん!!俺はこっちだぜ!!」
またも来るエイリアンだが。
「ブレイブシューター!!!」
力のショルダーから光弾が発射される。力はなるべくエリオからエイリアンを引き離すように戦った。だがなおも増え続けるエイリアン。そこに。
「ブラッディダガー!」
赤い剣が降り注いだ。
「はやて!!」
「ブレイブリキ!大丈夫!?」
だがエイリアンの数は減らず囲まれる力とはやて。その時
「凶牙粉砕!!スターダスト・シューティング!!」
流星のような光線が降り注ぎエイリアンを破壊していった。
「飛鳥!!」
「よっ!」
「あたしらも忘れんな!!」
そこにヴィータ、シグナム、シャマル、ザフィーラ、リインが到着した。等身大戦士がはやてを筆頭に全員集結した。
「差し詰め『八神軍団』か『ヴォルケンリッター全員集合』ってとこ?でしょ?リーダー」
飛鳥がはやてに言うとはやてが焦った。
「これ軍団やったの?っていうか何で私がリーダー?」
「ブレイブリキが六人目のヴォルケンリッターなら、あたしは七人目のヴォルケンリッターってことで」
「わあ!リインに後輩が二人もできたです!!」
感激しているリイン。そして勇者たちはエイリアンの群れに向かって構えた。
「ブレイブクロー!!」
ブレイブリキがエイリアンを切り裂いていく。
「飛竜一閃!!!」
シグナムの飛竜一閃がまたもエイリアンを一掃していく。
「ラテーケン・ハンマー!!」
「ぬおおおおおおおお!!!」
ヴィータがエイリアンを叩き潰すとザフィーラがエイリアンを殴り倒した。
「はぁぁぁ!」
飛鳥の周囲を魔力で出来た羽が浮遊し始めた。
「朱雀・・・舞羽陣!!!」
魔力でできた羽は蝶のように舞った後蜂のように鋭くエイリアンを刺した。
『小僧どもがあああああ!!!』
エイリアンのボスは巨大円盤を繰り出した。そして円盤は人型に変形していく。
『ガキども殺す!!』
巨大ロボはそのまま勇者たちに襲い掛かった。
「くっそ!!飛鳥!そいつを安全な場所に!!」
「OK!」
飛鳥はエリオを抱きかかえるとウィザーエヴォーラに乗り込んだ。
『逃がさん!!』
『そうはさせるか!!』
同時にチームアルフェリスとノルウェールがビークルを運んできた。
「融合合体!」
ブレイブエラゴが人型に変形すると力と一体化した。瞳が淡い緑色に光る。
『ダグ!ブレイブ!!勇者合体!!』
ブレイブローダーが発進され人型に変形しダグブレイブと合体した。
『ブレェェイブダグオン!!』
『『『時空合体!!』』』
ビルガー、ボルト、ガンザーの順番に合体した。
『アルフェリス!!』
『八神ファミリー!!フォームアップ!!古代合体!!』
ルシファード、シグナム、ヴィータ、シャマル、ザフィーラが合体する。
『ファルビリオン!!』
「フレイムライナー!!」
ノルウェールがフレイムライナーに吸収されるとフレイムライナーが人型に変形した。
『チェェェンジ!!フレイムナイト!!ソウルユニバース!!!』
ソウルユニバースを召喚し合体するフレイムナイト。
『フォームアップ!炎馬合体!フレイムナイト!!』
巨大円盤獣に勇者が降り立った。
『行くぜみんな!』
『『『おう!』』』
『光速拳!!!』
アルフェリスの光速の拳が円盤獣に降り注いだ。
『ギガントハンマー!!』
ファルビリオンからギガントハンマーが繰り出された大きく歪む円盤獣。
『ブレストバルカン!!』
『グラニーバスター!!』
ブレイブダグオンとフレイムナイトの一斉射撃が繰り出される。全員の攻撃にひるむ円盤獣。
一方
「まずい・・・出遅れた」
みんなが活躍している中、飛鳥は不謹慎なことを思っていた。
「あ・あの」
「う~ん安全なとこね~そうだ」
飛鳥はエリオを乗せたまま急発進した。突然のことで驚いているエリオ。
「融合合体!!」
エリオを乗せたままウィザーエヴォーラは人型になり飛鳥と一体化した。瞳が淡い緑色に光る。
『ダグ!ウィザー!!』
飛鳥はダグウィザーになった瞬間胸の部分をたたき始めた。
『お~い大丈夫か~?』
「な!なんですかこれ!?」
『いや~近くの安全な場所ってここしか思いつかなくて悪いね~』
ダグウィザーの言う安全な場所。それは己の体内だった。エリオはコックピットのような場所に座っている。
「え!ちょっと!!」
『ウィザーウインガー!!』
エリオの抗議を無視したダグウィザーのコールに呼び出されたウィザーウインガー。
『魔導合体!!』
ウィザーウインガーが人型に変形するとダグウィザーが胸部に乗り込んだ。胸部が閉じると瞳が淡い緑色に光った。
『ウィザーダグオン!!!』
ウィザーダグオンが完成するとエリオが乗っていたコックピットが移動した。
『登場!!』
『ウィザーダグオン!!ボウズは?』
『ああ、こん中』
『馬鹿たれ!!!!!』
ウィザーダグオンが自分自身を指すとブレイブダグオンのパンチが入った。そのままアルフェリスγ(わざわざ攻撃型に変形しました)とファルビリオンに袋叩きにされるウィザーダグオン。
『な!なんで!!?』
『お前な!!いくらなんでもこんなとこに子供入れてたら危ないだろ!!』
珍しくまじめなことを言うブレイブダグオン。
『だったら一気に片付ければいいっしょ!!』
『くっそ!!一斉砲撃だ!』
『『『『おう!!』』』』
ヤケクソになったブレイブダグオンの指令に全員が空中でフォーメーションに入り砲撃を構えた。円盤獣をロックオンした。
『ブレイブバースト!!!』
『ダブルスクリューカノン!!』
『響け終焉の笛ラグナロク!!』
『ユニコーンアロー!!ニーベンシューティング!!』
『ウィザーキャノン!!!』
ミッド、ベルカの魔方陣が収束していく。ウィザーダグオンから魔力とエネルギーが収束していく。
『ファイナルシュート!!!』
『うぎゃあああああああああああああああ!!!』
全員の砲撃が収束し円盤獣を飲み込んだ。消滅した円盤獣。
そして勇者たちは降り立った。
その後フェイト・T・ハラオウンがエリオ・モンデリアルの保護責任者になるという話を聞いた。
「まっハラオウン執務官なら心配ないね」
「結局俺が行った意味はあったの?」
「さぁ?少なくともあの子ダグオンの人形は持ったままだったけど」
「なんかまたそのうち会えそうな気もするけどな」
力はそのまま帰路についた。
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