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勇者指令ダグオンA's

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第十話 北に凶星


とある訓練場に一人の瞑王と獣の姿があった。

「私の訓練・・・そんなに役に立たないかな・・・かな」

もはや目の色単色になっているなのは。

「じゃあウダウダいってないでかかってきたらどうです!!?」

その言葉がゴングとなったのか、なのはが急接近でレイジングハートを構えた襲い掛かった。接近戦重視の飛鳥の攻撃に対抗したのかハタマタ喧嘩が多いためか、なのはの接近能力は上がっていた。飛鳥も蹴り技で対抗する。

「くう!!」

飛鳥は右手をスナップさせるとコメットボムで、なのはを牽制し距離を置いた。

「へぇ~格闘技以外のこともできるんだ~」

「多少は・・・後は豆鉄砲しか持ってませんけど」

なのはは冷ややかな目でレイジングハート・エクセリオンを構えた。

「私も豆鉄砲しかもってないんだけど・・・」

なのはの足元に魔方陣が展開され周囲の魔力を吸収し始めた。

「一回撃ち合ってみる?」

もうなのはに『容赦』の二字は無い。

「・・・よろしくお願いします」

飛鳥が右手を構えるとミッド、ベルカの両魔方陣が展開された。レイジングハートに魔力が収束され、飛鳥の右腕にも魔力が収束されていく。魔力量は半端ない。傍観者たちは思った。

(ここに居たら死ぬ!!)

ワアキャアワアキャア!!叫びながら逃げ惑う傍観者たち。

「ひとつ聞きますけど非殺傷設定は?」

「解除してるに決まってるじゃない♪」

それを聞いた飛鳥はニヤリとした。

「へぇ~なら思う存分・・・消せます!!」

「東さん・・・死んでも恨まないでね♪」

もはや二人とも完全に正気を失っているのか『手加減、被害、相手の命』などの心配的要素は削除されてた。

「全力全開!!」

「凶牙粉砕!!」

「スターライト!!!」

「スターダスト!!!」

「「ブレイカー!!!(シューティング!!!)」」

二人の自称『豆鉄砲』がぶつかり合ったと同時に破壊される周囲。ぶつかり合う魔力の余波で演習場は半壊、怪我人、重傷者多数。その中には撃った本人同士も含まれていた。翌日修理費等々が二人の給料から天引きされた。


第十話 北に凶星

「はぁ~」

ギンガ・ナカジマはため息を吐いた。飛鳥との組み手を楽しみにしていたが、エース・オブ・エースこと高町なのはに飛鳥が拉致された挙句両者入院するという事態が起きたからだった。

「・・・もし東さんと組み手やったら・・・」

考えただけでもぞっとするギンガ。だが上を目指すには飛鳥との勝負は避けて通れないそうも思っていた。

「どうしたの?」

「あっシャマル先生」

「この間のこと?」

シャマルはなのはと飛鳥の喧嘩騒動に巻き込まれていたため一時的に帰還していた。

「う~んっと飛鳥ちゃんと互角にやった人なら紹介してあげるけど」

「え?本当ですか!!」

喜んでいるギンガだが。当然呼ばれたのはこの男。

「シャマルさん・・・なんで俺なの?」

「だって力君強いじゃないあんな鎧つけなくても聞いてるわよ」

回想

力ははやてとキャッチボールをしていた。すると勢いあまってどこかの家の庭に落としてしまったのだ。そしてボールをとりに行く力とはやてだがそこに居たのは。

「熊?」

「ワニ!!?」

「豹まで居る」

「力君やめようよ!相手は猛獣やで!!ボールならウチが弁償するから!!」

「いやだ!あのボールは弾丸エースから貰ったボールなんだい!突撃ぃぃぃぃ!!」

「ぎゃああああああああああああ!!!」

思わず目を伏せるはやてそして聞こえる断末魔の叫び。

「お待たせ」

「へ?」

無傷で生還した力。動物が仰向けになっているのは見なかったことにしよう。南力八歳の夏だった。


回想終了


「やだ!」

「ええっと。じゃあ・・・・ジュース奢ってあげる♪」

「よし!やろう!!(即答)」

(安っ!!)

あまりにも安い報酬で釣られた力にギンガは少々物足りなさそうだが、あの飛鳥と互角にやったということは少々期待してもいいとも思っていた。ギンガはシューティングアーツの構えを取った。

(・・・左構え・・・サウスポーってわけでもなさそうだけど・・・左メインってとこか)

力も構えた。だがギンガは力の構えに唖然とした。

(なんですかあの構え・・・隙だらけじゃないですか!!)

力の喧嘩の構えを見てギンガは唖然としていた。何せ隙だらけで付け込みやすいからだ。

(誘ってるわけでもなさそうだし・・・・探りで)

最初に動いたのはギンガだった。

「はぁあああああああああああ!!!」

「!!!!」

ギンガの拳繰り広げられる瞬間、力の目つきが変わった。ギンガの左ストレートを絡めとりカウンターでギンガの脇腹に一撃入れた。

「ぐふっ!!」

突然の出来事に驚くギンガ。カウンターだったため激痛が走る。ただの民間人の高校生にこんな芸当ができようものか。

(東さんと互角っていうのは本当みたいね)

ギンガは力に飛鳥と同じ野生を感じ取っていた。

(ならこちらも手加減なしで・・・)

ギンガは迷いを吹っ切り力に襲い掛かる。ギンガの凄まじい攻撃だが力はお得意の捌き技でギンガの攻撃を受け流しカウンターを繰り広げた。ギンガは素早く捌かれる前に一撃をれた。

「ぐは!!」

(しまった!!)

組み手とはいえ本気で力の頭を蹴り飛ばしてしまったギンガ。だが

「ぬん!!」

力はその場で踏みとどまった。唖然としているギンガ。

「・・・大分目が慣れてきた・・・」

「受け流し技しか持っていないみたいですね・・・攻めの技は持ち合わせていないのですか?」

「挑発か?・・・いいぜ・・・・それならそれで乗ってやろうじゃねえか」

今度は力が前に出てギンガのカウンターが決まるが、力はそのまま押し切りギンガに一撃を入れた。だがギンガは次の力の行動に仰天した。

「な!」

なんと力がギンガの身体に額を押し当てていた。あまりの突拍子も無いこと&恥らっているギンガ。だが力はそんな暇は与えなかった。

「ぐふう!!」

力のボディーブローが連続でギンガの胴体に突き刺さった。俗に言うリバーブローに近い。

「ぐ!がは!ぐふ!!」

力がギンガの身体に額を密着させたのは距離を置いたら滅多打ちにあうためか、あえて身体を密着させギンガに自慢のゼロ距離ナックルをお見舞いすることだった。先ほどからギンガの攻撃を捌いていた力が感じていたのはアウトレンジからの突進技の一撃離脱のヒット&アウェイ戦法。


力の見解

(だったら距離を置かずに逃がさなけりゃいい!!)

相手が強いこの状況で力が脳内から削除したこと、魔導師、相手は女であり、その状態になった力には『容赦』の二字が削除される。

「く!」

ギンガが力の連打から逃れようと渾身の拳を繰り出すが、力はその腕を絡めとりギンガの力の反動を利用して投げ飛ばした。咄嗟に受身を取るギンガだが起き上がろうとした瞬間力が片足に組み付いた。

「・・・選べ」

「え?」

「このまま足を折られて治療魔法受けるか・・・ギブアップするか!!」

ギンガの足は完全にホールドされており力の馬鹿力を加えれば関節は折れてしまうが。

「・・・・ってください」

「なに?」

「折ってください!!ギブアップなんて絶対しません!!治療魔法なんて受けないで、その痛みをバネにして絶対絶対!!あなたにリベンジします!!」

ギンガの顔を見た瞬間、力は足のホールドを外した。

「え?」

「やめとく・・・今回は俺の勝ちだ」

力はそのままシャマルの元へいった。が、ギンガはその光景を見て激怒した。なんと本当にジュース一本奢ってもらっていたからだった。

(私の相手はジュース一本の価値ですか!!)

その時ギンガには明確な殺意が目覚めた。


「いつまで付いてくんのよ?」

力のことを付回すことにしたギンガ。

「俺のことを付回したって意味ないよ?」

「あなたのその化け物じみた強さを解明するためです」

余程ジュース一本の価値でやられたのが悔しかったのかギンガは力に詰め寄る。そして力はコンビニから出たその瞬間。

「こぉぉら~南力!!!」

「げ!佐津田のおっさん!!」

この佐津田刑事は力がなんかしでかすたびに補導しているため必然的に力を見かけたら即逮捕という考えにいたってしまったようだ。

「貴様またなんかしでかしたな!!逮捕だ!!」

「何もしてないよ!それに嫌だ!!おっさん逮捕してもカツ丼出してくれないんだもん!!」

「貴様ごときにカツ丼など不要だぁぁ!!」

「離せったら離せ!!」

「い~や離さん!!ほうっておけば貴様また何かやらかす!!」

ギンガ以外の人間はウンウンと首を縦に振っていた。余程力の悪行は有名なのだろう。

(なんか飛鳥さんみたい)

その時光が襲来した。唖然とする力たち。するとそこには一人の男が立っていた。

「エイリアン!!」

ギンガが突撃しようとしたその時ギンガの溝に一撃が加えられてしまった。

(こいつ強い)

力は戦闘体制に入った。

「はああ!!」

力の跳び蹴りが男に炸裂するが男はビクともしない。そして男がにやけると一言言った。

「・・・来い」

「なに?」

「ここでは目立つ」

「わかった・・・おっさん・・・ギンガを頼む」

「お!おい!南力!!」

すると男は閃光を繰り出しその場からテレポーテーションした。

「な!何が起こった!?」

佐津田刑事は混乱していると力はどこかの森に飛ばされた。

「お前は誰だ!?」

男は不適に笑うと

「羅刹一族・・・北斗」

「何?」

北斗は胸元からクリスタルを取り出した。

「アジャスト」

その瞬間クリスタルが砕け散り北斗の身体に再構築されていく。

「はあ!!」

姿の変わった北斗に真空破を出すが力は咄嗟に回避した。

「カマイタチとは芸が古いぜ!トライダグオン!!」

力がダグコマンダーを起動させると水色のダグテクターが構築された。フルフェイスのマスクが装着される。

「ブレイブリキ!!」

ダグテクターを装着した力に北斗は容赦なく攻撃を仕掛けた。とっさに受け流す力。

「・・・ほぅ・・・やるな」

「お前こそな・・・はあ!!」

力の跳び蹴りが北斗に炸裂する。北斗は力の蹴りを受け止めると両肩から二本の剣を取り出した。

「つえあ!!!」

北斗の剣が力に繰り出されるが力は何とか捌くとカウンターで一撃入れた。

「黄竜!!!」

北斗のコールに一匹の獣が現れた。

「フュージョン!!」

北斗が黄竜と呼ばれた獣に飲み込まれた瞬間。獣は人型に姿を変えた。

『たああ!!竜神!北斗!!』

金色の巨人がその場に立った。

「く!ブレイブエラゴ!!」

力は咄嗟にブレイブエラゴに乗り込んだ。

「融合合体!」

ブレイブエラゴが人型に変形すると力と一体化した。

『ダグ!ブレイブ!!』

力がダグブレイブになった。

『ブレイブマグナム!!』

ダグブレイブのブレイブマグナムで牽制するが北斗は回避しなかった。全弾命中するブレイブマグナム。

『決まったか?』

爆煙が晴れるとそこには北斗が立っていた。

『なに!?』

『竜破刃空拳!!』

北斗から放たれた拳がダグブレイブにヒットする。

『うああああああああああ!!!』

必死に起き上がるダグブレイブ。だが北斗の攻撃は続く。

『流星拳!!』

無数の拳がダグブレイブに襲い掛かるが。

『そこか!!』

ダグブレイブは流星拳の軌跡をかいくぐり絡みついた。

『なに?』

『おりゃああああああああああああああ!!!』

ダグブレイブは全体重をかけて北斗を投げ飛ばした。さすがの北斗も攻撃を受け流されてしまう。

『くうう!!!』

投げ飛ばされた北斗はそのまま陣を書いた。

『やるな・・・なら礼儀として・・・少しは本気を出してやるか』

ダグブレイブの実力を認めたのか、北斗は十字の上部を指した。

『玄武招来!!』

その経文に答え亀の姿をした鎧が現れた。

『なんだよあれ!?』

『フュージョン!!』

亀の鎧がバラバラになると北斗の身体を覆いつくした。

『玄竜神・北斗!!』

鎧を装着した北斗からは異様なまでの力が発せられていた。

『く!来ぉぉぉい!!!ブレイブローダー!!!勇者合体!!』

ブレイブローダーが発進されたと同時に人型に変形する。

『うおおおおおおおおお!!!』

ダグブレイブがビークルモードになると胸部に収まりヘッドが淡い緑色に光った。

『ブレェェイブダグオン!!』

ブレイブダグオンに合体したダグブレイブ。

『一気に片付けてやる!!ブレイブソォォォド!!』

『玄武の太刀』

両者が剣を構えた。

『ブレイブソォォドクラッシュ!!!』

『亀甲剣』

お互いの必殺技がヒットした。

『うぐあああ』

ブレイブダグオンが倒された。起き上がろうとするブレイブダグオンだが。

『今は命は預けておく』

『なに!?』

『俺の目的はこの地の鎧を手にすること・・・貴様の命はまだとらないでやる』

そう言って北斗は去っていった。

『待て!!っくは』

立ち上がろうとするブレイブダグオンだがボロボロで合体可能なコンディションを下回ったためか合体が強制解除されてしまった。

「まずい・・動けねえ」

ダメージが予想以上に大きかったらしく力はダグコマンダーで飛鳥を呼び出した。飛鳥は驚異的な回復力でなのはより先に退院しており力の応急措置に回った。

ウィザーエヴォーラで力を自宅に送り届ける車内では新たなる敵の姿がよぎった。

「大丈夫?」

「なんとか・・・」

「羅刹一族の北斗か・・・調べてみる必要ありね」

そうこうしているうちに力の自宅まで到着した。

「そういやギンガは大丈夫か?」

「それなら平気・・・あの後佐津田さんの連絡で本局がちゃんと保護したから」

「おっちゃんも管理局の関係者だったのか」

そうこう言いつつ力は飛鳥を自宅に招いた。

一方自宅では

「もうはやてちゃんが来るなんて久しぶりね」

「い~え。おばさんも力君には相当苦労しているようで・・・」


などと茶をすすってるときに新次郎が。

「母ちゃ~ん、兄ちゃんがしらない女連れてきた」

「「え?」」

顔を見合わせる力母とはやて。


力母脳内
ウチの馬鹿息子+知らない人=なんかしでかした

はやて脳内
馬鹿たれ+知らない人それも女=なんかしでかした

「「うぎゃあああああああああああああああ!!!!」」

その瞬間二人は本能的に玄関まで駆け出した。そして玄関にはいるなり土下座体制に入った。

「「すいません!すいません!!うちの馬鹿息子(馬鹿たれ)が何したか知りませんけどとりあえず私が謝っておきます!!すみません!すみません!!」」

「なにやってんの?・・・特にはやて」

いきなり土下座されて唖然としている飛鳥。その瞬間、新次郎とことはが持っているクス玉が割れた。二つのクス球にはそれぞれこう書かれていた。

祝!母ちゃんが謝った人1000人目

祝!はやて姉ちゃんが謝った人1人目

新次郎とことは紙吹雪を散らしていた。呆れる飛鳥。ちなみに新次郎とことはにとって力母が謝りまくることは日常茶飯事と化したため記念品を作っていた。

「あんたなんちゅう親不孝なことを・・・あの~頭上げてください特になんもされていないので」

申し訳なさそうに頭上げる力母とはやて。なおこの後飛鳥は力が無実だということを徹底的に説明させられる羽目になった。




余談だが数年後。力とギンガはひょんな事から再会するのだが。

「力さ~んひさしぶりですぅ~」

「ギンちゃ~ん元気だったぁ~」

っと超満面の笑みで花畑の中駆け寄る両者にどこぞの少女漫画の親友同士の再会場面のウフフ、アハハのような空気が流れそうになる



ビュン!ビュン!ビュッビュビュビュッ!ビュ!

コンマ数秒の間に数手の攻防が繰り広げられ二人は距離を置いた。

「・・・衰えてませんね」

「・・・ギンちゃんこそ腕上げたんじゃないの?」

両者の口元には赤い雫が滴り落ちていた。それを見ていたギンガの妹と消防車は。

「に・人間の動きじゃない・・・」

『不覚にもパンチが見えなかったぜ・・・・』

などと唖然としていたという。

 
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