| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ウルトラマンメビウス ウルトラ兄弟最大の戦い

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二話 兄弟戦士登場その七

「おのれ、私の円盤生物達が」
 ブラック指令はそれを見て苦渋に満ちた表情を見せていた。
「だがこの程度では」
「まだ円盤生物を出すというのだな」
「そうだ、だからこそここで貴様を」
 剣を構えて隊長を見据える。
「死んでもらうぞ。貴様さえいなければ」
「生憎だがそうはいかない」
 しかし隊長は剣を構えた敵を前にしても動じてはいなかった。冷静に銃を放っただけであった。
 それはブラック指令の水晶を打ち砕いた。それだけであったが指令にとっては致命的であった。
「くっ、それを狙ってきたというのか」
「御前の弱点はもうアーカイブにもある。残念だったな」
「抜かったわ。だが覚えていろ」
 ブラック指令は溶けゆく中隊長に対して呪詛めいた言葉を残す。
「我等の攻撃はまだこれからだ。地球はそれから逃れられはせぬ」
 そこまで言って姿を消した。後には何も残ってはいなかった。
「我等だと」
 隊長は最後のその言葉に何か引っ掛かるものをすぐに感じ取っていた。
「まさかな」
 そしてそこから何かを読み取ろうとしていた。
「この神戸で大きなことが起ころうとしているのか」
 一人呟く。だがそれを誰にも話すことはなく今はその場を立ち去るのであった。ブラック指令を倒したという報告と共に。

 ミライはセリザワと共に今二人の青年と会っていた。
「貴方がおおとりゲンさんですね」
「そうだ」
 ミライの前に立つ精悍な青年がそれに応えた。
「君のことは聞いている」
「ではやはり」
「そうだ、僕はウルトラマンレオ」
 自分からそれを名乗った。
「そしてこれは」
「アストラだ」
 長身で筋肉質の青年が名乗った。
「人間のときの名はおおとりレイという」
「おおとりレイ」
「そうだ、覚えておいてくれ」
「わかりました」
 ミライはその言葉に応えて頷いた。
「それでどうして貴方達が」
 セリザワはあらためて二人に問うた。
「再び地球に」
「君と同じ理由だ」
 ゲンが強張った顔でセリザワことヒカリにそう語った。
「ではやはり」
「そうだ。メビウス」
 レイもミライに顔を向けてきていた。そして語る。
「今地球に恐ろしい脅威が迫ってきている」
「それはヒカリからも聞きましたが何なです?」
 どうしても聞かずにはいられなかった。ミライの顔もまた強張っていた。
「宇宙人達の侵略ですか!?」
「そうだ」
 ゲンがそれに頷いてきた。
「どうやらこれまで地球に侵略してきた宇宙人達の中でもとりわけ強力な奴等が同盟を組んで攻めて来ているらしい」
「じゃああの円盤生物も」
「そうだ。ブラック指令もまた来ている」
「だが今は反応がない。どうやら死んだらしい」
「そうだったのですか」
 それを聞いてまずは安心した。だがそれは一瞬のことであった。
「しかしだ」
 レイがまた口を開いた。
「敵はブラック指令だけではない。他にもいる」
「他にも」
「そうだ。だからこそ我々が来た」
「おそらく僕達だけではない。メビウス」
 ゲンの声がさらに険しくなる。
「覚悟はいいな」
 言葉と共にミライを見据える目の光も強くなる。
「この戦い、これまで以上に激しい戦いになる」
「それでもいいな」
「構いません」
 それに答えるミライの声もまた強く確かな決意に満ちたものであった。
「僕はその為に地球に来ているんですから」
「わかった」
 ゲンはその言葉を聞いて目で頷いてきた。
「それでは僕達も力を貸そう」
「この星の人達の為に」
「貴方達もですか」
「そうだ」
「君達と共に」
「有り難うございます・・・・・・」
 ミライは彼等の言葉に何を言っていいかわかりかねていた。ただこう述べるだけであった。
「まさか貴方達まで」
「感激している暇はないぞ」
「そう、敵はまた来る。だから」
「はい!」
 メビウスとしてレオとアストラの言葉に頷いた。そして再び戦いへと想いを馳せるのであった。


第二話   完


                        2006・11・18
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧