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レーヴァティン

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第二百五十七話 酒の後でその十一

「二日酔いにはたい」
「サウナがいいね」
「湯舟よりもたい」
「そうだね、汗が一気に出てね」
「その後で水風呂に入るたい」
「そこで一気に冷えてね」
「余計に酒が抜けるとよ」
 汗が出てそれで酒を抜いてだ。
「だから二日酔いにはたい」
「サウナだね」
「それで私達も入っているとよ」
「そうだね、今は辛いけれど」 
 見ればまだ身体に汗は出ていない、入りたてなのは明らかである。
「徐々にね」
「汗が出てたい」
「酒が抜けるよ」
「そうたいな」
「ここに来るまで辛かったけれどね」
 サウナにというのだ。
「ベッドからね」
「そうだったたいな」
「もう起き上がるだけでも」
 普段は何でもないこのことですらというのだ。
「もうね」
「それは誰でもたい」
「二日酔いになるとね」
「辛かたい」
 どうしてもというのだ。
「それだけでも」
「そうだったよ、本当にね」
「それでも起きてたい」
「こうして入らないとね」
「ずっとたい」
 それこそというのだ。
「辛いままたい」
「そうだね」
「それであんたも起きたたいな」
「そうしたよ、這う様にしてね」 
 実際は二本の足で歩いたがあまりにも辛かったのでこう表現したのだ。
「そうしてここまで来たよ」
「そして今入ってるたいな」
「服を脱ぐだけでも辛かったよ」
 やはり普段は何でもないこのこともというのだ。
「本当にね」
「誰でもそうたいな、私もだったとよ」
「それで何とかここに入って」
「身体洗ったたいね」
「洗ったよ、髪の毛はまだだけどね」
 香織は答えた、見れば手足に徐々に汗が出て来ている。まだそれは少しであるが少しずつでもその量が増えてきている。
「それでもね」
「それは何よりたい」
「エチケットだね」
「お風呂入る前に身体を洗うことはね」 
 まさにというのだ。
「礼儀だよ」
「湯舟にしてもサウナにしても」
「だからだよ」 
 本当にというのだ。 
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