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レーヴァティン

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第二百五十七話 酒の後でその十

「それもかなりね」
「そうだよね」
「河豚は美味しいよ」
 淳二は笑顔で言い切った。
「本当にね」
「そうだよね」
「こちらでも食べられるけれど」
「この浮島でも」
「カルパッチョとかアクアパッツァにして」
「フライとかでもね」
「けれどこちらの浮島でも毒があるから」
 それ故にというのだ。
「やっぱり気をつけないとね」
「さもないとね」
「今話している様にあたるよ」
「本当にね」
「そしてあたらないとね」
「美味しく食べられるよ」
「何の心配もなく」
「そうなるからね、実はおいら河豚大好きで」
 淳二は笑って話した。
「どのお料理でも食べられるどんな場所もね」
「好きなんだね」
「お魚全般が好きだけれど」
「河豚はだね」
「特に好きなんだ」
 この魚はというのだ。
「本当にね」
「だからだね」
「特にお刺身とお鍋が好きだから」
「ヴェネツィアではだね」
「楽しみだよ」
「それは何よりだね」
 剛は淳二のその言葉に笑顔で応えた、そしてだった。
 今はそこにあるものを食べていった、異なる世界から来た者達は飲んで食べて話をしてそのうえであった。
 親睦も深めていった、だが。
 翌朝桜子はサウナの中にいた、そうして沈み切った顔で言った。
「ワインも同じだよな」
「お酒はお酒たい」 
 香織もいる、他の女達も一緒で身体にタオルを巻いてそこに座っている。
「だからたい」
「飲み過ぎるとね」
「こうなるとよ」
 香織も沈み切った顔で話した。
「二日酔いたい」
「そうだね」
「そして二日酔いにはたい」
「風呂が一番だね」
「特にこれたい」
「サウナだね」
「東の浮島では蒸し風呂というたいが」
 あちらでは元々はこちらを風呂と呼んでいた、そして湯舟の風呂の方を湯と呼んでそしてそれぞれの店も呼んでいた、今では蒸し風呂の店は蒸し風呂屋と呼んでいる。 
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