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レーヴァティン

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第二百五十七話 酒の後でその九

「それで何も対策を取らないでね」
「勝手なことばかりしてるとね」
「感染するよ」
「まさにね」
「それで破滅するから」
「いなくなるね」
「馬鹿な奴はね」
 淳二はスパゲティのイカ墨の味も楽しみつつ話した。
「結局はね」
「自分で自分を破滅させるね」
「病気に限らずね」
「何でもそうだね」
 まさにとだ、剛も応えた。
「自分で自分を崖に近寄せて」
「自分から崖に落ちるんだよね」
「そうなるからね」
「その結末は」
「禍は人が浴びせるんじゃなくて」
 剛はこうも言った。
「自分が招くんだよ」
「そういうことだね」
「行いが正しかったら」
 大ジョッキで赤ワインを豪快に飲みつつ話した。
「禍もね」
「来ないね」
「来ても最低限で済んで」
「周りの人も助けてくれるよ」
「行いが正しい即ち徳を積んでいることだから」
「人がその徳を見てね」
 それでというのだ。
「助けてくれるよ」
「そうだね」
「だから病気もね」
「ちゃんとしてる人は助かるよ」
「人の話を聞いて対策を講じて備えるなら」
「それでね」
 淳二もその通りと応えた、彼は今もスパゲティを食べている。
「そうなるね」
「そうだよね」
「毒のあるものだって」
「僕達ヴェネツィアで河豚を食べるけれど」
「河豚には毒があるよ」
 この世界でもだ。
「それを知ってね」
「毒のある部分をちゃんと取り除いて食べる」
「毒のある部分は食べない」
「例え美味しいと言われてもね」
 肝にしてもそうである、河豚の肝は極めて美味とされているがそこにはとりわけ強い毒があるのだ。
「食べない」
「そうしないとね」
「そこを知るかとかね」
「あたらないとか思って食べると」
「あたるんだよね」
「そんな考えだと」
 河豚にしてもというのだ。
「逆に毒があると把握していて」
「毒のある部分は食べない」
「そうしたら安心だよ」
「美味しく食べられるよ」
 淳二はワインをまた飲んで話した、流石に剛より飲む勢いは弱いが彼にしてもかなりの量を飲んでいる。 
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