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レーヴァティン

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第二百五十話 軌道に乗るまでその九

「凍らせたものを溶かしてだ」
「生で食べられるであります」
「だから鮭の刺身もな」
 蝦夷で獲れた鮭のそれのというのだ、この世界でも鮭は刺身にしたりもして食べられているのである。
「よくだ」
「食べられているであります」
「それをだ」
「増やすでありますな」
「そうしていく」
「鮭にだ」
 幸正も言ってきた。
「鱒に鱈もだ」
「蝦夷ではよく獲れる」
「こういった魚も本土で売るな」
「勿論だ」
 英雄の返事は明快なものだった。
「そして蟹や烏賊もだ」
「売るな」
「海胆もな」
 こちらもというのだ。
「兎角売れるものはだ」
「全て売るな」
「湖の産もな」
「そうだな」
「そうだ、あと酪農にも力を入れ」
 英雄はこちらの話もした。
「肉に乳製品もだ」
「売るな」
「メロンも売る、ようやく入れてだ」
 西の浮島からそうしたのだ。
「メロン畑もな」
「はじめたな」
「あれもだ」
「売るな」
「メロンの木に多く実らせて」
 そのうえでというのだ。
「売る、あれはかなり売れる」
「メロンは美味い」
 幸正は一言で述べた。
「実にな」
「そうだ、だから売れる」
「売れるならだな」
「大いに売ってな」
 そうしてというのだ。
「富にする」
「そうだな」
「俺達も食うがな」
 英雄は自分達の話もした。
「そのメロンをな」
「それも楽しみだな」
「美味いものがふんだんに食える」
「そうあってこそ真に強い国だ」
「誰もがな、だからな」
「そうした国にするな」
「メロンもな、実は俺はメロンが好きだ」
 自分の好みも話した。
「甘いものも好きでな」
「メロンもか」
「だからこの世界でもな」
「蝦夷で作らせようとだな」
「前から考えていてだ」
 そうしてというのだ。
「実際にだ」
「栽培をはじめたな」
「そしてこれからな」
「大々的に作らせてだな」
「売らせてな」
「富にしてだな」
「俺達も食うぞ」 
 そのメロンをというのだ。 
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