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レーヴァティン

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第二百五十話 軌道に乗るまでその八

「だからな」
「あと少しでありますな」
「俺達は蝦夷に留まりな」
「この札幌を拠点として」
「そしてだ」
「政をしていくでありますな」
「各地も巡ってな」
 蝦夷のというのだ。
「そうもしてな」
「そしてでありますな」
「ことを進める」
 ここまで話してだった。
 英雄は茶を飲んだ、すると今度はこう言った。
「茶はここではな」
「採れないであります」
「寒くな」
 同じく茶を飲んでいる峰夫に応えた。
「米と茶はな」
「無理であります」
「そうだな」
「だからでありますな」
「これは作らない」 
 茶はというのだ。
「それよりもだ」
「他の適した作物をでありますな」
「そちらをな」
「作って」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「豊かになる」
「もうそれに尽きるでありますな」
「政はな、いつも言うが」
「そうでありますな」
「そして茶はな」
 飲みつつ話した。
「本土からだ」
「貿易で手に入れるであります」
「浮島の中のな」
「そうでありますな」
「これが大いにだ」
「国を富ませるであります」
「貿易がな、蝦夷のものを本土で売り」
 そしてというのだ。
「そのうえでな」
「本土のものを蝦夷で買う」
「その様にしてだ」
「金を生みだし」
「国もだ」
 それ自体もというのだ。
「富ませる、蝦夷の名産も実に多いしな」
「そうでありますな」
「例えば鮭だ」
 この魚の話もした。
「実にだ」
「蝦夷ではよく獲れるであります」
「イクラもな」
 その卵もというのだ。
「売れる、こうしたものを売ってもだ」
「商いになってであります」
「貿易になる」
「そうでありますな」
「ましてこの世界ではだ」
 英雄はさらに話した、やや強い口調だった。
「術で凍らせることが出来る」
「魚介類や肉もまた」
「だからな」 
 それでというのだ。 
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