私はいじわる 小悪魔が住みついた
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7-⑵
私達は、みんなで、朝1時間程、学校で練習して、同じ市内だけど対戦相手の学校に自転車で向かっていた。試合メンバーには、香澄さんとオーカが選ばれていたのだ。
試合は、5回まで1対1の同点で、最初は穣先輩が投げていたのを交代して、6回表から、島本先輩が投げていたんだけど、9回に3点入れられて、2アウト1塁の時に、末永監督はピッチャー交代で、香澄さんを告げていた。
私達も驚いていたけど、相手からも驚きの声が、でも、本人がもっと驚いていたかも知れない。その時、内野の皆も集まっていたんだけど、センターにまわっていた穣先輩が、香澄さんのもとに寄ってきて、グラブでお尻をポンとして「落ち着いてな」と・・。穣先輩は、香澄さんが投げること先生から聞かされていたのかも知れない。わかっていたかのような仕草だったから。
3ツ続けて、ボールだったんだけど、恭一先輩が香澄さんの元へ。次にようやく、ど真ん中にストライク。そして、次、快音と共にサードの昂君をめがけて・・少しのところで抜かれた・・と、思ったら梶原先輩が深い所からファーストに・・だけど、間に合わなかった。1塁2塁になって、又、梶原先輩と恭一先輩が香澄さんの元へ・・そして、最初のボール、はずれたと思ったら、その時、キャチッヤーからファーストのボールが送られ、アウトにした。みんなからも、香澄さんは肩を叩かれながらベンチに帰ってきていた。
そして、7回の裏、最後の攻撃で、最初のバツター昂君は、1.2塁間を抜いてヒツトで出ていたんだけど、次が二人凡退して、香澄さんの番のところに、監督はオーカを代打に告げていた。
そしたら、3塁側の後ろで見ていた父兄らしき人から、「オーカ ルーマバヌ」綺麗な人。そして、その脇に居る二人の小さな男の子からも「オーカ ガンバレ」と叫んでいる応援が・・。
1球目ボール。そして、2球目、大きな空振り。すると、穣先輩がオーカ呼び寄せて何かアドバイスを与えていた。3球目、快音がしてライナーでライト方向に・・でも、センターがまわりこんで捕られてしまった。昂君はもう3塁まで進んでいたんだけど・・。4対1 の敗戦だ。
「よーし 次は予選1回戦だぞ 来週から、気合を入れて、練習するぞー」と、監督が最後みんなを集めて言っていた。そして、オーカに「オーカ ナイススンイグ」と、声を掛けていた。
帰る時、みんなと別れてから、私と昂君のふたりっきりになった時
「なぁ 昂 お腹すいてへん なぁ 何か、食べよー」と、声を掛けているのに、昂君はしらんぷりだった。
「なぁ 昂 聞こえてるーぅ 何か、たべよーな」
「うるさいなー 何んかってなんやねん」
「うーん 焼きそばパン」
「なんやねん そのしみたれたんはー」
「うん お金あんまり 持ってへんから・・」
「じゃあ 帰って 食べたら、ええやん」
「うー でもなー 最近 昂とあんまー話してへんし・・ お小遣いも最近、もろてへんし・・ちょっとでも、昂と 一緒に食べよかなって・・」
「わかったよー 付き合う じゃぁ コンビニで買って 焼きそばパンやな 変なの好きなんやな― 女の子の食べるもんなんかー」
公園で、焼きそばパンと昂君が買ってくれたジュースを飲みながら
「惜しかったね でも、昂2安打だから、良かったね」
「うん 何とかな でも、ランナーが居る時、打てなかった」
「まあ 次 本番だから頑張れば良いやんか」
「そんな 簡単に言うなよ」
「なに ゆうてんのん ウチが大声だして 応援してんのん 聞こえてへんの―」
「ウン わかってるよー 頑張って なんとかしようと思ってる」
「ヨシ! さすが ウチの昂や」
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