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私はいじわる 小悪魔が住みついた

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第七章
  7-⑴

 5月の連休も過ぎて、最初の登校日、私は、末永先生に呼ばれていた。

「真珠 女子の連中は 今の練習の仕方で不満ないのかなー」

「何で そんなこと ウチに聞くの? みんなに聞いたらええやん」

「お前 ゥン 君の方が 本音聞けると思ってな 遠慮なしに話すから」

「なんか その言い方 ええ感じせーへんけどな そーやな 休み前に美智佳先輩も入ってくれたやんかー 今 9人やでー 一応チームやんか せやけど、グラウンドに立てへんやんか そらー 男子は試合近いでー そやから、ウチ等 納得してるけどな なんか、お荷物なんかなって思ってるんや」

「そうかー 先生も気にはなってるんやでー 中途半端で悪いなぁー と」

「センセ まぁ 大会予選 終わるまで、ウチ等のこと 気にせんとってー ウチらも男子のこと応援してるし」

 と、言ったものの・・美智佳先輩というのは、幅跳びとか、高跳びとかをやっている2年生なのだ。何故か、香澄先輩に誘われて、入ってきたのだ。後で、聞いたのだが、ふたりとも小学校の時は、地元のソフトボールのチームに入っていたらしかった。

 その日の練習では、シートバッティングが始まると、美智佳先輩がレギュラーの田中先輩と代わり代わりにファーストに立っていた。そして、ピッチングエリァでは、交代で鈴花と香澄さんが・・受けているのはオーカだった。そして、キャッチャーのマスクにプロテクターを着けて。時折、恭一先輩から、なにかを教えてもらっている様子だった。

「真珠 オーカの前に立て バットは振るだけ 空振りな 打つなよ」と、先生が私にヘルメットを渡してきた。私は、昂君に教えてもらったように、バットを途中までで止めて、ボールに当らないように気をつけて・・。オーカは取り損ねたりしていたが、私達、恰好つくようになっていた。

 そして、1週間後に近くの学校と練習試合が組まれていた。私は、又、お母さんに、おねだりしていたんだけど、ユニフォームパンツとかベルト、アンダーシャツ。

「ダメ! お金無い。何で野球って、そんなに、お金かかるのー 慎也なんて、買ったのスパイクだけだよ それに、毎月の部費もサッカーより高いし・・ なんで、真珠が野球なんて、やり始めちゃったんだろうね あなたのスポンサーに、又、頼んでみたら・・言っておきますけどね この前みたいに、ビールをお酌するなんて、ルール違反よ!」

 そして、この前と同じようにお父さんが帰ってきたとき、洗面所まで付いていってタオルを用意して待っていたら

「真珠 今日は 何を買って欲しいんだ」と、先に、お父さんに言われてしまった。

「うん 試合近いからね ユニフォームのパンツとか 欲しいんだ」

「おぉーっ 試合出るんか?」

「うぅん まだ なんだけどね 一応ね」

「そうか まぁ 将来の甲子園選手の為なら 仕方ないか」

 私は、お父さんに抱きついて、その日のご飯の時も、ずーとお父さんにベッタリだった。



 
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