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私はいじわる 小悪魔が住みついた

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6-⑽

 土曜日、私達3人は河川敷公園の空地で練習していた。キャッチボールとか、ゴロとかフライを投げて取る練習。

「なんか むなしいよねー」と、鈴花ちゃんが言うと

「むなしい? 楽しい? むなしいって?」と、オーカが不思議そうな顔をしていた。

「あのね 張り合いがないっていうかー 一生懸命やっても認められないっていうかー」

「リンカ そんなこと無いよ 私は、楽しいし、上手になっているの わかるから うれしい」

「そう オーカ もくもくとやってるもんね」と、鈴花ちゃんが言ったら

「もくもく?」と、又、オーカが

「フロント フロント? ちゃうな アドバンス?」と、私が説明していると

「おー わかった マリ ありがとう」と、手をごっつい両手で握ってきた。

「そうよ 鈴花も らしくないよ いつも前向きなのに 一歩ずつやんか 目指せリーグ戦」

「そうだね 真珠 なんか、逞しくなってきたね」

「なによー やれば、できる真珠ちゃんだよ だけど、あと1人欲しいよね」

 その日の夕方、近くの公園で昂君と待ち合わせをしていた。スイングを見てもらうつもりだった。

「真珠 バット 買ってもらったんか」

「うん 練習してうまくなりたいの」

「真珠がさー なんで、そんなに のめり込むのって 不思議なんだけど」

「そーだね ウチにも わからん だけど、昂もやってるやん ウチが うまくなったら、昂もレギュラーになれるような気がしてな」

「もう 多分 サードで使ってもらえると思う それまでの梶原先輩がショートにいったからな」

 それから、私がバットを振るのを見てもらったけど

「真珠 この前より、ぜんぜん あかん 無理やり、バットに振られてるって感じやないか そんなに腕伸ばしていたら、ボールに当らん えーとなー もっと右肘を自分に寄せる感じでバットをお腹の前で止めて見な ちょつと それの繰り返し」

「えー そんなんしたら 当たらへんのんちゃうの 振らなー」

「いいんだよ 先ず、ボールの芯にバットを当てにいくんだよ はよ やれ そのコツをつかむまでな」

 私は、言われたとおりにしていたつもりだけど

「あかん もっと肘をよせろ それと、腰が手より先に、開いてしまってる 腰を開くな」と、私のお尻を叩いてきた。

「なに すんのー いきなり」

「なんだよー 教えているんだから だまれ それっくらい」

 私は「うーぅ」と我慢していたら、今度は私の腰をつかんで「振ってみろ」って・・動かないように固定して、バットを振り降ろしてきたら、ぐっと腰をひねって・・

「うん その感覚でやってみな」と、私は何となくその調子でやっていたら

「うん だいぶ 良くなった こんな風に真珠に触って教えるって 俺にしか出来ないだろう でもな、その調子だったら、シングルヒットぐらい打てるかもな 早い球でも」

「そうか じゃぁ 昂に触らせていた甲斐あったな」

「バカ 触りたくて、やってたんじぁないよ お前 今の感じ忘れるなよ それで、家でも練習しとけよ 覚え込むまで」

「わかったよー お前って 言うな! あのさー 最後まで、振ったらあかんのー?」

「うーん もう少し 腰が安定するまでな」

「ありがとう 昂 やっぱり ウチの昂やねー」

「バカ! だったら ちょっと 触ったくらいで騒ぐなよ」

「だってさー いつも いきなりやね もん」 

 
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