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レーヴァティン

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第二百三十三話 後始末を進めその九

「そうしていく」
「餓えもなくなり」
「しかも林檎は身体にいいからな」
「日持ちもしますし」
「いい果物だ、信濃でも多く作らせているが」
「津軽でもですね」
「そうしていく」
 こう話した。
「津軽から全土に送る」
「左様ですね」
「様々なその土地に適したものを作らせ」
「民に売らせて」
「豊かにもさせてな」
 そうしてというのだ。
「かつだ」
「民が食べて」
「その分餓えもなくす」
 それもというのだ。
「そうしていく、あと林檎の菓子もだ」
「それもですか」
「作らせる様にするか」
「林檎の菓子ですか」
「あれも美味いからな」
「即ち売れるので」
「そうもさせるか、果物はな」
 それ自体の話もした。
「食えば美味いしな」
「お菓子にもなりますね」
「だからいい、また酒にもなる」
「葡萄がそうですね」
「ワインも造らせているしな」   
 甲斐で主にそうさせている、葡萄だけでなく酒もそうさせて民に売らせて豊かにもさせているのである。
「それに林檎もな」
「お酒になりますね」
「シードルにな、ならな」
「この津軽では」
「林檎の菓子にだ」
 それにというのだ。
「シードルもな」
「造らせますか」
「そうしてだ」
 そのうえでというのだ。
「売らせよう」
「それでは」
「酒は売れる」
「多くの者が飲みますので」
「俺達もな」
 英雄は自分達のことも話した、実は十三人全員が酒好きである。ただしこの中で煙草を吸う者はいない。
「そうだしな」
「だからわかりますね」
「酒は売れる」
「ではシードルも」
「造らせる」
 その様にするというのだ。
「そしてだ」
「売らせますね」
「そうする、ではここの林檎は増やす」
「ここは寒いですが」
「冷害にもなりやすいが」
「林檎があればですね」
「いいからな、ではその様にする」
 こう言って英雄は津軽では林檎を増やさせた、他にも蕎麦等もそうさせて仙台では牧場を増やしかつ。
 湖の幸を食べこう言った。
「このほや、他の幸もな」
「食べる様にするでござるな」
「そうする、食えるものは多い」 
 こう智に答えた。
「だからな」
「その食べられるものを」
「多く食べる、ほやにしてもだ」
 今食べているそれもというのだ。 
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