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レーヴァティン

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第二百三十三話 後始末を進めその十

「これもだ」
「食するべきでござるな」
「美味い、しかもだ」 
 それに加えてというのだ。
「ほやは保夜と書く」
「漢字ではでござるな」
「精がつくからな」
 だからだというのだ。
「そうなる、そんなものをどうして食わずにいられる」
「だからでござるな」
「食うべきだ」
 是非にというのだ。
「ほやもな、そしてなまこもだ」
「そういえば英雄殿は」
「なまこも好きだな」
「左様でござるな」
「あれも滋養にいい」
 そうだからというのだ。
「食うべきだ、食いもの飲みものの好き嫌いはあるが」
「好きならでござるな」
「食うべきだ」
 それならばというのだ。
「そうするべきだ、兎角あらゆるやり方でだ」
「民を食わせるでござるな」
「そして餓えから解放する、餓えがないことはだ」
 このことはというのだ。
「豊かであることの条件の一つだ」
「そうでござるな」
「だからそうしていく、農作物に牧畜にな」
 それにというのだ。
「漁業もな」
「していくでござるな」
「そうだ」 
 まさにというのだ。
「奥羽は特に冷害があるからな」
「餓えから救う様にするでござるな」
「そうしていく」
 こう言ってだった。
 英雄はほやを食べた、そうして。
 奥羽で牧畜も充実させていった、牛や鶏それに豚を育てさせていった。そうした生きものだけでなく。
「羊もだ」
「これは全国でっちゃな」
「そうだ、羊は肉にだ」
 愛実に答えた。
「それに羊毛も採れる」
「だからっちゃな」
「多く育てさせてな」
「お肉と羊毛をっちゃな」
「手に入れてな」
「産業にするっちゃな」
「羊の肉も美味い」
 英雄は強い声で述べた。
「何しろ美という言葉はな」
「羊から生まれたっちゃな」
「そこまで美味いのだからな」
 それでというのだ。
「羊はだ」
「食べると美味いっちゃ」
「だからどんどんだ」
「作らせるっちゃな」
「そうする」
 その様にするというのだ。
「そちらの肉もいいからな」
「わかったっちゃ」
「前もこの話をしたと思うが」
 それでもというのだ。
「これまで以上にな」
「力を入れていくっちゃな」
「出来ることは全てしていく」
「それが政っちゃ」
「そして豊かになることだ」
「そうっちゃな」
「だから羊もそうしていく」
 こう言うのだった。
「奥羽でもな、しかし俺は美味いと思うが」
「好き嫌いがあるっちゃ」
「匂いが苦手という者が多い」
「この浮島ではそうっちゃな」
「また牧畜をすると獣に襲われやすい」
「だから番犬も必要っちゃ」
「狼は実はあまり恐ろしくない」
 牧畜をするにあたってというのだ。 
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