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レーヴァティン

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第二百十一話 全軍集結その五

「そうしていきます」
「そうだよな」
「はい、ではこれからも」
「そうしたことはな」
「許さないことです」
「略奪や暴行もな」
「決して。小悪党は臆病で器が小さいですが」
 取るに足らない様な輩だがというのだ。
「しかしその悪事はです」
「醜いな」
「自分しかないので」
 それ故にというのだ。
「そうした悪事は非常に醜悪であることが多いです」
「大悪党は筋が通ってるからな」
「その悪事にも」
「だから醜くないな」
「そうです、どんなことも筋が通っていれば」
 それならというのだ。
「醜くないです」
「そうだよな」
「ですが己の為だけであったり狂気が入っていれば」 
 それならというのだ。
「醜悪なものになります」
「それが邪悪ね」
 双葉も言ってきた。
「要するに」
「吐き気を催すな」
「それね」
 まさにというのだ。
「醜い悪ね」
「醜いからな」
「吐き気を催すのね」
「そういうことだな」
「悪でもなのね」
「やっぱり色々あるさ」
 種類があるというのだ。
「ストレートな悪もあればな」
「邪悪もあって」
「そしてその邪悪の中でもな」
「吐き気を催すのはどうしてか」
「醜いからだよ」
 それでというのだ。
「それでだ」
「吐き気を催すのね」
「ああ。邪悪でも普通の邪悪ならな」
 久志は言った。
「顔を顰めさせてもな」
「吐き気を催すまでは至らない」
「そういうことだな、それでそんな悪党はな」
「もう小悪党で」
「そんな奴はな」
 絶対にというのだ。
「醜いしな」
「碌なことをしないから」
「成敗しないとな」 
 絶対にというのだ。
「本当に」
「そうだよね、悪党は悪党でもね」
 芳直も言ってきた。
「そこが問題だよね」
「ああ、堂々たる悪党はな」
「やっぱり違うね」
「そうした奴はいざって時も潔いだろ」
「そうなんだよね」
「けれど小悪党でな」
「吐き気を催す位だと」
 久志に言った。
「命乞いしたり責任転嫁してな」
「何とか自分だけ助かろうとするだろ」
「他人はどうなってもいいとか言ってね」
「もう自分だけでな」
「そこでも醜いね」
「そうなるからな」
 だからだというのだ。
「もうな」
「それでだね」
「ああ、本当にな」
 こう芳直に述べた。 
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