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レーヴァティン

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第二百十一話 全軍集結その六

「そこでもわかるんだよ」
「醜い邪悪、吐き気を催す邪悪だって」
「死ぬ時にもな、そうした奴を赦さないそして最初から出来るだけな」
「好きにさせないだね」
「法律ってのはその為にもあるだろ」
 久志の今の言葉はすっきりしたものだった、表情も同じだ。全てを理解してそのうえで進んでいる顔であった。
「悪党の好きにさせない」
「そうしたものだよね」
「その為にあるからな」
「軍律もね」
「それを定めてな」
 そうしてというのだ。
「守らせていくな」
「そういうことだね」
「これからもな、それで敵軍だけれどな」
 あらためて彼等の話をした。
「一体な」
「どうして戦うか」
 留奈が応えた。
「これから」
「ああ、王国軍と連合王国軍は川を渡る」
 ライン川、それをというのだ。
「それはもう確実だ」
「それで騎士団軍と合流することは」
「合わせて三十万だ」
「そこまでの規模の大軍と戦ったことはないわ」 
 留奈は落ち着いた声で述べた。
「私達はね」
「こっちは四十万でな」
「それだけの規模の大軍を動かしたこともないわ」
「戦は数でもな」
「多いとやっぱりね」
「動かすにな」
 その為にというのだ。
「苦労するな」
「そうね」
「だから兵は分けてな」
 そうしてというのだ。
「俺が統率するって形でな」
「動かしていくわね」
「ああ」
 そうするというのだ。
「この戦ではな、俺が直接率いる軍もな」
「もうけるわね」
「お前等は三万ずつでな」
 十二人の仲間達はというのだ。
「それで俺は四万な」
「率いて」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「戦うな」
「そういうことね」
「ああ、それとな」
 久志はさらに言った。
「敵は集結してもな」
「それでもなのね」
「ああ、ばらばらだろ」
「国ごとでね」
「それぞれ利害が違う」
 三国でというのだ。
「だからな」
「共に戦場にいても」
「思惑が違うからな」
 国益を目指すそれがというのだ。
「それでだよ」
「三国は完全に一つじゃないわね」
 清音も言ってきた。
「どう考えても」
「ああ、それに対してな」
「私達は違うよね」
「人間だから色々考えはあるさ」
「それぞれね」
「けれど目的は同じだな」
 これはとうのだ。 
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