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レーヴァティン

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第二百十一話 全軍集結その四

「こういう奴見てな」
「周りも腐ってくな」
「そうなるからだよ」
「そういう奴はな」
「見付け次第処罰するな」
「そうしてくな」
「それで責任擦り付けたりな」
 そうした醜い行いはというと。
「見破らないとな」
「あかんな」
「冤罪になってな」
 そうしてというのだ。
「罪のない人が処罰されて」
「実際に罪がある奴がのうのうとかな」
「絶対に駄目だからな」
 あってはならないというのだ。
「本当にな」
「冤罪は絶対に防ぐべきです」
 こう言ったのは順一だった。
「そうしたことの一つです」
「そうだよな」
「そうしたことをなくさないと」
「本当の悪い奴が捕まらないでな」
「そして無実の人が苦しむ様では」
 それではとだ、順一も言った。
「それだけで間違っています」
「そうだよな」
「ですから」
「冤罪は防がないとな」
「特にそうした小悪党の責任転嫁によるそれは」
「防がないとな」
「マクベスでもです」
 順一はシェークスピアの代表作の一つも話に出した、スコットランドを舞台にした権力を求めてそれを奪い破滅に至る物語である。
「ダンカン王を殺したその時に」
「マクベスもマクベス夫人も捕まえていればな」
「その後のことはなかったです」
「物語が続いてないな」
 久志はマクベスを物語として考えこう言った。
「それならな」
「お話としてはそうですね、ですが」
「あの夫婦の悪事はな」
「それで止まっていました」
「そうなっていたな」
「もっともあの悪事を見破ることは」
 マクベスによる王の弑逆はだ、これはマクベス夫人が唆したことだ。
「相当な名探偵でもです」
「無理だな」
「はい、事実あの時は」
「まだ登場人物の誰もな」
「彼等の悪には気付いていませんでした」
「そうだったな」
「そしてです」
 そのうえでだったのだ。
「あの様にです」
「悪事が行われていってな」
「多くの血が流れました」
 それがマクベスの話である。
「マクベスとマクベス夫人が権力を求め」
「その座を確かにする為にな」
「多くの血が流れました、ですが」
「最初で見破っていればな」
「彼等は王を弑逆した大罪人として処罰されていました」
「そうだったな」
「あの夫婦は」
 共にというのだ。
「首を刎ねられていました」
「そうだったな」
「ですから」
「悪事は最初でな」
「見破り」
 そしてというのだ。
「冤罪を出さないことです」
「悪党はそれからも悪事重ねるしな」
「そうです、特に小悪党は」
 今話している者達はというのだ。 
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