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レーヴァティン

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第二百四話 口の形の違いその十

「栄えている諸都市がでござる」
「武器だな」
「武力に商業がでござる」
「発展してるな」
「農業もあるでござるが」
「街がだな」
「知られているでござる、そして街の中には」
 進太はさらに話した。
「商人にでござる」
「あと優れた職人も多いか」
「職人も有名で」
 それでというのだ。
「その手工業もでござる」
「手に入れるべきか」
「そうでござる」
 まさにというのだ。
「だからでござる」
「是非だな」
「街は出来る限り無傷で手に入れて」
「商業も手工業も手に入れることか」
「人材ごとでござる」
「そうすれば大きな力になるな」
 久志は地図の諸都市を見つつ言った、そうしつつ帝国軍の駒を地図上の帝国領にさらに進めさせる。
「欲張るか」
「それがいいでござる」
「村もな」
「農業もでござるな」
「欲を張ってな」
 そうしてというのだ。
「そしてな」
「手に入れるでござるな」
「ああ」
「政は欲を張る」
「それもいいんだな」
「欲を張って」
「全部を手に入れようと手を考え」 
 久志はさらに言った。
「実行に移す」
「それがでござる」
「いいんだな」
「欲を張って誰も傷付けないなら」
 それならというのだ。
「いいでござる」
「人を傷付ける欲は駄目ってことか」
「政でも」
「そういうことか」
「しかしこうしたでござる」
「誰も傷付けないものならか」
「是非にでござる」 
 進太は強い声で語った。
「持ってでござる」
「張るべきだな」
「そう思うでござる」
 進太にしてもというのだ。
「それが多くの人を救うことにもなるでござるから」
「そういうことだな」
「では」
「ああ、是非な」
 まさにとだ、久志は進太に応えて言った。
「全部な」
「手に入れるでござるな」
「強欲にな」
 笑ってこうも言った。
「そうしていくな」
「それでは」
「無欲であれっていうけれどな」
「いい欲と悪い欲があるでござる」
「そうだよな」
「善行を積むには貪欲であれ、でござるよ」
 進太は笑って述べた。
「やはり」
「そうだよな」
「そして政では」
「それが国益になるならな」
「是非にでござる」
「強欲にならないと駄目か」
「そうでござる」
「そういうことだな」
「ただ国益を求めてもね」 
 清音は久志に落ち着いた声で話した。 
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