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レーヴァティン

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第二百四話 口の形の違いその十一

「こっちが丸儲けだとね」
「相手の反発食うよな」
「ウィンウィンってあるけれど」
「相手も満足してな」
「それで真の国益よ」
「そうだよな」
「そう、相手にもね」
 それはというのだ。
「考えないとね」
「ちゃんと利益が行く様にしないとな」
「自国第一、ファーストであるべきでも」
 それは当然としてもというのだ。
「相手から怨まれない」
「それも心掛けないとな」
「それで気に入らないからすぐに席を立つ」
「脱退とかな」
「これもね」
「駄目だよな」
「そう、ましてそれがわからない人は」
 清音はクールさをさらに強めて話した。
「所詮とね」
「言われるな」
「それがわかってない人は日本にも多いけれどね」
「そうだな、自分は国士気取りでな」
「その実はね」
「所詮だな」
「そう言われる人よ」
 それ止まりであるとだ、清音は話した。そこには冷徹なまでに見極めているものが確かに存在していた。
「もうね、ましてそこで不正があったとか言うなら」
「余計にだな」
「選挙とかでね」
「一方の主張を鵜呑みにしてな」
「陰謀論まで言い出したら」
 それならというのだ。
「所詮どころかね」
「それ以下ってな」
「言われるわよ」
「そうした話だな」
「国益は大事でも」
 清音はさらに言った。
「相手も考える」
「それが大事だな」
「こっちが美味しいところ総取りだと」
 それならというのだ。
「その時はよくても」
「相手に怨まれてな」
「かえって損よ」
「そうなるな」
「そこも考えて」
「国益を求めることだな」
「欲もね」
 これもというのだ。
「政では強欲はよくても」
「弁えてか」
「相手も見てね」
「求めて手に入れる」
「そういうものよ」
「成程な」
「国益を求めなくていいとか言ったら論外だけれどね」
「政に携わる奴がそう言ったらな」
「もう政の場から去るべきよ」
 そうした輩はというのだ。
「最早ね」
「最早それは政治家ではないな」
 芳直もそうした輩には容赦がなかった。
「汚職をしてもな」
「国益をもたらすならな」
「政治家だが」
「国益を考えないとな」
「例え自分は清廉潔白でもな」
「政治家じゃないな」
「政の場から退いてだ」
 そうした輩はというのだ。
「他の世界で生きるべきだ」
「そうだよな」
「起きた世界の我が国では野党がそうだがな」
「もう国益なんてな」
「全く考えないでだ」
「文句ばかり言ってな」
「それではだ」
 芳直は否定そのものの声でさらに言った。 
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